2015年09月30日 (水)

もし、子どもにLGBTだと告白されたら?

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「LGBT」という言葉、最近ニュースなどでよく聞きますよね。
「LGBT」とは同性を愛するレズビアンやゲイ、両方の性を愛するバイセクシュアル、体と心の性が一致しない性同一性障害など、トランスジェンダーの人たちなどを示す言葉です。
電通ダイバーシティ・ラボの最新調査では、LGBTに該当する人は13人に1人。クラスに2、3人いる計算になります。
こうした状況を受けて、最近、企業などでLGBTの人を受け入れる動きが広がっていますが、問題になっているのが最も身近な家族、特に親です。親は、子どもがLGBTであるという事実を簡単に受け止められないことが多いといいます。

<わが子の現実をどう受け止めるのか?>
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親はどうやって子どもの現実を受け入れられるようになっていくのか?都内に住む杉山元茂さんと、妻の麗子さんを取材しました。次女として産まれた文野さんは幼い頃から男の子の服装が大好き、女の子の服装をした写真はごくわずかしかありません。それでも母親の麗子さんは、「あくまでもボーイッシュ。大きくなって年頃になれば普通の女の子になる」と考えていたものの、文野さんは思春期になっても男の子のように振舞っていた。そしてある日突然、「自分は性同一性障害だと思う」と打ち明けられたのです。本人の希望通り男の子の恰好ばかりさせたことが悪かったのか、もっと女の子らしく育てることはできなかったのか。両親は自らを責めました。
「やっぱりまだなんとかなるのではないかとか、自分がいけなかったことだから治るのではないかとかそういう風に思っていました」(元茂さん)
「病院行ってカウンセリング受けたらいいんじゃないかとか考えました」(麗子さん)
そんな両親の気持ちを変えるキッカケになったのは、文野さんが「読んでほしい」と麗子さんに渡してきた本でした。そこには「性同一性障害は育て方や環境といった要素で起きるものではない」、「自らの性の違和感はどんなに頑張っても決して消えない」と書かれていました。
インターネットなどからも情報を集め、両親は少しずつわが子のありのままを受け止められるようになったといいます。カミングアウトを受けてから10年以上、今ではなんでも話しあえる関係です。
「私にとっては、別に杉山文野が男性だろうが女性だろうが、まったく関係ないから、文野がきちんとして生活して生きていってくれればいいのではないかと思ったときに悩み的なものは何もなくなりました」と麗子さんは語りました。

<カミングアウトは家族にとって「点」ではなく「線」>
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そして文野さんは今、当事者の立場でLGBTへの理解を広げるため全国で講演活動などを行っているほか、ことし3月に制定された渋谷区の同性パートナーシップ条例作りにも関わっています。
文野さんは、自らがカミングアウトした頃をこう振り返ります。
「カミングアウトは高校生のころ。毎日すごく悩んでいたし苦しかった。朝このまま目覚めなければとさえ思っていた。このまま自分を偽ってカミングアウトせず生きていくのか。それとも死ぬのかというところまで追い込まれていた。自分は前者を選んだ。母も最初は受け入れられず、カミングアウトのあと、しばらくは目を見て話してくれなかった。それでも、理解してもらおうと伝え続けた結果、ありのままの自分を受けとめてくれた。自分がいまこうしていられるのは家族のおかげだと思う。カミングアウトは点ではなく線だと思う。カミングアウトして終わりではなくそこからが始まり。家族にとってはカミングアウトされた時点からがスタート。結果的に自分はカミングアウトして救われたし、よかったと思う。一方で家族に受けいれられていない当事者がたくさんいるのも事実。子どもは親にありのままの自分を受け止めてもらえると生きていけるし、社会からの偏見や差別にも耐えていく強さをもらえる。ぜひそのことを知ってほしい」

<カミングアウトを受けた親を心理面でどう支えるか?>
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カミングアウトが家族にとってのスタートラインだとわかっていても、実際にわが子からカミングアウトを受けた親たちの中には、葛藤や戸惑いを抱えながら孤立する人たちも少なくありません。こうした親を支えようという取り組みも広がり始めています。愛媛県松山市で取材しました。

自らゲイとカミングアウトし講演などを行うエディさんは、3年前、LGBTの子を持つ親の会を立ち上げ、父親に参加してもらっています。
「私たち当事者である子供たちは居場所を見つけていけるだろうけれど、親たちは取り残されていってしまう。やっぱり親は親同士で話し合える場所を、相談できる場所や悩みを共有できる場所を作って行かないといけないだろうと考えました」と、エディさんは親の会を立ち上げた理由を語ります。
この会では、LGBTの子供を持つ親たちが定期的に集まって、悩みなどを話しあっています。

「だれにでも話せることじゃないしそれだったらみんなが同じ思いをしているお母さん方、お父さん方やったら聞いてもらえるだけで気持ちが楽になったのをものすごく最初に感じましたね」(性同一性障害の子を持つ母親)
「こういう場があったから子どもと正面向き合えました。そうじゃなかったら正面を向いて話すのがすごく難しかったと思う」(ゲイの息子を持つ母親)
親の話し合いが終わると、子どもも加わり全員で食事します。こうすることで横のつながりを作る場にもなっています。
「ひとりで悩む親にもっとできることはないか」、エディさんたちはいま、カミングアウトを受けた親たちに向けた冊子を作っています。LGBTに関する基礎知識や親が抱きがちな悩みへのアドバイスカミングアウトを受けた親たちの手記も盛り込みました。
「1つでも悩みが解決し、親御さんの方向性がみいださればいいかなと
1人でも2人でもいいから明るくなって欲しいです。自分ひとりじゃないんだと、何回もきている親御さんたちの表情が徐々にやわらかくなっていく様子や、また親御さんによっては子どもさんも一緒に連れてきて子どもさんをまた仲間たちと引き合わせていこうというようなこの場をキッカケにいろんな変化が、起き始めているのかなと思います」とエディさんは語りました。

投稿者:シブ5時 スタッフ | 投稿時間:18:00


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