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“災害弱者”を守るためには ~外国人、子ども、そして・・・~

「“災害弱者”を守るためには ~外国人、子ども、そして・・・~」2015年12月28日

シュト子「今回は “災害弱者” をどうやって守るかについてがテーマ。さまざまな “弱者” がいるけれど、まず、言葉が通じにくい外国人について考えてみるわ。 それにはわけがあるのよ。首都圏で今後数年、最大の話題は、5年後の2020年に開かれる東京オリンピックとパラリンピック。 競技場の準備もどんどん進められているわね。外国人もたくさん訪れそうだけど、首都圏は直下地震のおそれもあるし、外国人の安全を確保するのも大切な課題よね。ことばもうまく通じなかったりして、大変だと思うの!」メット「オリンピックの開催時には、多くの外国人が訪れると予想され、“災害弱者”になるおそれが指摘されているんだわん。
首都圏での対策を紹介しているよ!!」

▲2015年9月3日OA 「首都圏ネットワーク」より

全国に住んでいる外国人は、およそ212万人。そして、外国人観光客も年間1,300万人を超えています。大きな災害が起こった場合、こうした外国人を守るにはどうしたらいいのか、各地で取り組みが始まっています。

1通訳ボランティアの養成

栃木県小山市で行われた防災訓練。
栃木県が、2007年から養成している『災害時通訳ボランティア』も参加しました。

「避難者の要望や質問を聞き取ってください」と指示されたボランティアは、外国人が何を求めているかを聞き取り、対応する方法を学びました。

外国人の被災者役になった人は
「医者に行きたい。お金がない。上手に日本語が話せない」と訴えます。

これに対し、通訳ボランティアは
「診療所は向こう。私たちが連れていきます。私が代わりに症状を日本語で説明します。もちろん無料です」と安心させていました。

参加した通訳ボランティアからは「緊迫した雰囲気の中で訓練に参加できてよかった」 「地震があっても役に立つと思います」という声が聞かれました。

シュト子「災害の時に、通訳のボランティアの人がいてくれると安心ね。でも、どのくらいの人がいるのかしら?」メット「栃木県に登録しているのは96人。 外国人の数に比べれば、圧倒的に不足しているんだワン!!」

2ことばのほかに必要なもの

専門家は、ことばが通じなくても、外国人を助けられる
仕組みをつくる必要があると指摘しています。

 『NPO和なびジャパン』木村素子代表「ジェスチャーですとか、日本語でもいいので、とにかく『あなたを助けたいんだ』と声を出すことによって、何かは伝わると思うので、どうすればリスクを軽減できるのか、そういったことを外国人の方も知りたがっていますし、積極的に伝えていく努力を重ねることに尽きると思います」

その訓練が実際に行われました。
千葉県船橋市が開いた『災害時外国人支援サポーター』の訓練では、日本語が不自由な外国人に対し、避難所でのルールなどを、あえて日本語で伝えることを目指しました。

たとえば、『夕食』ということばは、『ばんごはん』などと、小学校低学年程度のやさしい日本語に書き換えます。
食器のイラストも添えて、より分かりやすくしました。

災害時外国人支援サポーター 片桐卓さん「これがやはり、いちばん伝わりやすいので、外国語の研修をやっていない一般の方でも、そのコツさえつかめば使えるようになります」

被災者役を務めたのは、ロシア人の3人組。
直接外国人と接する時も、身ぶり手ぶりなどでコミュニケーションをとります。
ボランティアは、宗教上の理由などで食べられないものがないか、イラストやものまねを駆使して尋ねました。

被災者役のロシア人は「彼らがいなかったら大変だった、ことばや文化の壁があっても助けになります」と感謝していました。

シュト子「ことばや身ぶりで十分に伝わらなくても、好意的に受け止めているわね。気持ちは伝わっているのよね!?」
災害時外国人支援サポーター 片桐卓さん「ことばだけでは伝えきれないことは必ずありますので、新しいアイデアとか取り組みをしながら、いざというときに備えていきたい」
シュト子「自分が海外で災害にあったら・・・と考えると、本当に心細いものね。自分に置き換えて行動できたらいいわね。「あなたを助けたい」という気持ちを伝えることが大事なのね!」メット「小さな子どもがいる母親たちが、母親ならではのアイデアを生かして、備えを始めているという話題も伝えていたよ。」

3子どもを守る母親たちの備え ( 2015年6月22日OA 「ロクいち!福岡」(福岡局)より 取材:宮崎局)

6月6日、宮崎市内の保育園で開かれた防災に関する勉強会。
参加者の多くは、小さな子どものいる母親たちです。

勉強会に参加したひとり、宮崎市内に住む川越紗代子さんは、保育園に通う2歳の長男と10か月の次男の母親です。
地震や津波などの災害が起きて子どもと避難することを考えた時、十分な備えができていないことに危機感をもっていました。

川越さんが期待をして参加した勉強会では、東日本大震災をきっかけに設立された、全国の母親たちでつくる団体のメンバーが、母親ならではの視点からあるアイデアを紹介しました。

それは『防災バッグ』です。
バッグの中には、飲料水や缶詰などの非常食のほか、懐中電灯やスリッパ、それにゴミ袋などが入っています。
いずれも避難生活に必要なものばかりです。

勉強会では、団体のメンバーから、こんなアドバイスもありました。

「保存食で一番大事なものが、“子どもが食べるものかどうか”。 ここを優先してほしい」震災時の避難生活では、子どもが慣れない非常食を食べなかったこともあったため、いつも口にしている食べ物や飲み物もバッグの中に入れておくことの大切さを強調しました。
ナビ子「じゃ、私の好きな食べ物、リュックに入れてね! えーッと・・・」シュト子「遠足に行くんじゃないのよ!」
川越紗代子さん「防災リュックとかを作っておかなかったので、子どもの命を守れるのは親しかいないってのはすごく衝撃的で。自分の命と家族の命を守るために、自分がしっかりしなければいけないと思ったので、いい機会になりました」
ケン「次は、ペットについてだよ。東日本大震災では、ペットを避難所に同行できない状態も生まれ、どう命をつないでいくのかが課題になったよね。」シュト子「ペットは原則として飼い主が同行して避難することや、避難所にはペットのための場所を設けることが国の指針だって聞いたけど?」ケン「指針は指針なんだけど、なかなか難しい問題もあるんだ。愛知県で飼い主たちが、いざという時のために知恵を絞っている話題を取り上げていたよ。」

4東日本大震災を教訓に ( 2015年6月15日OA 「ほっとイブニング」(名古屋局)より)

愛知県一宮市に住む長橋有三さんは、広さおよそ800平方メートルの『ドッグラン』を経営しています。
ドッグランは、犬をリードにつながず遊ばせられるため、多くの飼い主と犬が訪れます。

シュト子「へ~!そんな活動をしている人もいるのね~?」

長橋さんは、飼い主や犬のために、災害への備えを進める市民グループを1年余り前に立ち上げ、代表を務めています。

ペットと災害の問題がクローズアップされたのは、東日本大震災です。
飼い主が緊急避難を余儀なくされたため、多くの犬が取り残されて放浪しました。

一方で、避難所に一緒に連れて行っても「鳴き声がうるさい!」などとトラブルも発生しました。

ペットの命をどう守るかも問われたのです。

5“そのとき”に備えて

シュト子「ペットだってストレスが溜まるものね~・・・」

愛犬を守るために、自分たちでできることはないか。
6月、長橋さんはドッグランに通う飼い主と一緒に三重県でキャンプをしました。

交流を楽しむほかに、避難生活を疑似体験することも目的です。
避難所で犬は自由に動き回れません。
しかも見知らぬ人や犬と近い距離にいることを余儀なくされます。
キャンプではこれらを想定した訓練も兼ねています。

その夜行われた意見交換・・・

避難への備えだけでなく、飼い主とそうでない人との意識の違いまで話が及びました。

「犬が嫌いな人にとっては邪魔だからね。犬はこわいと思っている人にとって、犬が来たらどうなる? 敵でしかないんだから一緒にいたら困るでしょ」

「当たり前に犬と一緒に入れると思っていたから、震災が起きた時にどんな行動をしていいのか分からなくなりました」

「やっぱり自分の犬だったら、一緒に逃げたいと思いますもんね」

「だから自分たちの身(犬)は自分で守らなきゃ仕方ない」

飼い主は、しつけやえさの備えなど、まずは自分たちでできることを進めるという結論に達しました。

長橋さんは、運営するドッグランを、ペットの避難所として機能するよう準備を進めています。飼い主に呼びかけて、えさやトイレシートなどの備蓄を進めています。
また、敷地内に井戸を設置し、発電機も置きました。

 一宮愛犬クラブ代表 長橋有三さん「災害時に自助ができるグループをつくるクラブやサークルがあちこちにでき、そことのネットワークが結べるようになって、何かあった時にお互いが助け合えるような環境ができていけば」
メット「ペットは人に癒しをもたらすし、災害の時も何か心の支えになると思うよ。
行政は人の避難だけで精一杯のところが多いと思うけど、飼い主や民間と協力して、ペットも助けられる準備をしていってほしいワン!」

“災害弱者” には、もちろん、お年寄りや障害のある人もいる
のだけれど、今回は、比較的対策が遅れている外国人やペット
について考えてみたわ。
災害が起きたらまず、身の回りにいる弱い立場のことをどうするか
ということも考えておかないといけないわね。

■ほかにも備える

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