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  • 2024年6月10日

合計特殊出生率2023 低い理由は?少子化と男性の長時間労働 日本 韓国 欧米諸国では

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6月5日発表された2023年の「合計特殊出生率」は1.20で、このうち東京都は全国の都道府県で最も低い0.99で、1を下回りました。
少子化が進む要因のひとつとして指摘されているのが「男性の長時間労働」です。日本、欧米諸国、韓国の男性の長時間労働と出生率の関係についての専門家の分析をまとめました。

国内の労働時間 男女別では

厚生労働省によりますと国内の年間総労働時間を男女別に見ると2022年は男性が1826時間、女性は1422時間となっていて男性が400時間あまり長くなっています。

また、過労死ラインの目安のひとつとされる、労働時間が週60時間以上の人の割合は2022年時点で男性が7.7%、女性が2%となっていて、男性が大幅に多くなっています。

各国の出生率と男性の長時間労働

少子化問題に詳しい京都大学大学院の柴田悠教授は、欧米諸国と日本、韓国の出生率と男性の長時間労働の関係について分析しました。

2021年のデータ

労働時間を国際的に比較する際の指標とされる週に49時間以上働く、男性の割合を2021年のデータでみると、▼フランスは12%で出生率は1.8、▼デンマークは10%で出生率は1.7、▼スウェーデンは8%で出生率は1.7となっています。また、▼アメリカは男性の長時間労働の割合は17%で出生率は1.7でした。

一方、▼日本は男性の長時間労働の割合は22%で、出生率は1.3で、少子化が急激に進んでいるとされる▼韓国も男性の長時間労働の割合は22%で、出生率は0.8となりました。

長時間労働の男性の割合が少ない欧米諸国ほど出生率が高く、長時間労働が多い日本や韓国は出生率が低い傾向にあることがわかります。

出生率が下がり続ける要因 専門家はどう見る

少子化問題に詳しい京都大学大学院の柴田悠教授は、出生率が下がり続ける要因として、「コロナ禍で結婚が大幅に減ったこともあるが、経済的な停滞で実質賃金が増えないことや育児の負担が女性に偏っているということ、学費が高く子育てにコストがかかることなど育児の負担が大きいことがある」と指摘しました。

“仕事に割く時間の長さも要因のひとつ”

柴田教授は、こうした中で仕事に割く時間の長さも子どもを持つことをためらう要因の1つだとして「これまで日本は男性が長時間働く、“マッチョな働き方”を続けてきたので生産性を高める必要がそれほどなく、実質賃金が上がりにくかった。さらに女性に家事育児の負担がかかりそれを見越して女性は結婚したくないとなってきている」と分析します。

“健康的な働き方へと転換することが大切”

京都大学大学院 柴田悠教授
「構造的な問題の根源に男性の長時間労働があるので長時間労働の改善は非常に重要だ。労働時間を規制する取り組みはアメリカやヨーロッパでは残業代の割り増し率が日本の2倍になるなどで残業を許さないことが常識となっている。法定労働時間も日本より短く労働者が健康的に休めて、家庭や友人などとの私生活を持てるようにしようと取り組んでいる。企業にとっても日本全体にとっても生産性を高めるうえでいまは重要な転換点であり、人材不足の中、どの企業も優秀な人材を獲得するために、健康的な働き方へと転換することが大切だ」

「合計特殊出生率」1.20 東京都は0.99

一方、厚生労働省が6月5日に公表した2023年の「人口動態統計」の概数によりますと、1人の女性が一生のうちに産む子どもの数の指標となる「合計特殊出生率」は1.20でした。

2022年の確定値と比較すると0.06ポイント低下していて、1947年に統計を取り始めて以降、最も低くなりました。前の年を下回るのは8年連続です。

また、都道府県別の合計特殊出生率は、すべての都道府県で、2022年よりも低くなりました。最も低かったのは、東京都で0.99と1を下回りました。

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