2019年08月23日 (金)さよなら、吉田先輩 【早坂 隆信】


人の一生は回り道の連続である。
敷かれたレールの上は面白くない。
遠回りにこそ、
人生の味があると早坂は信じるものだ。

だから、
開高先生に寄り道したこと。
そうでなくても、
この文章が時期を完全に逸していること。
これもまた、そういうことなのである。

「偉くなるってどんな気持ちですか?」

6月、送別会に向かう道すがら早坂は尋ねた。

「嬉しさ半分、寂しさ半分かな・・・」

目を細めて先輩はつぶやいた。
3年前、東京からやってきた吉田さんは
夕方ニュース「たっぷり静岡」を
キャスターとして仕切り、
デスクとして横尾副部長を支えてきた。
先輩は現場のエースであり、
有能なサブリーダーでもあった。

特に横尾さんは、周りのイメージに反し、
ときどきテキトーなところがある。
吉田さんの細かな気づき、
気配りにはずいぶん助けられたものだ
(とご本人は語っている)。

早い出世は必然である。
そして出世は男の本懐である。
たいへんめでたいのである。

「しかし偉くなるのは、寂しいものなのか」

どうやら出世には、いろいろあるらしい。

生まれてこのかた一度も偉かったことのない早坂には
分りかねる。
目下、出世の糸口も兆候もないが、
もしかしたら、いつかわかるときが来るかもしれない。

その時が来たら、
目を細めて
「偉くなるって、寂しいものですね」
と先輩に伝える所存だ。

送別会で、先輩はみんなに惜しまれながら、
秋田へと送り出されていった。
回り道をぐるぐるしている身としては、
まっすぐ進んでいく人の背中はたいへんに眩しい。
追いかけるのはたいへんなので、
やはり見送るにとどめようと思う。
しかし、
その背中はたしかに、お手本として心に残るだろう。
いつか静岡を出るときには、
あんなふうに惜しまれつつ行きたい。


先輩、お疲れ様でした。



(追記)
先輩が残したブログ当番表を半年ぶりに見てみた。
一番上に「2019年度上半期」と書いてある。
下半期は白紙だ。
これはこれからどうなるのだろうか。

早坂も書くかもしれないし、書かないかもしれない。
このところの流れを見ると、
三上さんが月イチで更新することだけは、
間違いないように思われる。

おわり

投稿者:早坂 隆信 | 投稿時間:15:50

ページの一番上へ▲