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  • 2024年6月11日

関東など強い揺れのない地域への緊急地震速報 6月3日の原因は“地震規模を過大推定”

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6月3日に起きた石川県能登地方を震源とするマグニチュード6.0の地震。

北陸をはじめ、関東甲信などに緊急地震速報が発表されましたが、震度4以上の揺れが観測されたのは石川県と新潟県だけでした。

強い揺れを観測しなかった関東や東海などにも緊急地震速報が発表されたことについて、気象庁が原因を調べた結果、初期の段階では計算に用いない地震波をもとに地震の規模を過大に推定していたことがわかりました。

緊急地震速報 誤ってS波で推定か

6月3日に起きた石川県能登地方を震源とするマグニチュード6.0の地震では、北陸をはじめ、東北、関東甲信、東海、近畿の26都府県に緊急地震速報が発表されましたが、震度4以上の揺れが観測されたのは石川県と新潟県だけでした。

気象庁は、当日の会見で地震の規模をマグニチュード7.4と、かなり大きく評価していたと説明したうえで原因を調べていました。

その結果、初期の段階では計算に用いない「S波」と呼ばれる地震波をもとに推定していたことがわかりました。

緊急地震速報は、先に到達する小刻みな「P波」から震源を推定したうえで、地震の規模などを計算してそのあとに来る強い揺れの「S波」への警戒を呼びかけますが、今回は、▽地震計が震源の西側に限られていたうえ、▽ほぼ同時刻に同じ場所で地震が連続して起きたため「P波」の検知が不安定になり、震源が20キロずれたということです。

その影響で「P波」として扱う範囲を広く取ってしまい、「S波」がまぎれたとしています。

気象庁
「今回のような条件が揃うことは少ないが、技術開発は進めていきたい。一方、今回実際に震度5強の揺れも起きているため、緊急地震速報を見聞きしたら強い揺れに備えてほしい」

緊急地震速報のしくみ

地震波は、「P波」と「S波」に大きく分けられます。

「P波」の揺れは小刻みなのに対して、「S波」は揺れが強いのが特徴です。

「P波」の方が伝わるスピードが速く、緊急地震速報はこの「P波」をとらえて震源の位置や地震の規模などを推定し強い揺れに警戒を呼びかけます。

「S波」が到達する前に伝える必要があるため、システムが処理したあとは気象庁の職員のチェックを介さずに情報が伝えられます。

このため、精度をどう高めていけるかが課題となっています。

専門家「速やかな対応を」

災害時の情報伝達が専門で日本大学の中森広道教授は、「技術的な限界もあり、今後も過大評価して発表することは起こり得る」と述べ、結果的に適切ではない緊急地震速報が発表されたとしても、強い揺れが来るかもしれないと考え、身の安全を守ることが望ましいとしています。

そのうえで、「気象庁は過大評価をしてしまった場合、会見を待たずに速やかに伝えるべきだ。情報の信頼度を高める上でも速やかな対応が必要だ」と指摘しています。

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