大学生と一緒に公開番組の収録を行いました

  • 2023年01月11日

みなさんNHKの公開番組の裏側って興味ありませんか?
公開番組といえば、のど自慢のイメージがあるかと思いますが、ほかにも色々な番組を公開で実施していて、視聴者のみなさんに生のイベントをお楽しみいただいています。2022年10月末、帝京大学八王子キャンパスでNHK公開収録を行うことになり、せっかくの機会なので会場の帝京大学の学生に公開番組の裏側を体験してもらおうと、大学にお声がけしました。

Eテレ「超多様性トークショー!なれそめ」公開収録

10月28日、帝京大学の八王子キャンパスで公開収録を行ったのは、「なれそめの数だけ、いろんな人生の楽しみ方がある!」をコンセプトに様々なカップルのなれそめからその魅力を聞きだす、Eテレの番組「超多様性トークショー!なれそめ」です。

「あさイチ」スタジオ見学で番組制作の裏側講座も

番組の制作過程は、放送される画面からだけでは想像できないこともたくさんあります。今回は文学部社会学科でメディア社会論を研究する田所ゼミの皆さんと一緒に準備を進めましたが、いきなり公開収録を見て終わりと言うことではなく、まずはどのようにつくられ放送しているのか、別の番組の舞台裏を見学してもらいました。9月にNHK放送センターに来てもらい朝の番組「あさイチ」のスタジオを見学、リハーサルに出演者の代役として参加もしてもらったのです。 

学生の皆さんは、当然テレビスタジオに入るのも番組リハーサルを体験するのも初めて。ドキドキしながら参加していました。

見学のあとは、あさイチを担当していたディレクターとの座談会です。

Q.取材するときに、相手の話を引き出す手法を知りたい

A.取材させていただく相手との信頼関係を作ることが大事です。

Q.これからのテレビ業界のあり方やインターネットとの共生について何か構想がありますか?

A.難しい問題ですね。情報の信頼性はカギになると思っています。

など、活発な質問が寄せられました。

いよいよ公開番組「なれそめ」の現場に突入!

公開収録の前日には、ホールでの舞台のセッティングや収録のための技術の準備があります。学生さんたちには、首都圏局の技術職員が中継車の中を見せて案内し、放送システムを説明しました。みなさんは、放送を出すために多くのスタッフがそれぞれの専門能力を生かして協力して番組を作っていることに驚いていました。

テレビ中継車の見学

収録当日のリハーサルも

当日は、本番前のカメラリハーサルにも参加。フロアディレクターに交じって、4人の学生が、出演者の代役としてカメラリハーサルを体験してもらいました。 

リハーサル体験

そしていよいよ本番収録ですが、その前のいわゆる「前説」にも挑戦!学生2人が、本番前の会場のお客さんを、軽妙なトークで会場を盛り上げてくれました。2人ともとても緊張していましたが、その度胸の良さに感服しました。

本番を客席で公開収録の模様を観覧。ステージには、MCの田村淳さん、今回のゲストのryuchellさん、シャラ ラジマさんが登場。そして、ITテクノロジーのイベントで多数のプレゼンテーションを行い高い評価を得ている澤円さんと、造形作家の澤奈緒さんというご夫婦のなれそめについて約1時間10分の収録となりました。

収録終了後は出演者・ゲストのみなさんとステージセットで記念写真をパチリ。出演者のみなさんの快い対応に、学生の皆さんも喜んでいる様子でした

放送後は、担当ディレクターとガチトーク

番組を担当した伊藤ディレクター

収録した番組は、11月26日に放送しました。学生の皆さんには、実際に自分たちが関わった番組を見てどう感じたかを聞くため、放送後に、この放送回を担当したディレクターとともに、ゼミの時間に訪問してお話をききました。

番組の収録と放送された番組を見てどう思いました?

収録のときより、放送を見た方がわかりやすく完成度が高かった。

番組になるとテンポが良くなって、番組になった方が引き込まれる内容になっていた。

収録の時は長かったなあと感じたのが、30分になって見やすくなっていた。少し重たいテーマだったのを楽に見ることができた。

番組はテロップや音楽があって見やすかった。

公開収録の参加感はあまりなかった。

テレビを見ていない時は何を見ていますか?

ディズニープラスなど配信をみている。バラエティをよく見る。

朝ドラは見ている。出演者に推しがいるから。

「NHKはニュースとチコちゃんを見ている」という意見から、「よるドラ見てます。朝ドラ毎日録画して見てる。スポーツ中継も。習慣化している。」というヘビーユーザーがいたり「平日はあまりテレビ見ない。ドキュメンタリーを見ている。NHKの方がドキュメンタリー面白い。」という意見もいただきました。

テレビに対するイメージは?

最近コンプライアンスが厳しくなって制作者が苦労している感じがする

最近トーク番組増えてきている。長いと飽きてしまう

TverはSNSで話題のものを見ている

NHKの同時・見逃し配信、NHKプラスを使っている人は残念ながらいませんでした…。(ぜひ使ってみてください!) NHKプラスへ 

どうしたら番組を見てもらえますか?

なれそめがツイッターのトレンドに上がっていない。若者に影響できる人が出ていない。

キャスティング重視で見てます。

見たことない番組でもキャスティングで見る学生が多数を占めました。「超多様性という割に、もっとキャスティングが攻めても良かったんでは」という意見もありました。

学生からの意見を聞いた伊藤Dは、「直接若い人から番組の批評を聞く機会はとても貴重で、ありがたかったです。特に、番組の中身は関係なく、キャスティング重視で視聴する人がこんなにいるということに驚きました。」と言っていました。

大学生とNHKの距離は

最後に、今回の公開番組の舞台裏を見学した感想を聞いたところ、
「(放送業界は)おもしろいなと思った。厳しい環境の中でやっていることが分かった。」
「いろいろな規制やライバルがでてくるなかでがんばっているんだと感じた」
「現場で見て、おもしろそうだな。自分はなれないだろうと思っていたが、自分もやれるんではないかと感じた」などの声をいただきました。

今回、大学生のみなさんに公開番組の裏側を体験してもらい、感じたことは2つ。ひとつは我々が考えているテレビの作り方がNHKと大学生の距離はそれほど遠いものではないということ。ふたつ目は、大学生の皆さんが、どんな風に番組を作っているか知らないということと、それに興味があるということがわかりました。ということは、テレビ離れというのは、ちょっとしたズレで、うまく接していないだけで、そこがマッチすれば大学生に興味を持ってもらえる可能性がある。ただ、それには日々若い人たちの意見に接していることが大事なんだとあらためて感じました。

帝京大学のみなさん 田所准教授とゼミ生のみなさんご協力ありがとうございました。

帝京大学八王子キャンパスの中庭
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