2018年09月14日 (金)時代考証【三上 弥】


こんにちは! 三上弥(みかみ・わたる)です。

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富士山は9月11日から早くも「冬ごもり」です。

登山道や山小屋が閉鎖されました。

とはいえ、この時期も、
麓の富士宮市では、富士山からの水が湧いていて、
美しいひとコマを撮影することができます。

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三上弥の「現場のことば」、2回目のテーマは「時代考証」です。

◆時代考証といえば・・・◆

時代考証」というのは、
ドラマや時代劇といった番組や映画、演劇で設定している時代に、
衣装や調度、風俗・風習が合っているかどうかを検証することです。
すでに歴史となっている時代について調べることが多いという印象があります。

たとえば、日本の明治時代の設定で、街に地下鉄があったらおかしいし、
いまの国会議事堂の建物が描かれた絵はがきが、大正時代を舞台にした作品に出てきたら、
その時代には存在しなかったので差し替えることが必要になるといった具合です。

江戸時代よりも前であれば、幕末のごくわずかな例を除いて、
映像はおろか写真も存在しないわけですから、
時代考証の専門家の知識や判断力は並大抵の努力で蓄積できるものではないでしょう。


◆平成の時代考証◆

この記事が公開される時点で、
「平成」という時代は、31年4月30日まで続くことがすでに発表されています。
「平成」が始まったのは元年1月8日です。
前の天皇、つまり昭和天皇の崩御は、昭和64年1月7日でした。
西暦でいうと、「平成」は「1989年1月8日から2019年4月30日まで」ということになります。

次の元号に変わるまで、あと半年あまりです。
映像メディア、活字メディア、ネットの世界でも、「平成」を振り返る内容が増え始めています。
ここ30年のことなので、同時代を生きている人も少なくありません。
でもただ、知っているようで曖昧な部分もあるのが実情で、
「平成」の時代考証をしてみると、どの分野でもなかなか容易ではありません。

分かりやすいところでいいますと、
平成の初め、携帯電話はすでに存在していたものの、
道行く人たちがふつうに持っているものではありませんでした。
かなり高価というイメージです。
駅をはじめとした公共の場には公衆電話がごく当たり前に存在し、
時には列をなして使っていました。

文書を作成するとき、ワープロ専用機からパソコンに変えたのも、
20年前後前という人が多いかと思います。

仕事の呼び出しや、メッセージ交換のため、ポケットベルを使っていた人もいるでしょう。
限られた文字数で意思を伝えるポケベルは、すでに懐かしいものになりました。

インターネットやメールも、いまではあって当たり前の存在です。
でも、平成ひと桁の時代は、当たり前の存在ではありませんでした。
放送で使うデータを調べるときは、当事者に電話で確認して、
該当する部分をFAXや郵便で送ってもらったり、
当事者のもとに出向いたりするという時代でした。
ITの時代になって、情報を確認するために必要な時間は短縮されています。


◆時代考証・・・イメージと実際◆

平成を振り返るときには、「バブル景気」とか「バブルの時代」もよく出てきます。
景気動向指数上、バブル景気の期間は、
昭和61(1986)年12月から平成3(1991)年2月までの51か月間です。

バブルの時代を振り返るとき、
派手な格好をして、
羽根がついた扇子を振っている若者が踊っているディスコの映像がよく出てきます。

ただし、「ジュリ扇(せん)」などで知られる
東京・港区芝浦にあった特に有名なディスコは平成3年5月にオープンしたので、
「このディスコ」の映像や写真をバブル絶頂期のイメージとして使うと誤りになるので
注意が必要です。

バブルの時代の象徴としてディスコの映像や写真を使うのはすべて間違いというのではなく、
使う場合は、
昭和61(1986)年12月から平成3(1991)年2月までの間に存在していたディスコの映像か
どうか確認することが欠かせないということです。

こうした事例も、「時代考証」の一例と言えるでしょう。

数十年前という過去は生きていた人も多いゆえ、
イメージが先行して残っている場合があります。
年表や事実関係を丹念に確認すれば、前後関係は明らかになって、
ああなるほどと感じることも少なくありません。


◆身の回りの時代考証・・・会話の弾みに◆

メディアだけでなく、高年齢層の間で流行している「自分史」も含め、
それぞれの立場で平成を振り返ることがあろうかと思います。

昭和は遠くになりにけり。
平成の「時代考証」をしながら思い出話をすると、家族や知人との会話が弾むかもしれません。

投稿者:三上 弥 | 投稿時間:15:00

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