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台風被害を軽減 ~タイムラインと避難所生活体験~

「台風被害を軽減 ~タイムラインと避難所生活体験~」2016年11月10日

シュト子「平成28年の8月は相次ぐ台風の上陸で日本中が大きな被害を受けたわね・・・」サイ坊「「タイムライン」という新たな災害への備えとして注目されている考え方があるんだ。台風10号が上陸する際に首都圏でも「タイムライン」を利用して対応したところがあったんだ。その様子を取材した首都圏ネットワークのリポートを見てみよう。」

1タイムラインとは (平成28年8月29日OA 「首都圏ネットワーク」)

川の氾濫など災害の発生が予想される時刻から逆算して、自治体などが

いつ 誰が 何を

するのか、あらかじめ時系列で定めておく行動の計画です。

計画に基づいて行動することで、関係する組織の連携がスムーズに進み被害の軽減につながると期待されています。

東京都内を流れる荒川です。

堤防をはさんだ「荒川下流河川事務所」では、流域の北区や足立区などと協力して平成27年5月に首都圏で初めてタイムラインを作成しました。

取り入れたタイムラインを見せてもらいました。

シュト子「本当に細かい・・・」
荒川下流河川事務所 総括地域防災調整官佐藤務さん「いつ、だれが、何をすべきかまとめたもので、できるだけ細かく書くようにしている。」

2タイムラインの仕組み

タイムラインのイメージです。

▼左側の縦軸には、災害の発生が予想される時刻から逆算した時間

▼上の横軸には、対応にあたる関係機関

それぞれが時間ごとに取るべき対応が記されています。

3タイムラインの実施

関東地方に、台風10号が近づくと予想されていた時・・・
佐藤さん、今はどこの段階になるんですか?

荒川下流河川事務所 総括地域防災調整官佐藤務さん「台風・気象情報の収集や発表。雨量や河川の水位を確認するということを行っています。」

『タイムライン』の計画に沿って現場でも対応が進められています。

岩淵水門では・・・

▼水門が正常に動いているかどうかの確認

河川敷にある倉庫では・・・

▼土のうの袋やシャベルなど、水防活動に使う機材がそろっているかを確認

▼夜間に使う投光機の燃料が十分に入っているかを点検

ケン「「タイムライン」に組み込まれていれば、毎回忘れずに確認できる。これは本当に大事なことだね。」

全部タイムラインに基づいて行動しているのですか?

荒川下流河川事務所 総括地域防災調整官佐藤務さん「そうですね。時系列でどのくらいまでいったらこういうことをしなくてはいけないか、という頭のトレーニングを兼ねています。イメージできないと急にはできないと思いますので。」
サイ坊「タイムラインが有効なのは、行政や交通機関などだけではないんだ。タイムラインの作成を国や自治体にアドバイスしているCeMI環境・防災研究所 副所長の松尾一郎さんは、家族版のタイムラインに取り組んでいるんだ。」

4家族のタイムライン

家族のタイムライン

家族の年齢や体力にあわせそれぞれの役割を決めておきます。

CeMI環境・防災研究所 副所長 松尾一郎さん「あしたは学校は休みになるよね。会社はどうなるんだろう。鉄道はどうなるんだろう。車は浸水すると使えなくなるから安全なところに移動することが必要など、家族の行動を可視化して情報共有できることで防災につながる。」

松尾さんは「日頃考えてはいるんでしょうけれども、文字にして家族が合意しておくのがタイムラインです。先を見越して早め早めの対応をする、それが本当の防災です」と話しています。

シュト子「逆算して準備を進めるタイムライン。家庭や地域でも参考にできるわね。」ケン「早速うちでもタイムラインを作ってみよう!」シュト子「タイムラインに従って行動すれば無事避難できると思うけれど、避難所での生活ってどんなものかしら?」サイ坊「避難所になっているところに1泊して避難所生活を体験する防災訓練もあるんだ。福井放送局のリポートを見てみよう!」

5避難所生活体験 (平成28年9月1日OA 「ニュースザウルスふくい」福井放送局)

いつ襲うか分からない災害に私たちはどう備えればよいのか。夏休みに親子がユニークな防災訓練を体験しました。

福井市の社南(やしろみなみ)小学校で行われた地区の防災訓練に、小学生とその親などおよそ80人が参加しました。

普通の訓練と違うのは、皆、大きな荷物を抱えています。

まず、始めたのはテントの設営
実はこれ、避難所になっている小学校に1泊するという訓練なのです。

熊本地震を教訓に、避難所での生活を疑似体験してもらおうと地区の青年会が企画しました。
「暑いので疲れた、子どもも積極的にしてくれないかな」

テントのない参加者は、体育館に泊まります。
用意されたマットを敷いてスペースを確保。

間仕切りに使うのは段ボール。
ちょっとした工夫ですぐに完成です。
避難所ではプライバシーを守ることも大切です。

参加者は「熊本とか東北で地震があったので、一度こういう体験させるのもいいかなと。体育館で寝ることはなかなかないので、いい機会になる」と話します。

断水を想定した訓練もしました。
非常用貯水槽には5,000人が3日間飲める量があります。

学校に設置された非常用の貯水タンクでは、子どもたちがバルブを動かしタンクから水をくみ上げました。
「おいしい、冷たい」

くみ上げた水は、ご飯を炊くのに使います。

1つの袋に1人分の米と水を入れて準備完了。
鍋に入れて炊きあがるのを待ちます。

体育館では、熊本地震を教訓にした講習会も開かれました。
避難生活で問題となったエコノミークラス症候群について学びます。

「個人差はありますが、同じ姿勢で6時間 足を動かさないと血栓ができます

みんなで体操をして、予防法を確認しました。

ナビ子「ナビ子も一緒に体操したいな」

訓練が始まって5時間半。
あたりはすっかり暗くなりました。

夕飯はテントの中で、自分たちでつくったご飯などを家族や友だちと食べました。

最後に、孤立した際に助けを呼ぶための人文字づくりです。
校庭で懐中電灯を照らしてみんなで協力してつくりました。

午後9時すぎ、就寝時間。
ちょっとした足音だけでも響くので、なかなか寝られないのかな」という参加者。

外の音が気になるのか、電気が消えたあとも、なかなか寝付けない様子です。

さらに暑さも。
扇風機はありましたが、この日は熱帯夜。もちろんお風呂には入れません。
長い夜になりました。

翌朝 参加者に感想を聞くと・・・

「車が通るのでうるいさい、ゴォーって」

「いい経験になった」

「3時と5時に子どもに起こされ、雨が降ったり、暑い天気でもお風呂にも入れないですもんね。大変でした」

「冷たいシャワーがほしかった。家がどれだけ便利かが分かった」

「先が見えない状況で続くと思うと、精神的にも体力的にもかなりきつい。『ふだん布団で寝られることを幸せだと思わないといけない』と子どもに話しました。少しは理解してくれたかなと思います」

シュト子「避難生活が実感できたのね。この体験を災害への備えに生かしてほしいわ!」
サイ坊「避難生活を体験した人たちは『たった1泊でも想像以上のストレスだった』と話していた。熊本地震では大勢の住民が体育館などですし詰め状態のようになり、そのストレスによる病気への抵抗力の低下も懸念されたんだ。被災地の医療支援にあたった医師が避難所生活のリスクを指摘していた。」

福井大学医学部の医師 山村修さんは「狭い環境にたくさんの人が集まると、ちょっとの咳で風邪やインフルエンザがうつる。難しいことですが、1人あたりの避難者のスペースを広げていくことが大事で、少しでも距離が離れると感染症にかかる危険性も下がるし、動けるスペースも出てくるので寝たきりも少なくなってきます」と話しています。

シュト子「うちは小さい子どもがいるからすごく心配だわ・・・」
福井大学医学部 医師 山村修さん「避難された方が組織を立ち上げて、困っていることを自分たちで解決していくことで環境が良くなっていきやすい。病気や寝たきりのリスクが下がることが考えられる。そのためにも、訓練が盛んに行われることがいいと思う。」
シュト子「慣れない場所で大勢の人たちと限られた条件で生活しなければならない・・・少しでも事前に体験できるのはいいことね。」ケン「このような機会があったら家族で参加しよう!」サイ坊「災害そのものから身を守ることも大切だけど、その後の避難生活も含めた対策が不可欠なんだ。改めて日頃の備えや避難した場合のことを、家族で話し合っておこう。」

■ほかにも備える

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