
番組をご覧になった方々から、放送後たくさんの質問・メッセージが届きました。ありがとうございます。すべて斎藤さんにお届けしました。その中の一部の質問と、斎藤さんからの回答をご紹介します。(すべてをご紹介できず、申し訳ありません。)
どんな基準で大学を選びましたか?
臨床心理士に必要な資質は何ですか?
心理療法でつらいときに、どうしていますか?
企業として、何ができるでしょうか?
どんな基準で大学を選びましたか?テレビ拝見させていただきました。
私は今年受験生になり、夢は臨床心理士になることです。今回斉藤さんの活躍を見てとてもその気持ちが強くなりました! 私は今志望校を選ぶことに悩んでいます。
身近に心理系に行っている人もいないので、アドバイスがなかなかもらえなくて…。
良かったら、斉藤さんが大学を選んだときに何を基準にしたとかがあれば教えてもらえませんか?
よろしくお願いします。
(長野県 高校生 17歳 女性)

私は臨床心理士を目指していて大学の文系の心理学科に進学したいと考えています。
大学から大学院受験までに自分が本当に臨床心理士に向いているのかを確かめる機会はありましたか?
また大学の心理学系の学科に進学する時に、どの様なことを判断基準にして大学を選んだのか教えて下さい。
(兵庫県 高校生 17歳 女性)

こんにちは。ご質問ありがとうございます。心理士を目指す若い方のメッセージ、嬉しかったです。大学受験のときには、大学一覧を見ても内部の様子はよくわからず、大体心理学科で何を勉強するのかもよくわからなかったので、私も選択に迷いました。私自身の経験では、学校の先生や予備校の先生に相談して心理学科に入っている先輩を紹介してもらい話を聞いたり、学科は違っても志望校に通っている方に校風を聞いたりしました。
最終的には「少人数でなるべくじっくり勉強ができそうなところ」「臨床心理学の先生が複数いて、かつ臨床心理学以外の心理学(認知心理や社会心理など)も幅広く学べるところ」を基準に選びました。臨床心理学に関しては大学院でたっぷり勉強しますので、学部でさまざまな領域の勉強ができた経験は有益だったと思っています。
また臨床心理士に向いているかどうかは…今もわかりません。正直なところ、番組内でのカンファレンスの体験でも「自分は向いていないのではないか」と悩みました。この問いに関しては、学生でも臨床心理士でも、若手でもベテランでも、常に迷いながら、その中でできることを探しながら勉強や仕事を続けていくのだろうなと思っています。逆に「私は絶対にカウンセラー向き!」と思っている方が危険なのではないかとも思います。

臨床心理士に必要な資質は何ですか?
こんにちは。番組毎回楽しく見ています。
今回、臨床心理士★の方で待ってました〜!!って感じでとっても嬉しかったです。
私自身、いま大学院生で、4月からM2です。これから、実習やら、修論やらとほんとに大詰めでどんより…っていう日がためにあります。クライエントさんも持つようになり、緊張の連続です。一言一言気をつけなければ、と思い対応しています。
斎藤さんの様子を拝見して、リフレッシュ方法をやはり見つけないと。。。と痛感しました。私は、なかなか趣味が見つからなく、どうしても家に帰ってきてからもクライエントのことを考えてしまい、オン・オフが付けられません。><。
これから、臨床心理士として働く際に、オン・オフをしっかりとしていかなくてはいけないと思っています。
斎藤さんは、資格試験を受けられない半年の間は、資格取得見込み者”として働いていたのでしょうか?
これから、いろいろな壁にぶつかることと思いますが、がんばっていことと思っていますが、自分に向いているのか自信がなくなってきました。
なので、臨床心理士に必要な、資質や気をつけることなどありましたら、伝授していただけるとありがたいです★
これからも斎藤さんのご活躍応援しています。
(千葉県 臨床心理士指定大学院生 23歳 女性)

こんにちは。大学院で日々もまれながら勉強していらっしゃるご様子ですね。私も院生時代の緊張の日々を思い出しながら懐かしく拝読いたしました。
“資格試験を受けられない時期”は、私は“資格取得見込み者”として、保健センターや小学校などで働いていました。
さて、臨床心理士に必要な資質や気をつけることについてもご質問をいただきました。私が仕事をする上で気をつけていることは、“いつもクライエント様に学ぶ姿勢を忘れないこと”“物事を決めつけず、臨機応変に発想を変えられる柔軟性を持つこと”“オフの時のリラックスや気分転換を上手にすること”などでしょうか。資質については私自身今でも「本当に向いているのか」自問自答しながら仕事をしています。ですから伝授など恐れ多くてできませんが、この自問自答を繰り返すことは大事ではないかとも思います。

心理療法でつらいときに、どうしていますか?
こんにちは。臨床心理士をめざして勉強を始めたばかりの時に、今回の放送を拝見しました。
番組でも苦い経験を話してくださいましたが、心理療法の最中につらく感じることもあると思います。
そんな時でも中立的な立場で対応しないといけないと思いますが、どうやったら揺らぐことなく臨床心理士としての自分を保つことができるでしょうか?
お体には気をつけて、お仕事がんばってください!
(徳島県 24歳 女性)

こんにちは。メッセージとご質問ありがとうございます。臨床心理士として仕事をしていても、クライエントさんとお話をする中で自分の感情が揺らぐことは多々あります。クライエントさんの体験と自分の体験が少なからず重なって当時の自分の感情が出てきてしまうことはありますし、(番組内の苦い経験の時の私がそうでしたが)面接がうまく進まないときに焦ったり戸惑ったりと、ネガティブな状態になることもなくはありません。
もちろんカウンセラーがあまり取り乱してしまってはクライエントさんが不安になってしまいますが、「中立的な立場にならなければ=自分の感じていることを押し殺さなければ」と無理してしまうと、冷静な(冷たく感じる)応答になりすぎてしまってクライエントさんと過剰に距離ができてしまうこともあってよくないのかなとも思います。
私自身は、まずは面接の最中やその後で自分の感情をチェックすること、それが自分のどのような体験に関することなのかを振り返ること、必要に応じてスーパーヴァイザーや職場の先輩に相談して自分自身の問題に目を向けることを心がけています。

企業として、何ができるでしょうか?
私は経営に近い立場で働かせていただき、多くの社員の責任を負っています。
おそらく斉藤様のところにも多くの社会人の人が悩みを相談に来ているかと思います。
臨床心理士という立場から、企業側に期待することは何でしょうか?企業側はそのような人たちのために何が出来るでしょうか?ご意見を聞かせていただければ幸いです。
最後になりましたが、番組内で働かれている姿はとても生き生きしていて、志を持っている人は美しいと感じました。
私自身が悩み相談させていただければ、私もより高い志を得ることが出来そうにも思えました。
今後ともお体にお気をつけて、益々のご活躍を願っております。
(東京都 会社員 37歳 男性)

ご意見ご質問ありがとうございます。昨今“鬱病”に関する認知度が高まるにつれ、その内実が多様なものになっているといわれています。相談の現場でも、鬱病の表面的な病状だけ見るのではなく、各自の年代やご性格、価値観、希望する働き方などを幅広く理解しながら、治療と社会復帰のバランスを取っていくことが必要だと痛感しています。
このような現状を踏まえた上で企業の方々に期待したいことは、“従業員の個性や多様な価値観を認めつつ、企業で働く妥協点を交渉していくこと”です。偉そうなことを申し上げて申し訳ありません。ただ鬱病の方や、その方が働く企業の方にお会いする中で、上記の交渉を繰り返し、妥協点を探しておられる方々の組み合わせが、最もいい具合に企業復帰を果たされているように思うのです(もちろんこれは、ご本人にその企業で働く希望があり、会社の態勢もある程度整っている場合によりますが)。
この交渉は鬱病のご本人にとっては病気との付き合い方を知りながらこれまでと違った働き方を模索する作業にもなりますし、企業側も手間や労力のかかる作業になるかと存じます。しかしこの交渉が粘り強く続けられることがこれまでと異なる新しい“人材育成”になりはしないでしょうか。そして鬱病はじめ多様な体験をされた方の個性や考えが、貴重な人材として企業に有益な財産となることを密かに願っております。