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首都直下地震 新想定 “通電火災”とは?

第22回首都直下地震 新想定 “通電火災”とは?

2013年12月19日、首都直下地震の被害想定を国が8年ぶりに見直しました。
それによると、都心南部の直下でマグニチュード7.3の大地震が起きた場合、
被害額は95兆円、国の年間予算に匹敵します。
最悪の場合、建物の被害は61万棟、死者は2万3,000人にのぼります。
揺れによる被害に加え、さらに怖いのが火災。
なかでも、今回の見直しで特に対策が必要とされたのが、
電気ストーブや白熱電球を使ったスタンドなどによる「通電火災」です。
地震による停電のあと、復旧したときに火の元となる恐れがあり、
どこの家庭でも危険があります。

シュト子「通電火災?初めて聞いたわ〜 どういう火災なの?」

▲2013年12月19日OA「ニュースウオッチ9」より

1大きな被害をもたらす“通電火災”

通電火災の危険性が明らかになったのは、阪神淡路大震災の時でした。
原因が特定された
建物火災の6割が、通電火災によるものだったんです。

火元は電気ストーブや白熱スタンド、オーブントースターなどでした。

シュト子「ええ!? どれもウチにもあるものばかりよ!」ナビ子「なんで燃えちゃうの〜?」

2“通電火災”のメカニズム −どのようにして起こるのか−

今回の首都直下地震の想定では、およそ半数の世帯で停電が発生します。
このときブレーカーを落とさずに避難すると…。

電気が復旧したとき、切れたと思っていた電気製品が再び作動!
これが火元となって起こるのが、通電火災です。

なまネコ「出火はどのように起こるのか、実験してみたニャ!」

① 地震の揺れで洗濯物が電気ストーブに…。
② 停電した状態から通電。
③ ストーブが作動。

ナビ子「あっという間だね!」

④ 4分後、煙が立ち上り…。
⑤ ⑥ 12分後、炎が広がり部屋を覆い尽くす。

シュト子「どこの家庭でも、通電火災の可能性はあるのね〜。地震の時は、ブレーカーにも気をつけないといけないわね!」

3“通電火災”の恐怖

通電火災の恐ろしさは、それだけではありません。
電気製品以外の思わぬところからも、火が出ることがあるんです。

地震による転倒や落下で傷ついた「電気コード」

通電すると…瞬間、コードがショート!
近くに燃えやすいものがあると
火災につながる可能性が!!

なまネコ「さらに、通電火災は『時間差』で起こる特徴もあるニャ。」
 シュト子「震災当日から最長で8日後にも通電火災が起こっていたのね!」

この図は阪神淡路大震災の通電火災の発生件数を時系列にまとめたものです。

なまネコ「神戸市消防局予防課の上村雄二調査係長も危険性を指摘しているニャ!」
神戸市消防局予防課の上村雄二調査係長「“電気が復旧してよかった”と思ったらパチパチと音がして火事になった話もある。通電火災にはそういった危険性がある。」

4“通電火災”への対策 −どう備えればいいのか−

通電火災への懸念は、特に木造住宅の密集地域で強まっています。
大規模な延焼火災につながる恐れがあるからです。
東京都内では山手線の外側を中心に広がり、23区の人口の2割、180万人が暮らしています。

シュト子「特に気をつけたい地域ね!通電火災への備えはどうすればいいのかしら?」

新たな被害想定では「感震ブレーカー」の普及を促しています。

感震ブレーカーは、地震を感知すると自動的にブレーカーのスイッチが切れます。
ブレーカーの切り忘れを防ぐことで、通電火災の原因を断とうというのです。

シュト子「でも、これってけっこう費用がかかるんじゃない?」
なまネコ「電気工事を含めると数万円の費用がかかるニャ。そこで“簡易な”感震ブレーカーを活用する取り組みも始まっているニャ!」

さいたま市浦和区の小原茂さん宅では。今年、1個3,000円ほどの装置を購入しました。

(左)ブレーカーのスイッチに取り付けた、ひもの先には・・・
(右)「おもり」がついています。

震度6以上の揺れがあるとおもりが落下し・・・
ブレーカーのスイッチが切れる仕掛けです。

地区の自治会長を務める小原さんは、この装置を地域の全世帯で導入することを進めたいと考えています。
一軒だけやったのでは意味がないので、やはり全体的にやらないといけない。近隣が類焼することによる火災がいちばん大きいですから」

シュト子「通電火災への備えは各家庭はもちろん、地域全体で進めていくことが大切ね!ブレーカーの切り忘れにも気をつけないとね!」

 

通電火災が地震による火災原因のかなりの部分を占めていることはあまり知られていないかもしれません。
国の新たな被害想定では、この通電火災を始め、電気関係の出火を防ぐなど、
対策を徹底すれば、火災による死者は20分の1に減らせるとしています。

 

 

以下のページには、対策などがより詳しくのっています。(NHKのページを離れます)

☆消防防災博物館
 地震時における出火防止対策のあり方に関する調査検討報告書
 ※通電火災については『第3章 地震時における出火防止対策にかんする提言』を参照
 http://www.bousaihaku.com/cgi-bin/hp/index2.cgi?ac1=B208&ac2=B20801&ac3=2292&Page=hpd2_view

☆総務省消防庁
 電気に起因する火災の出火防止対策に関する提言(補足説明資料)
 http://www.fdma.go.jp/html/new/syukabousi003.html

☆12月に発表された首都直下地震の新想定について
 内閣府 防災対策推進検討会議 首都直下地震対策検討ワーキンググループ 最終報告
 http://www.bousai.go.jp/jishin/syuto/taisaku_wg/

 

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