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首都圏を襲うゲリラ豪雨 ~備えるための秘策とは~

「首都圏を襲うゲリラ豪雨 ~備えるための秘策とは~」2015年10月6日

シュト子「『東京は災害リスクが世界一高い都市』だという話題を放送していたけど、気になるニュースね。」メット「企業の雨対策について、首都圏ネットワークで紹介していたワン。被害を教訓に、さまざまな対策を取っているんだって!」

▲2015年8月18日OA「首都圏ネットワーク」より

スイスの保険会社がまとめた、地震や台風、洪水など、自然災害リスクが高い都市のランキングでは・・・なんと、東京横浜エリアは1位。つまり、世界でもっとも危険な都市と認定されているんです。
大地震などに加え、リスクの一つとして指摘されているのは、豪雨による洪水 です。いわゆる、 “ゲリラ豪雨” の被害も増える中、今多くの企業が雨の対策に力を入れ始めています。

1雨水を防ぐ

東京・江東区にある、自動車の鉄板などを製造する加工会社「古賀オール」では、2013年に、豪雨のため、工場が浸水する被害を受けました。
工場長の織田紀彦さんは、そのときの様子を「あともう数センチ、1センチか2センチ水が入ってきたら、製品が濡れてしまって、被害額は数百万、へたすれば1千万単位になってしまったかも」と危機的な状況だったことを明かします。

シュト子「たった一回の雨で、こんなに大きい被害が出るのね。どんな対策を取っているのかしら?」

会社ではこれまで、豪雨のたびに、20分以上かけて土のうを積んでいました。しかし、時間がかかるうえ、隙間が残ることもあり、浸水を十分防ぐことはできませんでした。


ナビ子「ナビ子でもできそう!!」

そこで導入したのが「シート」
入り口に貼り付け、下に重しを置くだけ。作業はわずか2分ほどです。

シートを開発したメーカーの実験では、水深50センチまで耐えられました。

さらに、簡単に持ち運びができる「止水板」
既存のドアに固定するだけで、60センチの冠水にも耐えられます。

文化シャッター 元木幸一郎部長「一度水の災害に遭うと、事業を復旧する、生活環境を復旧するというところで、相当な労力が必要になってくるので、ニーズは非常に高まっていると思う」
メット「このほか、豪雨の被害を予測するサービスも、企業の関心を集めているんだワン!」

2被害の予測も


気象データに加え、各地域の災害の危険情報や、鉄道・道路の規制、カーナビゲーションの位置情報など、ビッグデータを総合的に分析し、土砂崩れや冠水による通行止めなど、物流に影響が出るリスクを6時間先まで予測するシステムを開発した企業もあります。

パスコ 橘克憲副事業部長「日本全国、どこでどういった災害リスクがあるのかということをいち早く把握して、そのための対策を打ちたい」

このシステムを6月に導入した、大手自動車部品メーカー「日本特殊陶業」。
資材の調達や製品の納入に欠かせない物流網が途絶えると、経営をも揺るがしかねないとして導入を決めました。

担当者が、全国にまたがる物流ルートの状況を毎日、モニタリングしています。
この日、工場がある鹿児島県に、注意をうながすサインが出されました。
詳細を見ると、豪雨によって通行止めになる可能性があると分かりました。しかし、ふだん使うルートではなかったため、影響は無いと判断。

この会社では、物流ルートで災害の可能性が高まった場合、ルートを変更するなど、対策を取っていく方針です。

会田祐樹副主管「実際に災害が起きる前に、そういう情報が得られれば、こちらの対処の仕方が変わってきて、より生産が止まらないようなシステムを構築できる、対策できるというのが大きなメリットです」

シュト子「なるほど!予測ができれば対策もできる!そういえば、来年のブラジルのリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックまで1年を切ったというニュースをやっていたけど・・・ということは、その次の東京大会までちょうど5年になったのね。東京大会の成功には、さまざまな準備が必要だけど、防災面はどうなっているのかしら?」サイ坊「関西の研究者が、東京大会をめざして、局地的な豪雨から守る“災害予測システム”の研究を行っているんだ。」

▲2015年8月7日OA「首都圏ネットワーク」 より

7月から8月にかけて猛烈な暑さが続いた中、広い範囲で大気の状態が不安定になっていて、非常に激しい雨が降る恐れがあります。こうした豪雨を予測する研究が進んでいます。ポイントは、前兆の風です。

3“前兆の風” 流れをつかめ

京都大学生存圏研究所の古本淳一助教は、山あいやビル群などで局地的に吹く「突風」のメカニズムの解明や予測を行っています。

代表的な研究例が、滋賀県西部特有の強風、「比良おろし」です。

この風を観測しようと、観測機器を取り付けた気球をなんども飛ばしました。そして、これらのデータをパソコンの計算ソフトに入力し、突風の吹く場所や時間を予測するシステムを開発しました。

その結果を見ると・・・
オレンジ色が、風の強い場所を示しています。およそ1キロの間隔で、風の強い場所と弱い場所が交互にならぶ様子まで再現されています。的中率はおよそ8割に上ります。

古本さんたちが、この予測システムを応用しようとしている舞台が、2020年に開催される東京オリンピック。 具体的に予測する災害、それは近年、増え続けている局地的な豪雨です。

この豪雨をどう予測するのか。


多くの研究者がめざしているのは、10分から30分ほど前の予測。しかし、古本さんたちは、もっと早い段階の前触れの風を観測することで、1時間前に予測できるのではないかと考えています。

4東京にも観測装置

すでに、風を観測する装置の設置が始まっています。
東京都内の高さ200メートルほどのビルの屋上に設置された「ドップラーライダー」という機械。レンズから赤外線を出して、風の向きや速さなどを観測します。
屋上には障害物がなく、広い範囲を観測できます。

将来的には、都内の複数のビルに、半径30キロを観測できる装置を設置し、新国立競技場や選手村の上空などもカバーする、都心の観測網を作る計画です。

風の集まる場所を予測する上で重要なのが、新しい建物が次々と建つ都内のビル群です。
風の動きは建物の形で大きく変わるため、古本さんたちは、風の観測データに加え、建物の形状もシミュレーションに組み込み、「通りごと」の細かな予測を実現する計画です。

京都大学生存圏研究所 古本淳一助教「大雨が降る1時間前に予測できれば、都市防災だと、下水道のコントロール。商業施設なら防水堤を立てることができる。防災対策はかなりできることがある」

風や雨の研究が進められ、東京オリンピックと
パラリンピックに生かされようとしているのね。
今から楽しみだわ。
オリンピックは、『災害リスクが世界一』という
マイナスのイメージから一転、世界一安全な街を
知ってもらう機会になるといいわね!

■ほかにも備える

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