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土砂災害から身を守れ! ~予兆を見逃さないために~

「土砂災害から身を守れ! ~予兆を見逃さないために~」2016年6月14日

ケン「関東甲信地方も梅雨入りしたね。雨といえば、平成26年8月に、豪雨による土砂災害で広島市で74人もの犠牲者が出たんだ。同じ年の10月には横浜市でも雨による土砂災害で2名亡くなっている。」シュト子「横浜市でも土砂災害が起こっているの!?うちも備えが必要ね。」サイ坊「神戸局が、土砂災害の危険を事前に察知しようという研究を取材していたよ。見てみよう。」

1土砂の動きを光で知らせる (平成28年6月1日OA 「おはよう日本」神戸局)

平成16年、奈良県 大塔村の道路の様子です。
電柱が傾き始めてわずか3秒後から、大規模な土砂崩れが起こりました。

シュト子「すごい力!あっという間に崩れるのね。少しでも早く前ぶれに気付いて避難しないと!」
サイ坊「そうなんだ。まさにその土砂崩れの予兆を “センサー” で捉えて光で知らせる装置があるんだ。その名は『OSV (On-Site Visualization)』!神戸大学大学院の芥川真一教授が、10年前から開発を続けているものなんだ。」
仕組み
神戸大学大学院 芥川真一教授「この部分に、力を感じるセンサーや、水圧を感じるセンサーなどがあって、どんな変化でもセンサーが感知すればLEDの色が変化し、すぐにみんなにわかるようになっています。」

こちらの道路工事現場では、OSVをとりいれています。
崩れる恐れがある斜面にOSVを設置しました。
表面の土砂が動いたり、傾斜が変化したりすれば、色が変わって周りに知らせます。

芥川教授がいま開発しているのが、災害現場のためのOSVです。
緊急事態にも対応できるよう小型化しました。
変化を調べたい場所に置くだけで、位置や傾きを記憶します。

ケン「ポケットにも入るサイズだ。」
なまネコ「実験してみるニャ!」

柱を組み合わせ、数か所のポイントにOSVを設置します。
通常時は緑色に点滅します。

 柱の一部に本を置くと・・・

重みでできた わずかな傾きを感知した所だけ赤色に変化します。なまネコ「本の重さに反応してるニャ!」

崩れる恐れがある斜面にOSVを設置することで、土砂崩れが起きる可能性がある場所を察知することができるのです。

神戸大学大学院 芥川真一教授「こういう装置を使うことで、わずかな変化がみんなに見える。早い段階で、警告を自分で認知できるので、防災に役立つと思います。」

災害現場を想定した実験も行われています。神戸市消防局が協力しました。
斜面にOSVを設置した上で その下の土を削り、変化を確認することで、実際の現場で使えるか検証しています。

神戸市消防局 南 兵衛 消防士長「土砂災害の現場では “監視する” というのは、今は、人の目で見ることしかできないんですね。ですので、僕らの目で見る 『 いまのちょっと動いたのか 』 それとも 『 いや、動いてないのか 』 といった、はっきり判断できない場面がけっこうあります。動いたものを知らせてくれる正確な監視装置ができればとてもありがたい、現場活動には有効だと思っています。」
神戸大学大学院 芥川真一教授「土砂崩れ対策や緊急時など、いろいろな場面で必要とされるセンサーとして、あらゆる角度からアプローチして、みなさんの活動が安全に見守られるようにしていきたいなと思いますね。」
シュト子「感覚だけに頼らずに、科学的に危険を知らせてくれると心強いわね。でも、土砂災害に備えて、このほかに私たちが知っておかなければならないことはあるのかしら?」サイ坊「ありそうだよ。まず過去の被害を振り返ってみよう。山の斜面に住宅地が広がり、土砂災害の危険箇所が多いと言われる長崎のリポートがあった!」

2身近な場所でも起こる土砂災害 (平成28年4月13日OA 「イブニング長崎」長崎局)


昭和57年7月23日の長崎大水害の様子です。299人が犠牲になりました。
国内の観測史上最も多い 1時間に 187ミリの雨量を記録し、長崎県内では
4,000か所以上で土砂災害が起きました。

その後も長崎県内では毎年のように大雨による被害が出ています。
平成27年は、8月に五島市などで、9月には対馬市で50年に1度の記録的な大雨が降りました。
床上・床下浸水は合わせて50棟に上り、がけ崩れも発生しました。

土砂災害を専門に研究している長崎大学工学研究科の ジャン・イジン教授によると、土砂災害は3種類に分かれます。

長崎大学工学研究科 ジャン・イジン教授「『 地滑り ・ 土石流 ・ がけ崩れ 』。長崎県は危険箇所が1万6,000か所あります。人が住んでいる所では全国で3番目に多い。」
1 地滑り

穏やかな斜面でゆっくりと土砂が動き出し、
大雨や地震の際に特に起きやすい現象。

2 土石流

高いところから土砂と水が流れてくる現象。大雨の時に起きやすい。

3 がけ崩れ

急な斜面で、雨や地震、それに日ごろから風化していて岩盤自体が弱くなっているところで起きやすい。

●長崎県内の土砂災害の危険箇所は・・・

メット「がけ崩れが多いワン!」
サイ坊「“がけ崩れ” は崩れる速度が早く、住宅の近くで起きると逃げ遅れて犠牲者が出やすいから注意が必要なんだ。」
長崎大学工学研究科 ジャン・イジン教授「長崎県の統計によると、がけ崩れは年平均で約20か所に発生しています。いったん発生してしまうと、人的被害や家屋の被害があると思いますので、心構えが必要です。」

平成27年に長崎市内の小学校の横で起きたがけ崩れの様子です。
大きさが2メートル、重さ1トンを超える岩が落ちてきました。

シュト子「小学校の横!?身近な場所でも危険は潜んでいるのね。ナビ子の保育園は大丈夫かしら。」ナビ子「怖いよ~!」

この小学校で人的被害が出なかったのは、小学校が斜面の様子から危険を感じ取り、あらかじめフェンスを取りつけていたため助かった、とジャン教授は話します。

長崎大学工学研究科 ジャン・イジン教授「土砂災害から身を守るためには、日頃から変調現象や異常な現象に気をつけて、天気予報で “大雨が降るか” “どの程度継続して降るのか” を注意するなど、日常生活の中で土砂災害への認識を高めることが、災害から身を守る1番のポイントです。」
ナビ子「最近は雨が局地的に激しく降ることも多いから、天気予報を細かくチェックするのは大切ね。そして、さっそく県や市のホームページで土砂災害の情報を確認してみるわ!」メット「土砂災害が起きる前には、前兆現象がみられることもあるんだワン!前兆現象を知っておくことも備えになるワン!」

★ 斜面の湧き水の量が増える
★ 小さな石が落ちてくる

ケン「前兆現象を発見したら、自治体などに連絡するとともに避難の準備をしよう!」

 

なまネコ「ほかにも前兆現象があるニャ。」

【政府広報オンライン】暮らしのお役立ち情報  (NHKを離れます)
▼土砂災害の前兆現象にも注意
http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201106/2.html#anc03

 

■ほかにも備える

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