参議院選挙の投票日は、10日(日)です。千葉選挙区の14人の候補者は、選挙戦の最終盤を戦っています。候補者アンケートをみる第2弾、今回はジェンダーや憲法への考え方について、候補者の主張を見ていきます。
(千葉放送局東葛支局記者 杉山加奈)
千葉選挙区に立候補しているのは、届け出順にご覧の方々です。
ねぇねぇ杉山記者は候補者のどのアンケート内容に注目したの?
わたしはこれまでジェンダーの問題に関心を持って取材をしてきたので、まずはこれについて各候補者がどのように答えたのか、見ていきたいと思います。
国民の価値観や家族観の多様化に伴って、近年では、夫婦別姓や同性婚などをめぐる裁判も増えています。みなさんも、議論を耳にする機会が多くなっていると感じているのではないでしょうか?最初に、この2つの問いについて見ていきたいと思います。
この質問は、賛否が明確にわかれたね。
そうですね。候補者の性別に関係なく、ほとんどの候補者が態度を鮮明にしました。
同性婚については以下のようになりました。
次に、日本が世界各国の中でも低い水準にとどまっている女性議員の割合、これを増やすための取り組みについての質問です。世界各国の議会で、女性議員が占める割合は全体で26.1%と過去最高になった一方、衆議院は1割に満たず、世界で163位です。
次は皇室についてみていくよ。
安定的な皇位継承のあり方などを議論してきた政府の有識者会議が、皇族の数を確保する方策として示した2つの案について聞きました。
2つとも、候補者によって回答はそれぞれでした。
憲法をめぐる議論も、最近よく聞く気がするね。
憲法改正を発議するためには、衆参両院で、すべての議員の3分の2以上の賛成が必要です。衆議院ではどうかというと、いま、憲法改正に前向きな自民・公明両党と日本維新の会、国民民主党の4党が3分の2以上の議席を占めています。この4党が今回、参議院でも3分の2以上の議席を確保できるかが焦点になっているんです。
憲法改正といっても、どの部分を改正するかと言うことについての意見は、それぞれなんだよね?
そうなんです。少し個別に見ていきたいと思います。まずは、憲法9条を改正し、自衛隊を明記することの賛否について。
次は、緊急事態条項についてです。大災害などの緊急事態が起きた際に、▼国会の機能をどのように維持するのかや、▼一時的に政府の権限を強めたり、国民の権利を制約したりすることが検討されています。
それは、憲法を変えないとできないの?
それには議論があって、▽法律などを整備すれば対応が可能で、憲法改正の必要はない、という指摘や、▽権力の乱用を招く恐れがある、などといった懸念も出されているんです。
「緊急事態条項」については賛成と反対、真っ二つにわかれたね。
最後は、エネルギー政策について聞きました。まずは、原子力発電への依存について。
意見がわかれたね。
そうですね。関連して、再生可能エネルギーの割合をどうすべきかについても聞きました。資源エネルギー庁によると、日本では東日本大震災以降、石炭や石油などの化石燃料への依存度は高まっていて、2019年度では84.8%でした。地熱や風力、太陽光など再生可能エネルギーなどは8.8%です。
日本は原発事故を経験しているからこそ、エネルギーの問題については国民の間でも意見がさまざまで、それがこのアンケートにも表れていると思います。
NHKではそのほか、さまざまな政策について候補者アンケートをとっているので、これから投票に行くという人はぜひ参考にしてみてください。また、候補者と同じ質問に答えると、みなさんの回答と各候補者の回答との一致度を調べることができる「ボートマッチ」もぜひ参考にしてみてください。