@首都圏 > シュト子の首都圏防災ナビ >

まず命を守るには ~耐震化と家具の固定~

「まず命を守るには ~耐震化と家具の固定~」2016年5月25日

熊本の地震では、住宅や建物の倒壊で多くの人が亡くなりました。
命を守るために私たちはどう備えたら良いのかしら。

サイ坊「熊本の被災地を調査した専門家の話と、耐震化をした住宅の例を紹介した名古屋放送局のリポートをみてみよう。」

1住宅倒壊はこうして起きる (平成28年4月18日OA 「ほっとイブニング」名古屋局)

建築学が専門の名古屋大学の護雅史(もり・まさふみ)特任教授は、震度7を観測した熊本県益城町(ましきまち)に地震発生の翌日、調査に入りました。

現地では、一方に傾くように倒れている住宅が多いことに気づきました。

「リビングルームは家族が集まるので1階にあって、南側に大きな空間をとったり、大きな掃き出し窓を付けたりします。北側は台所だったりトイレだったりお風呂場だったり、比較的壁が多いです。南側は壁が少ないので地震が来たときには南側が大きく揺すられます。そうすると、ねじれるように建物が壊れます

壁が少ない住宅はどのように被害を受けるのか。
模型で実験してもらいました。

住宅の4面に、壁や筋交いがバランス良く配置されている場合 1階の壁や筋交いの一部をはがした場合リビングの南側が大きな窓になっている家を想定

揺すると、ぐらつきながらも元に戻ります

すぐに壁の少ない側が大きく傾きました。
そして、ねじれるように倒れてしまいました

名古屋大学 護雅史特任教授「くしゃっとつぶれない家にしておくというのが、命を守るためには大事だと思います。コストの問題はありますが、そこは課題として残っていますけれども、やっぱり地震が来ても安心して住み続けようとすれば耐震性を上げることが大事です。」

2低コストで耐震性を高める

名古屋市の建築士、丸谷勲さんに名古屋工業大学などの専門家が考案した、新たな耐震工事を取り入れた築45年の木造住宅を案内してもらいました。

工事の特徴は、目的を命を守ることに絞って、費用を抑えたことです。

「コストのハードルが低くないと決断まで至らないので」

「例えばこの壁なんですけれども・・・」
ここはもともとはドアで、耐震性がありませんでした。
そこで簡単な壁を作ることにしました。

新しく作る壁を左右の柱のほか、天井の上の梁と床下の土台にもしっかりと固定します。
建物を支える力が強い一方、天井と床に穴を開けるため費用がかさみます。

梁や土台までは工事せず、壁を天井と床に固定するにとどめます。
従来に比べて3分の1ほどの費用で8割程度の耐震性を保てるということです。

こうした壁や筋交いを入れる補強を耐震性を高めるために必要な12か所で行いました。

従来の工法だと300万円程度するところが、この家にかかったのはおよそ90万円
自治体の補助で家主の負担は50万円ほどで済んだといいます。

震度7でも建物が多少変形するおそれがあるものの倒壊することはないということです。

シュト子「この値段ならやってみようと考える人も多いんじゃないかしら。
」

「揺れたときにぺちゃんこにならないという安心感は確かにありますよね。納得かな。金額とか。今度の地震なんか特に見てると」

建築士、丸谷勲さん「正直来るか来ないかはっきりしない地震に対して、300万も400万もかける気になれない人がほとんどなので。100万なら安心して住むためにもこの際やろうかと決断してもらえる。」
シュト子「熊本地震では住宅の耐震性を高める大切さを改めて感じたわ。」なまネコ「耐震化を進めるために、名古屋市の住宅のようなケースは参考になるニャン。
」サイ坊「リポートで紹介した工法は、全国各地に広まりつつあるんだ。ただ、耐震化の工法は住宅によって変わるので、建築士など専門家に相談する必要がある。また、自治体では、耐震化に補助などの制度を設けている場合があるんだ。自治体に問い合わせて有効に利用しよう!」

3家具の固定で身を守ろう! (平成28年4月20日OA 「まるごと山梨」甲府局)

シュト子「住宅の耐震化を進めることが何より大切なのはわかったわ。このほかに、とりあえずもっと簡単にできることはないかしら。」サイ坊「では次に、耐震化と並んで、命を守る方法について考えてみる。
東海地震に備える山梨県。甲府放送局のリポートを紹介しよう。」

ここは、甲府市下曽根町です。
古くから氾濫を繰り返してきた笛吹川が運んだ土壌の土地で、曽根丘陵断層という活断層があります。
この断層の地震では震度7という揺れも想定され、大きな揺れの危険性が指摘される場所です。

みなさん、地震対策 出来ているんでしょうか?

加藤令子さんのお宅です。

「熊本で大きな地震がありまして、あれ見ているとほんと怖いなと思うんですけど、なんかほんとに身近にまだそれがなくって」と加藤さん。
下曽根北自治会長の牧野一さんは「水のほうがね。ちょっとここら辺は怖いもんですから。そちらのほうへどうしても対策がいっているっていうか、考え方もいってますから」と話します。

揺れに備えて何をするべきか、NPO法人 災害・防災ボランティア未来会代表の山下博史さんとともにチェックしていきます。
日頃の備えがないとですね助からないので、その辺を今日はお手伝い出来ればと思います」

食器棚や電子レンジなど多くの家具・家電があるキッチンで家具の固定を考えます。

シュト子「眠っているときの寝室や、家族団らんの居間は済んでいるんだけど、キッチンまで手が回らなかったわ。」

「台所何か対策をしていますか」
「対策…台所…別に。ただここをね止めていただいただけで」

ポイント1 食器棚の固定

シュト子「食器棚が倒れると、中のガラス容器が飛び出して危険だものね。」

金具で1か所 壁と固定しましたが大きな食器棚に対してこれでは少し不十分。
突っ張り棒も使い強度を高めます。
ただ、ここに注意点が・・・。
「揺れたときに天井を破かないように。これが突き破っちゃう可能性があるんですね。あと、上下にゆれたときに外れる場合がありますんで」
突っ張り棒はあて板をはさむのがポイントです。

天板の端や柱のある場所など、強度があるところに取り付けます。
位置を決めたらきつく締め上げていきます。
設置は数分で出来ました。

「しっかり突っ張らないと、せっかく入れた板が滑っちゃうときがあるんですね。しっかり押さえると滑らないけど、中途半端だとあれが逆に滑るための道具になっちゃうんで、しっかり締めて」

両端に取り付けたとたん、なんと山下さんが揺らしてチェックします。
不安定な食器が1つ倒れたものの他は無事でした。

きちんと固定しておけば食器を守るだけでなく、安全確保にもつながるといいます。

NPO法人 災害・防災ボランティア未来会代表 山下博史さん「地震に関係なく家具がしっかり止めてあったところは、この家具の隅に逃げるでしょ。はりが落ちてきても助かるんです。そういうのが、淡路島とかけっこう例があったんですよね。家具の転倒防止って本当に大事ですよ。」

大きなたんすや棚は上下2段に分かれていることがあります。
シールやバンドなどを使い連結させると固定が頑丈になります。

本体を固定したら今度はガラスに一工夫。
割れたガラスが飛び散って怪我をしないようフィルムを貼ります。
霧吹きやゴムのヘラを使って貼ります。
少しコツがいりますが、製品のパッケージに取り付け方法が載っています。

防災用のフィルムのほか、模様替え用のシートでもガラスの飛散は防げます。

ポイント2 冷蔵庫の固定

シュト子「冷蔵庫も倒れて下敷きになると、大けがをしそうだし、身動きも取れなくなるわね。」

ベルトのついた金具などで壁と固定するのが最適ですが冷蔵庫の置き場所の問題から今回は、後ろに傾けて倒れにくくする方法を取りました。

傾斜のついた転倒防止板も市販され、家具・家電の下に入れて倒れにくくできます。

また、高さが調節できる脚がついていれば、前側を高くすることで傾けられます
今回は、この簡単な方法です。
「これ、一般的には平らに、水平にしちゃいがちですけれど、壁側、後ろ側に少し傾けると防災対策になるってことですね」
ただ、ひとつ注意点が・・・水受けから水が漏れたりする恐れがあるので、傾けすぎないようにしましょう。

山下さんは「本来であれば、壁に密着させるとか やはりバンドを使うのが効果的ですが、全てのお宅がそういうわけにはいかないのでとりあえずこれだけはという方法でやっていただければ」と話します。

冷蔵庫には、扉にも対策をします。
揺れて扉が開いて中のものが飛びだしてこないよう、ロックをつけましょう。
用意したのは、粘着テープでつけるロックです。

「冷蔵庫を開けるたんびにそれをするの?」
「面倒だと思いますよね?これしとかないと、揺れた時にこれがバーンと開いて、もしたまたまここに加藤さんがいたりとか、娘さんがきているときにいたりすると・・・
「ああひっくり返っちゃうね」

シュト子「ムムム・・・冷蔵庫を一番使う主婦としては確かに面倒ね。」

対策の必要性を感じた加藤さん、自らロックをつけました。
扉と冷蔵庫本体に貼り付けます。
「これを開けるときはこれをずらして、まだ新しいので固いですけれどやればなれますから」
「続けられそうですか?」
「はい、やってみます。努力します。料理始まったときは、全部外しておいて、そしてまた終わったら閉めとけばね

シュト子「なるほど!それならばできそう!」

ポイント3 そのほかの対策

電子レンジには耐震用のマットを取り付け、さらにブレーカーには地震の際にはスイッチの切れる感震ブレーカーを装着しました。

設置することで、地震で停電した後再び電気が通ったときに火災が発生することを防ぐことができます。

対策完了です。

なまネコ「ほかの部屋にも応用できるものばかり、いろいろ工夫して地震へ備えるんだニャー」シュト子「そうね。防災用のフィルムの代わりに、模様替え用のシートを使ったり、転倒防止板を使わずに脚の高さを変えたり。工夫しだいで安価で簡単な備えができそう!ナビ子、一緒にいろいろ考えようね!」ナビ子「ナビ子も考える!」
サイ坊「固定すれば、それでいいということではないけれど、間違いなくリスクは減らせる。自分を助けるための「自助の備え」が大切なんだ。自分と家族の命を守れるように、出来る部分から今すぐに、とりかかっていこう!」

■ほかにも備える

▲このページのトップへ

■首都圏防災ナビ トップページへ