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大雨に備える ~家庭でできる “ローテク防災” とは~

「大雨に備える ~家庭でできる “ローテク防災” とは~ 」2015年7月15日

シュト子「帰国がちょうど梅雨の季節で、久しぶりのこの蒸し暑さは、日本に帰ってきたんだと感じるわ。それにしても、梅雨の雨の降り方とはぜんぜん違うと思うんだけど。」

6月15日夕方、突風についてのニュースが首都圏を駆け巡りました。
上空の寒気の影響で、広い範囲で大気の状態が不安定になっています。
群馬県の伊勢崎市や渋川市など各地で突風が発生し、車が横転して乗っていた女性が
軽いけがをしたほか、公園のフェンスが飛ばされるなどの被害が相次いでいます。

ケン「群馬では被害が多かったんだワン」

▲2015年6月15日OA「首都圏ネットワーク」より

1“突風” の被害

6月15日午後5時前、群馬県伊勢崎市で突風が発生し、女性が乗っていた車が横転し、頭に軽いけがをしたということです。市内のほかの地区では、高さがおよそ6メートルある野球用のネットが支柱とともにおよそ30メートルにわたって倒れました。東京電力によりますと、この突風の影響で、伊勢崎市で一時、3,300世帯が停電しました。

シュト子「すごい突風だったけど、原因は何なの?」メット「気象庁の調査によると、積乱雲から激しい雨などが降るのにともなって、急激な下降気流が発生し、上空の冷たい空気が吹き下ろすダウンバーストだった可能性が強いということなんだワン。」シュト子「ダウンバーストって、前にもどこかで聞いたことがあるんだけど、どうやって起きるのかしら?」メット「気象予報士の関口奈美さんが解説していたよ!」

なぜ積乱雲が発生したかというと、地上と上空の気温差が大きかったことにあります。
この日、伊勢崎市では日中、気温が32度7分にまで上がりました。一方、上空には氷点下9度という強い寒気が流れ込んで、実に42度の気温差になったんです。
気温差が40度を超えると、竜巻などの突風をもたらす危険な積乱雲が発達しやすいんです。

シュト子「そういえば、ふつうは、暖かい空気は軽いから上空に上がり、冷たい空気は重いから下にって、理科の授業で習った覚えがあるわ。」サイ坊「こうした大雨や突風の被害から身を守るために、家庭でも簡単にできる防災グッズが話題になっているんだ。」

2“ローテク防災” あれこれ

こちらは、2リットル入りのペットボトルで作る “雨量計”

① ペットボトルの上部を切り
② 切った上部を、逆さに差し込んでテープで止めます。

ナビ子「あっという間だね!」

③ 1ミリ単位の目盛りをつければできあがり。


香川大学 松尾裕治特命教授「観測所に降っていなくても、自分の家にどれだけ雨が降るかということが大事になってきている。そういう意味からぜひ、うちで雨量を観測して、避難の目安にしてほしい」

▲2015年6月23日OA「ゆう6かがわ」より

“ローテク防災” の名づけ親、四国の香川大学で防災対策を研究する松尾裕治さんは、身の回りのものでできる防災対策の普及に取り組んでいます。

松尾さんは「近年はごく狭い地域で降る局地的な豪雨が増えているため、気象台のデータに頼るばかりでは身を守れないおそれがある」といいます。

一方こちらは、 “台風の位置” を知る方法。
「自分の背中に風を受けて、左前方45度の方向に台風はいます」

2014年8月9日、台風11号が四国に接近した際の風向きです。
高松市では東からの風が吹いていました。

この風を背中に受けて立つと、台風は左前方45度、南西の高知県の方向にあることが分かります。
風向きによって台風の位置を知ることで、大雨や強風の被害に備え、避難するかどうかの判断の材料になります。

シュト子「へ~え!!本当に家庭で簡単にできることばかりね。でも松尾さんはどうして、こんなことを研究するようになったのかしら?」

3防災の教訓

松尾さんはもともと、四国地方整備局で防災対策を担当していました。ハイテクな観測機器や設備を使って、水害や津波などに関する情報を住民に提供してきました。

シュト子「もともとは、ローテクとは逆のハイテクの専門家だったのね!?」

松尾さんがローテク防災術に目覚めるきっかけになったのは、平成13年9月6日の高知県西南部豪雨でした。
同僚とともに、被災した2,000人近くの住民を調査すると、住民に危険を伝えるはずの地域の放送設備が浸水したうえ、電気や電話もすべて使えなくなっていたことがわかりました。行政から情報を伝える手段はほとんど失われていたのです。

行政からの情報に頼れない住民たちは、雷の音もかき消されるほどの豪雨に危険を感じ、みずから避難を決断していたのです。

ハイテクは、電気、電話が使えることが前提ですけど、ローテクはそれがなくても、自分の頭の中に判断基準を入れておいて、実践することによって避難が行われる。

松尾さんは、行政やメディアの情報に頼るだけでなく、みずからの知恵と判断で命を守る力を身につけてほしいと考えています。

シュト子「自分の命は自分で守ろうという住民の動きが、松尾さんの研究を変えたのね」

4“ローテク防災” の普及に取り組む

1人でも多くの人に “ローテク防災術” を知ってほしい。
松尾さんが今、力を入れているのが、親子を対象にした防災教室です

 ナビ子「ナビ子もはいてみたいな~!」

子どもが履いているのは、新聞紙で作ったスリッパ。突然の災害で避難しても、簡単に作って足を守ることができます。


シュト子「災害の時、家族でできることはしないといけないわね。ちょうど雨の季節だから、こんど家族で話し合いましょう。そのときまでに、“ローテク防災”のスリッパと雨量計は作っておかなくちゃ!!」ナビ子「ナビ子も手伝う!!」

大事なのは、災害の時に行政やメディアの情報に
耳を傾けるとともに、自分たちが主体となって、
まず身を守るためにどうするかを、いつも考えて
おくことなんだ。
簡単なことからしっかり準備をして、
今年の梅雨のシーズンを乗り切ろう!

■ほかにも備える

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