選挙のギモン

選挙のギモン

選挙について、わからないことや聞いてみたいことはありませんか? NHKでは、「選挙のギモン」を募集しています。多く寄せられた質問や、関心の高い内容について、回答を紹介いたします。

わたしの「選挙のギモン」

県議選の告示日から投票日までの間(今回3月31日告示・4月9日投票)、市議選の候補は(今回4月16日告示・4月23日投票)は街頭での政治活動は行えないのでしょうか?県議選の期間中、急に静かになったように思ったので、質問です。

まず、「政治活動」と「選挙運動」の違いについて説明します。総務省によりますと、「政治活動」は、政治上の目的をもって行われるいっさいの活動とされています。たとえば、所属する政党の政策や方針を演説会などで訴えたり、党勢の拡大のための活動をしたりすることは政治活動の範囲内です。一方、「選挙運動」は、特定の選挙で特定の候補者を当選させることを目的に投票行為を勧めることとされています。
「選挙運動」を行うことができる期間について、公職選挙法第129条に、公示や告示日に立候補の届け出をしてから投票日前日までに限って行うことができると定められています。逆に、それ以外の期間、たとえば立候補の届け出前に行う「選挙運動」は事前運動とみなされ禁止されています。このため、公示や告示日までの間は、候補者は個人名が記されたたすきを掛けたり、自身への投票を呼びかけたりすることはできません。
そして今回のご質問のケースですが、市議会議員選挙が告示されていなければ、選挙期間外となりますので、もちろん「選挙運動」はできません。できる活動は「政治活動」に限られます。しかし、選挙期間が始まると、「政治活動」もすべてが認められているわけではありません。公職選挙法第201条では、選挙期間となっている地域では、政党や政治団体が行う「政治活動」も選挙の種類によって一定の活動が規制されると記されています。
ただし、現在行われている統一地方選挙では、知事選挙、市区長選挙、道府県議会の議員選挙、政令指定都市の市議会議員選挙の場合、一定数以上の候補者がいる場合など、要件を満たす政党や政治団体は、確認団体として認められ、選挙期間中でも一定の範囲内で「政治活動」を行うことができます。
一方、総務省によりますと、町村長選挙、それに、政令指定都市以外の市議会議員選挙、区議会議員選挙、町村議会議員選挙では確認団体の制度はないということです。

2023年4月17日掲載

投票所に子どもと一緒に行っても、投票用紙を子どもに投票箱に入れさせることができず、立会人に注意されている親子を見ました。どうして、子どもが入れてはいけないのでしょうか?

投票所に出入りできる人については、公職選挙法第58条に記載があります。選挙人(投票する人)や投票所の事務に従事する人、警察官などでなければ投票所に入ることはできないと定められています。
総務省によりますと、この規定はそもそも、第三者が投票所に出入りすることによって、選挙人に心理的な圧迫が加えられるおそれがあることや、投票の秘密の保持、また投票所の秩序の維持などの観点から設けられたものだということです。
ただ第2項で、子連れで投票所に入ることが認められています。この規定に関しては、かつては、幼児だけが認められていました。ただ、こうした規定を知らずに投票所に行って、入ることを断られるケースがあり、見直しを求める声が出たことを受けて、平成28年に公職選挙法の改正が行われました。これによって同伴できる子どもが、18歳未満の児童や生徒などに拡大されました。総務省は「保護者などが実際に投票している姿を子どもに見せることで、早い段階から一票の大切さを学んでもらうほか、選挙になじみを持ってもらうことが目的だ」としています。
ただ、総務省によりますと、公職選挙法の第46条で「選挙人は投票所で、投票用紙に自書して、これを投票箱にいれなければならない」と規定されていることから、子どもが代わりに投票用紙を投票箱に入れることはできないとされているということです。

2023年4月17日掲載

電子投票やインターネット投票の整備を行って欲しい。投票券を持って投票所にいく仕組みでは投票率は上がらない。公職選挙法を見直す必要があるのではないか。

パソコンやスマートフォンを使ったインターネット投票の実現に向けては、平成29年に総務省がネット投票の課題を検討する有識者研究会を立ち上げました。報告書では、本人確認をマイナンバーカードで行うことを前提に、海外で暮らす日本人が国政選挙で投票する「在外投票」でネット投票の導入は可能だとされました。

ただ、導入には課題が多いのが現状です。総務省によると、立会人のような第三者がいないところでも投票できることになるため、「誰にも強制されず、自由な意思で投票する」という選挙の根幹に関わることが担保できないことに加え、全ての国民がアクセスすることを想定したシステムを安定的に運用するのは難しいのではないかという指摘があるそうです。

課題はあるものの、いま、茨城県つくば市がネット投票の実現を目指しています。国家戦略特区の「スーパーシティ」に指定されているつくば市は、模擬投票などの実証実験を行っていて、来年には市長選挙と市議会議員選挙で実現にこぎつけたいとのことです。

また、投票所に設置された端末を使って投票する電子投票は、20年ほど前、地方自治体が条例で定めれば地方選挙で導入できるようになりました。これまでに全国10の自治体の首長選挙や議員選挙で電子投票が行われましたが、平成15年の岐阜県可児市の市議会議員選挙で、機器の不具合で選挙をやり直す事態になるなど、トラブルが相次ぎ、平成28年を最後に電子投票は行われていません。

2023年4月4日掲載

以前は、自宅に配達される新聞といっしょに選挙公報が届いたので読むことが出来たが、読むことができない。選挙公報はどこで入手できるのか。ネットなどで読むことはできないのか。

選挙公報は、告示や公示の日に各候補者が立候補を届け出る際に、選挙管理委員会に提出します。そのあと、選挙区内の世帯の郵便受けなどに配られます。自治体によっては、役所の庁舎や図書館などといった公共施設で見ることができるほか、インターネット上に掲載されるところもあります。自治体の選挙管理委員会にお問い合わせください。

2023年4月4日掲載

白票は投票率に加算されるのか。

投票用紙になにも書かれていない白票は、公職選挙法第68条第1項により、どの候補者を記載したのか、確認し難いものに分類され、無効投票となります。「棄権」とは異なり、投票率にはカウントされます。

2023年4月4日掲載

多くの自治体で投票時間が繰り上げられているが、公職選挙法違反ではないか。へき地など、特別な事情がない場合でも繰り上げているところがある。改善できないか。

公職選挙法第40条で投票時間は、午前7時から午後8時までと定められています。ただし、「投票に支障を来さない範囲で特別の事情のある場合に限り、4時間以内で投票終了時刻の繰り上げが可能」とも定められています。
各選挙管理委員会の判断で時間を繰り上げる自治体が増えていて、総務省によると「期日前投票の定着や夜間の投票者の少なさを公選法の『特別の事情』に挙げる自治体が多い。法律上は問題ない」としています。

ただ総務省は、去年の参議院選挙で投票時間を繰り上げた投票所は38%にのぼったことなどから、投票機会を確保する重要性を強調し、繰り上げをする場合は、慎重に検討するよう要請しています。

2023年4月4日掲載