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地震で建物はどう揺れる? ~長周期地震動と次世代ハザードマップ~

「地震で建物はどう揺れる? ~長周期地震動と次世代ハザードマップ~2017年3月29日

シュト子「6年前の東日本大震災では、東京新宿の超高層ビルも大きく揺れて不安だったわ。」サイ坊「昨年4月の熊本地震では非常に強い長周期地震動が観測されていたんだ。長周期地震動について「ニュース7」でリポートしていたので見てみよう!」

1長周期地震動とは? ~高層ビルに与える影響~ (平成28年5月14日OA 「ニュース7」)

地震には揺れが1往復するのにかかる時間(周期)の違いで、ガタガタと小刻みに揺れる場合とユラユラとゆっくり大きく揺れる場合があり、ユラユラとした揺れを長周期地震動といいます。

建物には固有の揺れやすい周期があり、木造住宅が被害を受けるのは、1秒から2秒の揺れです。
一方、周期が2秒を超える長周期地震動は、高層ビル全体を大きく揺らします。

シュト子「木造住宅と超高層ビルでは揺れかたがずいぶんと違うのね・・・」

一連の熊本地震のうち、マグニチュード7.3の地震で震度7を記録した西原村では、周期が1秒から2秒の揺れに加えて、3秒から4秒の非常に強い長周期地震動がとらえられていました。

内陸の活断層の地震で、これほど強い長周期の揺れが確認されたのは初めてです。

工学院大学教授 久田嘉章さん

工学院大学教授 久田嘉章さん

解析 工学院大学 久田研究室

地震工学が専門の工学院大学教授 久田嘉章さんは、東京・新宿区にある高さ140メートル余りの29階建てのビルが、長周期の揺れによってどのような影響を受けるか、熊本地震で観測された実際の波形を使ってシミュレーションを行いました。

建物全体が大きく揺れ、最上階の揺れ幅は最大で3m50cm前後に達しました。
赤く表示される部分は、激しく損傷した「はり」「筋交い」で揺れが収まっても傾いたままです。

熊本地震と同じ規模の大地震のおそれがある活断層は首都圏名古屋圏近畿などの大都市圏にも存在しています。

工学院大学教授 久田嘉章さん「超高層ビルが大きく変形するのは今まで考えてなかったが、直下型の地震が万が一きたときの対策を考えなければいけない。」
シュト子「どんな対策がとれるのかしら?」サイ坊「激しい揺れによる建物被害などをより正確に推測し、それを動画で表現しようという「次世代ハザードマップ」の開発が神戸市で進められているんだ。神戸局のリポートを見てみよう。」

2次世代ハザードマップ ~スーパーコンピューターで揺れかたを予測~(平成29年1月11日OA 「ニュースほっと関西」神戸局)

阪神・淡路大震災の後、国や兵庫県などが、地震の発生直後に、死傷者や建物の損壊などを推測するため、地震の被害予測システムを整備しています。

しかし、実際に起こった地震で、予測と大きくかけ離れたこともありました。

東京大学地震研究所の堀宗朗教授をユニットリーダーとする理化学研究所のグループは、たび重なる震災を教訓に、どのような地震が起きても万全な防災対策がとれるよう、正確な被害予測システムが必要だと考えてきました。

そこで、より被害の実態に沿う予測を目指し、堀ユニットリーダーのグループが活用したのが世界屈指の計算速度を誇るスーパーコンピューター「京(けい)」です。

行政が持つデータを活用

神戸市内のすべての建物、およそ40万棟について、1棟ずつデータを「京」に入力し、地震の規模や震源などが異なる1,000通り以上の揺れを想定したシミュレーションが行えるようにしました。

激しく揺れる神戸の町を再現した「次世代ハザードマップ」です。
建物や地盤のデータを、緻密に分析した結果が反映されています。

阪神・淡路大震災を再現しました。
青から白、赤と揺れが大きくなるにつれて色が変わります。
1棟1棟の揺れをつぶさに見ることができ、激しく揺れるものがある一方、緩やかに揺れが続くものもあることがわかります。

シュト子「同じ地震でも建物によってこんなに揺れかたが違うのね。」

また、建物の階数で異なる微妙な動きも表現。
黄色い「○(まる)」は最上階の動きを示し、ときには直線的に、ときには円を描くように、下の階よりも激しく動いています。

神戸市全体の様子を見渡すと、建物の揺れが激しいエリアがわかります。

サイ坊「緻密な計算に基づいた「次世代ハザードマップ」として、関係機関の期待も高まっているんだ。」
神戸市危機管理室 課長 清水陽さん「災害が起きたらこういう状況になるんですよということを、わかりやすく示すことによって、備えや避難に結びつけていく。」
理化学研究所 ユニットリーダー 堀宗朗さん「建物単体で耐震性を考えればいい時代ではない。建物が社会や地域にどのような影響を及ぼすか、相互連携を評価することが重要。都市全体を1つの単位として、まるごと計算することがより合理的な解決につながる。」
シュト子「首都圏のデータでシミュレーションをすれば長周期地震動による町の様子もわかりそうね。危険な建物や地域の補強や避難ルートの見直しなど、いろいろな対策がたてられると思うわ!」サイ坊「堀ユニットリーダーたちが開発した『次世代ハザードマップ』では、建物の被害予測だけでなく、必要なデータを入力すれば、インフラへの影響や津波の浸水状況も予測できるそうだ。全国各地でより効果的な防災対策づくりなどに役立てたいと話していたよ。」

■ほかにも備える

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