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千葉台風15号(2019)から3年 復旧は? 停電の教訓模索の動きも

  • 2022年09月05日

3年前、千葉県を中心に甚大な被害が出た台風15号。記録的な暴風などで多くの住宅に被害があり、いまも「みなし仮設」での仮住まいを余儀なくされている人もいます。
ちばWEB特集では今週、3年前の教訓をどのように生かし、次の災害に備えるのかという動きなどについてお伝えしていきます。

(千葉放送局 2019年台風15号関連取材班)

令和元年9月9日に千葉市付近に上陸した台風15号では、記録的な暴風などで県内の8万2000棟を超える住宅に被害が出て12人が災害関連死と認定されました。

2019年12月

また、台風によって最大で64万戸余りが停電し、関連死と認定された人のうち8人は、熱中症など
停電の影響で亡くなったとされています。

当時停電したエリア

あれから3年が経過し、▽住宅の修理にかかる経費を補助する支援制度は、すべての申請分について工事が完了したほか、▽38億円に上った義援金の配分なども終わっています。

一方、住まいを失った被災者のために賃貸住宅を借り上げるいわゆる「みなし仮設」には、同じ年にあった別の災害の被災者も含めて、9月1日時点で25世帯が入居しています。ただ、「みなし仮設」は災害の発生から1年以内に入居し、最大2年間という期限があるため、賃貸住宅として住み続けたり再建した自宅に移ったりして近く解消する見通しです。

このときの停電を教訓として、県内ではこの3年間に、再び停電が起きた場合に備えようという動きも広がりつつあります。

小学校に設置された太陽光パネル(千葉市)

例えば、▽人工呼吸器など医療的ケアが必要な子どもたちについて、1人1人の事情に応じた避難先を事前に調整しておく取り組みが始まっているほか、▽千葉市では避難所となる小中学校や公民館に太陽光パネルと蓄電池を設置し、すでに110か所余りで導入されるなどしています。

こうした動きについて、千葉放送局では、今週の総合テレビ「首都圏ネットワーク」や、このちばWEB特集でもお伝えしていきます。

台風15号や、その1か月後の台風19号についてはこれまでにもさまざまな視点から取材、報道をしてきました。タイトルから、該当の記事をお読みいただけます〈()は掲載年月〉。

“大停電”台風から3年 地域で何を備える?(2022年9月掲載)
最大64万戸が停電に見舞われた2019年9月の台風15号。停電は長いところで2週間以上続き、8人が熱中症など停電の影響で亡くなりました。
しかし、県内には当時、いち早く電力を復旧できた地域がいくつかありました。取材した3つの現場から見えてきた「備え」のキーワードは、「エネルギーの自立」でした。

台風15号から3年 人口減少進む被災地をみつめて 千葉 鋸南町(2022年9月)
千葉県を襲った令和元年の台風15号で、地区の7割以上の家が被災するなど、特に大きな被害を受けた鋸南町の岩井袋地区。屋根をブルーシートに覆われた住宅が建ち並ぶ景色が印象に残っている人も多いのではないでしょうか。あれから3年、被災した町はどうなったのか。記者が足を運びました。

台風15号から3年 医療的ケア児らの“ダイレクト避難”は進むか(2022年9月)
3年前の長期停電によって、人工呼吸器の使用やたんの吸引など、在宅で「医療的ケア」を受ける子どもたちも、命の危険にさらされていました。こうした子どもたちの命を守るための対策は、はたしてどれぐらい進んだのでしょうか。

おかえり天気 令和元年台風15号から3年 在宅避難も選択肢に(2022年9月)
日本防災士会 千葉県支部 副支部長の高木一彦さんは、自宅のある富津市で被災した経験から日頃から地域の防災ネットワークを作ることが重要だと考えました。市内の防災士や防災に関心のある市民を中心とした「ふっつ防災ネットワーク」という団体の設立に関わり、災害に備えているそうです。

台風被害から2年の千葉・鋸南町 ブルーシートがなぜ今も?(2021年10月)
台風15号で甚大な被害を受けた鋸南町では、当時多くの家屋が損壊して屋根にブルーシートがかけられていました。2年たっても、今なおブルーシートがあちこちで目に入ってきます。復旧作業が終わらない町で不安な生活を送る人たちの声を聞きました。

千葉台風15号から2年「停電で熱中症」遺族が語る(2021年9月)
台風15号では、市原市でビジネスホテルを経営していた男性が熱中症の疑いで亡くなりました。夫が守ってきたホテルを残そうと、経営を引き継いだ妻の思いを取材しました。

千葉台風15号(2019)から2年 “逆境をバネに”奮闘する父と娘(2021年9月)
強風で全壊した館山市の老舗旅館は、逆境をバネに建物を再建して、地域を元気にする交流拠点に生まれ変わろうとしています。奮闘する父と娘の姿を追いました。

台風15号(2019)被害の千葉 ブルーシートの家は空き家になった(2021年9月)
屋根にブルーシートを張られた家はほとんどなくなり、一見復旧したように見えますが、地域を歩いて取材すると、建物が壊れたまま放置される「空き家」が問題になっていることがわかってきました。

千葉 台風15号(2019)の長期停電教訓に「マイクログリッド」(2021年9月)
停電に備えて、大手電力に頼らず、地域の電力はみずから確保しようとする取り組みが進められています。

台風15号で被災の千葉 支援のブルーシートでバッグ作り(2020年10月)
台風15号で全国から寄せられ使われてきたブルーシート。役目を終えたブルーシートがバッグに生まれ変わり、地域に新たなつながりが広がっています。

台風19号(2019年)の被害・死者 いまも続く影響をデータで見る(2020年10月)
関東甲信越ではこの数十年で最大規模の水害となった台風19号、被災の実態を、都県ごとのデータで見ていきます。

停電が奪った母の命 台風の長期停電で熱中症に(2020年9月)
台風15号のあと、母親の命を奪ったのは、浸水でも強風でもなく、長期化した停電でした。

台風15号(2019年) 千葉鉄柱倒壊現場 戻れたのは3世帯(2020年9月)
台風15号の暴風では市原市でゴルフ練習場の鉄柱が倒壊。多くの住宅に被害が出た現場の1年後を取材しました。

“停電に奪われた命” ~千葉・台風15号の教訓は生きるのか~(2020年9月)
停電によって、人の命が奪われてしまう。そんな信じがたいことが起きたのが、ちょうど1年前の去年9月9日、記録的な暴風が千葉県を襲った台風15号でした。現代社会の弱点をつくような“新たな災害”とも言える大規模な停電に、備える方法はあるのか。全国で台風による停電の発生が課題になる中、台風15号を教訓に対策が進む千葉県各地の現場を、訪ね歩きました。

台風15号から半年 復興の春を歩む 房総半島(2020年3月)
復興に向け、春の観光シーズンに向けて歩みを進める人たちを取材しました。

大規模停電のリスクにどう備えるか~検証・台風15号~(2019年10月)
台風15号によって広範囲・長期に及んだ大規模停電。復旧にあたって浮かび上がってきた様々な問題を検証していく。大量の電柱が倒壊した背景にあるとみられる想定外のメカニズム。電話や防災無線など、あらゆるものが停電で使えなくなる中、被害状況の把握が遅れる想定外の事態。各地に電源車が入るものの、必要なところに配車されなかった実態。そして、復旧後に襲った「再停電」や「隠れ停電」… この災害から教訓とすべきものは?

NHKでは、3年前の台風15号で被災されたみなさんに、当時の経験からいまどんな備えをしているのかを聞きました。こちらの動画でご覧いただけます。

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