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  • 2024年5月23日

“赤字は年間4億円超”JR吾妻線 長野原草津口~大前の今後は 沿線自治体などが初の協議

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群馬県の渋川と大前を結ぶJR吾妻線。草津温泉や四万温泉などへの観光輸送に加え、地域の生活も支えてきました。しかし、長野原草津口と大前の間は、年間4億円を超える赤字が課題となっています。この区間について、沿線の自治体などが将来のあり方を協議する初めての会議が23日に開かれました。

吾妻線とは

1971(昭和46)年3月7日 
長野原(現:長野原草津口)駅

吾妻線は群馬県渋川市の渋川駅と嬬恋村の大前駅を結ぶ55kmあまりの路線です。地域の生活を支えるだけでなく、草津温泉、川原湯温泉、四万温泉、万座温泉、鹿沢温泉などへの観光輸送の役割を果たしてきました。渋川駅から途中の長野原草津口駅までの間は上野からの特急も走り、概ね1時間に1本程度列車が運転されています。
しかし、今回、協議の対象となっている長野原草津口駅と大前駅の間約13kmは、2022年度は4億6000万円の赤字になっています。特急の運行がなく、普通列車の本数も少なくなり、特に万座・鹿沢口駅と大前駅の間は1日4往復のみの運転となっています。
JR東日本はことし(2024年)3月、長野原町と嬬恋村、それに群馬県に、将来の路線のあり方を
協議することを申し入れていました。

協議会の初会合で話し合われたことは

きょう(5月23日)は、2つの自治体とJR東日本の担当者などが出席して、初めての会合が、冒頭以外およそ1時間、非公開で行われました。この中では、現在の利用状況などを共有したうえで、今後、この区間の利用客のおよそ8割を占める高校生とその家族などに、利用実態についてアンケートを行う方針などが話し合われたということです。次の会議の日程は未定ですが、
今後も協議を続けるとしています。

長野原町 未来ビジョン推進課 佐藤忍課長
「会議で議論されることが地域の活性化に結びつくというスタンスで取り組んでいきたい」
嬬恋村 未来創造課 熊川明弘課長
「村は吾妻線の存続を希望しているが、長野原町と協力して利便性が向上する交通体系を
検討したい」

交通政策に詳しい 前橋工科大学 吉田樹特任教授(会議の座長)
「今の鉄道がこの地域の役に十分、立てていないのではないかという考えがある。この地域にどういう役割を果たしているのかを検証し、最適なあり方を検討していく」

嬬恋村は「利用促進策」を発表

嬬恋村のホームページより

今回、協議の対象になった区間のある嬬恋村は、吾妻線の利用客を増やすことで路線の存続を図りたいとして、来月(6月)から村民を対象に一部区間の運賃を全額補助する取り組みを始めます。その内容です。

〇補助の対象
嬬恋村に住所を有する人が、渋川と大前の間で、村内にある「袋倉」「万座・鹿沢口」「大前」の3駅のいずれかで乗り降りした場合。
吾妻線が乗り入れている上越線の新前橋などを利用した場合は、乗り降りした村内3つの駅から渋川までの分の運賃を補助。ただし、通勤・通学は対象外となっています。
〇補助を受けるには
利用後の30日以内に申請書と乗車を証明する書類を村役場に提出することで指定の口座に
補助金が振り込まれます。

知事やJR東日本高崎支社長は

吾妻線の将来について、群馬県の山本知事やJR東日本高崎支社の樋口達夫支社長は記者会見で次のように述べました。

群馬県 山本知事
「地域にとって最適な交通サービスを選択するために関係者で議論を行うものだ。大事なことは、地域住民の移動に便利で快適なものにすることだと認識している。その認識のもとで県としては中立的な立場で調整に努めていきたい」

JR東日本高崎支社 樋口達夫支社長
「関係者に集まってもらい、議論が始まることを大変うれしく思っている。これからの未来に向けてよい議論ができればいいと思っている」

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