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  • 2024年6月10日

4月家計調査 1年2か月ぶり消費支出増も物価高騰で節約続く 今後は?専門家“物価高に勝てる賃金上昇が…”

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消費の回復、皆さんの実感はどうでしょうか。

このほど発表された2024年4月の家計調査、2人以上の世帯が消費に使った金額は、1年2か月ぶりに増加しました。

実質で前の年と比べて0.5%増えています。
物価高が続く中で増加に転じたわけですけれども、この数字をどう見ればいいのか?

取材をすると消費が回復したところ、まだまだ厳しいところ、家計の実態が見えてきました。

ことし4月の家計調査…1年2か月ぶり増加も

総務省の発表によりますと、ことし4月の家計調査で、2人以上の世帯が消費に使った金額は、1世帯あたり31万3300円と物価の変動を除いた実質で前の年の同じ月と比べて0.5%増えました。増加は1年2か月ぶりです。

内訳を見ますと、「教育」は、新型コロナ対策として大学が設けた授業料の減免措置の利用が減り支払いが増加したことなどで25.9%増えました。

また、例年よりも気温の高い日が続いたことで夏物の衣服を早めに購入する動きが出て、洋服は11%、シャツ・セーター類が8.8%それぞれ増えました。

一方で「食料」は、物価高を背景に肉や野菜類の支出を減らす傾向が続き、2.7%減少したほか、「教養娯楽」は、円安で海外旅行を控える動きが広がったことなどから9.2%減りました。

専門家は“力強さ欠く消費回復”

4月の家計調査で2人以上の世帯が消費に使った金額が実質で1年2か月ぶりに増えたことについて、みずほ証券の小林俊介チーフエコノミストは「コロナ禍以降消費の正常化が進む中で、ギリギリでマイナスが止まったと考えている。ただ、プラスといっても0.5%で前月比で見るとマイナスが続いていて、力強さ、迫力には欠く消費の回復だ」と話しています。 

節約志向続く スーパーの特売に行列

埼玉県越谷市のスーパーは野菜や肉、加工品など、曜日ごとに通常の価格より安く販売する「特売」を行っています。

6月6日は、魚の開きや切り身などを税抜きで1枚99円で販売する木曜日恒例の特売が行われ、午前10時の開店前には20人以上が店の外に列をつくるなど大勢の人が訪れました。

スーパーによりますと特売で販売する商品は通常の価格と比べて、2割から4割ほど安いということで、節約志向が続く中で来店するきっかけづくりをする狙いがあります。

80代の男性は、「魚の特売でまとめ買いをして週に2回か3回に分けて食べています。安いのでありがたいです」と話しています。

2人の子どもがいる30代の女性は、「広告にあった特売の商品を中心に見て回っています。定額減税の実感はまだありませんが、子どもには食べたいものや栄養があるものを食べさせたいので、必要なものは購入したうえでこうした特売などを活用したい」と話しています。

ことし1月から3月の1人あたりの購入金額は、前の年の同じ時期を5%から8%程度上回る水準でした。ただ、先月(5月)は、来店客数は去年の同じ月とほぼ同じ水準でしたが1人あたりの平均の購入単価は2.5%減少しました。

土日は特売などの商品をまとめて購入する客が多く訪れますが、平日の客数や購入単価は減少傾向にあるということです。
 

スーパーマルサン越谷花田店 百瀬慶一 副店長
「お客に手に取ってもらえる商品を増やしていくために、山積みにしてアピールしたり価格の安さを訴えたりして、イベント性を重視した売り場づくりを心掛けていきたい」

出費抑える動き 増えるリユース需要

子ども服は成長とともに大きいサイズを用意する必要があります。
物価の上昇が続く中、出費を抑えようと再利用する、リユースの需要が高まっています。

東京・目黒区の会社はリユースの子ども服を専用のサイトを通じて売買するサービスを提供していて会員の数は12万人を超えています。

リユースの子ども服は着なくなった服を買い取ってほしいという会員から送られてきたもので会社の担当者がシミや傷みがないかを確認するなどした後サイトに出品されます。

会社によりますとTシャツやズボンなど1日に600着から1000着ほどの子ども服が新たに販売されていて価格は新品を定価で買うよりも半額から90%ほど安くなっているといいます。

会員からは「子ども服はひんぱんに買わなくてはいけないので助かっている」などという声が聞かれ、会社は、物価の上昇が続く中、需要が高まっていると分析しています。

キャリーオン 吉澤健仁さん
「物価が上がる中で、単に安いものというよりはより良いものを手頃な価格で買いたいという消費者の意識を感じる。これからも子ども服のリユース市場は伸びていくとみている」

リユースの子ども服を利用する母親は

東京・世田谷区の山中理紗さん(35)は5歳と4歳、1歳の3人の子どもを育てていて、リユースの子ども服を購入できるサービスを利用しています。

山中さんは夫と共働きで現在は育児休業をとっていますが、物価の上昇で食料品などの値上がりが続く中、子ども服にかける出費をできるだけ抑えたいと考えています。

サービスの利用を始めた3年前からこれまでにリユースの子ども服をおよそ40着購入していて、中には定価よりおよそ9割安いものもあったということです。

子どもたちが幼稚園や公園で遊ぶときに着る服などについてはリユースのものにしています。また、子どもたちの成長でサイズが合わなくなった服をこれまでに100着ほどこのサービスのサイトに出品していて、買い取りで得られたポイントでさらにリユースの子ども服を購入しているといいます。

山中さん
「子育ての出費はかさんでいるので、リーズナブルに好みのものを買えるのは重宝しています。リユースを買うことで浮いた分をレジャーの費用などに回すことができ、すごく節約になっていると感じています」

“物価高に勝てるような賃金上昇”が鍵

みずほ証券の小林俊介チーフエコノミストは、今後の消費動向について次のように指摘します。

みずほ証券の小林俊介チーフエコノミスト
「現在の消費は二極化が鮮明になっている。株や不動産など資産効果が効いて高価格帯の商品などの消費が好調な部分と、生活防衛から節約志向が強まっている部分の両方が共存しているのがいまの日本経済だ」

「春闘の賃上げや定額減税の効果が消費を押し上げる要因になり、夏ぐらいまでは回復傾向が続くとみている。可処分所得と消費総額のデータは一致していて所得が上がらない限りは消費は回復しない。物価高に勝てるような賃金上昇、所得の増加が今後どういうペースで起こってくるのかが最終的な消費の回復の鍵を握っている」

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