首都圏ネットワーク

  • 2024年5月31日

JR東日本など首都圏の鉄道8社 磁気付き近距離切符をQRコードに置き換えへ

キーワード:

改札機に切符を入れてカシャ!そしてすぐに受け取る…は過去のものになるのでしょうか。ICカード普及前におなじみだった「磁気付きの近距離切符」。JR東日本など首都圏で運行する鉄道8社は将来的な廃止を視野に、QRコードに順次置き換えていく方針を発表しました。切符の歴史などとともにまとめました。

置き換わるのはどんな切符?

JR東日本・京成電鉄・京急電鉄・新京成電鉄・西武鉄道・東京モノレール・東武鉄道・北総鉄道の首都圏で運行する鉄道8社は、裏面に磁気のついた、改札機に投入するタイプの現在の近距離切符については将来的に、印字されたQRコードを改札機にかざすタイプのものに置き換えていく方針を発表しました。(JRだと100kmまでの途中下車できない切符)
磁気付きの切符は、金属を含むことからリサイクルが容易ではなく、置き換えによって環境への負荷を減らす狙いがあるほか、改札機に切符が詰まるなどの不具合の解消にもつながるとしています。一方、改札を通過したQRコードは利用できなくするといったコピーなど不正への対策も行う方針だといいます。

JR東日本マーケティング本部 高堂洋平マネージャー
「これまでの切符はリサイクルする際に、磁気の面をはがす必要があったが、QRコードの導入でリサイクルしやすくなる。磁気の切符投入からQRコードをかざす形に変わるので、お客さまが戸惑わないよう、丁寧に説明していきたい」

鉄道の発達とともに変化を続けた「切符」

群馬県の上信電鉄で使われていた「硬券」

鉄道が開業してことし(2024年)で152年。鉄道の発達とともに切符も変化してきました。
明治から昭和にかけて主流だったのは、厚紙でできた「硬券」や薄い紙の「軟券」です。手書きで行き先を書き込み切符もありました。
改札で鋏をかちゃかちゃ…。かつて、都営地下鉄の巣鴨駅や高島平駅などで駅員も務めたこともあるという、都の交通局OBで鉄道の歴史に関する「鉄道史学会」会員の岩成政和さんに当時の思い出を聞きました。

都交通局OB 鉄道の歴史に詳しい岩成政和さん
「改札で使っていた、カチカチと音が鳴るはさみ、簡単に切っているようですが、当然行き先を確認したり、不正がないかなど確認しなければなりません。4枚・5枚とまとめて、5~6人で通る方がいたんですが、これをはさみで切るとき、指をぶつけてしまって『ちまめ』ができた、といったことがよくありました」

その後は「磁気データ」を書き込んでいる「磁気切符」が主流になり、2001年にはJR東日本の交通系ICカード「Suica」がスタート。全国でICカードの利用が普及していきました。
8社によりますと、▼2007年はICカードの利用率が65%程度、切符の利用率が35%程度だったのに対し、▼現在はICカードの利用率が90~95%程度まで上昇する一方、切符の利用率は5~10%程度まで減っているということです。

岩成さん
「昭和の人間からするとものすごく大きなことでした。切符は小さな紙きれですが、そこにとんでもないことが書いてあります。北海道に行けますよ、九州に行けますよとか書いてあるわけです。宝石みたいなものですね。これから何十年もたてば『昔、切符というのを買わなければ電車に乗れなかったんだよ』という時代が来ると思います」

首都圏では「顔認証の改札」も 切符の今後を後藤記者が解説

5月29日放送の「首都圏ネットワーク」では、おなじみ「切符鉄」後藤茂文記者が背景や切符の未来を解説しました。

Q.切符の置き換え、コストの問題が大きいのか
A.切符を発券するには磁気データを載せられる特殊なロール紙が必要です。また、改札機には切符を素早く読み取って送り出す装置が内蔵されていて、いずれもコストがかかっています。これに対してICカードやQRコード、それに、最近広がっているクレジットカードでの立ちだと、読み取り機だけで済むのでコストを抑えられます。

大阪メトロが取り組む「顔認証技術を使った改札」

Q.二次元コードがうまく読み取れない、という人もいると思うが、今後もこの方式が多くなるのか
A.まだ研究段階ですが、将来は「顔パス」で列車に乗れるようになるかもしれません。大阪の地下鉄「大阪メトロ」は、顔認証の技術を使って、改札に設けたセンサーで、切符代わりに顔を読み込み、列車に乗れるシステムを大阪・関西万博に合わせて実用化しようと取り組んでいます。
また、首都圏では千葉県佐倉市の山万ユーカリが丘線では今月(6月)半ばから顔認証、またはQRコードを使って乗車できるようにするということです。
切符の世界は奥が深く、変化が激しいと改めて思いました。
これからも切符収集と取材を続けていきます。

あわせて読みたい

ページトップに戻る