仙台市青葉区の「芭蕉の辻(ばしょうのつじ)」には、どうして竜がいるの?

今回のみやぎUP-DATEは新年1回目!
2024年の干支「辰」にちなんでこちらの投稿にお応えします!

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「芭蕉の辻(ばしょうのつじ)」の場所はこちら。

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仙台市の中心部、国分町通と大町通りが交差する十字路が「芭蕉の辻」。
仙台城下の町割りはここから始まったと言われている、歴史ある場所です。
どこに竜がいるのか、さっそく調査してきました!


竜に会いに行こう!

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安藤さん
「芭蕉の辻にやって来ました。
ありました、こちらですね!竜があります。」

芭蕉の辻・北西の角に竜の彫像がありました。

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この石碑は、昭和40年代にこのビルが建設されるにあたり、記念碑として建てられたそうです。
しかし、なぜ竜が乗っているかなどの詳しい資料は残されていないそう。

そこでじっくり観察して見ると…

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安藤さん
「私、発見しました!
こちら昔の仙台の町並みのようなんですが、これ竜じゃないですかね?
しかも全部、この屋根の上にありますよね。
ということは、仙台の昔の町並みにヒントがあるんじゃないでしょうか。」


昔の町並みをたどってみると…

東北歴史博物館に、明治時代の「芭蕉の辻」を描いた錦絵がありました。
四隅には一際大きな屋根の建物が。

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通りには多くの商店が立ち並び、当時の経済の中心地だったことが伺えます。
そして屋根の上には、石碑のものとそっくりな竜の飾りがありました。

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さらに、明治の末ごろに撮影された写真にも竜の飾りが。

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様々な資料から、江戸時代後期には芭蕉の辻に竜が飾られていたことが分かっています。
しかし、この竜にはどんな意味があるのでしょうか?


詳しい人に聞いてみよう!

東北の建築史やデザインに詳しい、東北工業大学の大沼 正寛教授にお話しを伺いました。

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安藤さん
「芭蕉の辻にあった屋根の上の竜。これにはどんな意味があるのですか?」
大沼教授
「もともと屋根の上にですね、『水』とかあるいは『魚』とかそういったものをモチーフにしたさまざまな彫刻類が乗ることが多いんですね。
これは基本的には『防火』という意味がありますので、『シャチホコ』とかああいったものもそのひとつですよね。」

屋根の上ではありませんが、神社や仏閣などで見られる「懸魚(げぎょ)」という飾りも魚がモチーフになっており、防火の願いが込められているそうです。

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大沼教授
「一方、魔よけといいますか、災厄を逃れるために家に来ないようにということで、例えば『鬼瓦』というのがありますよね。
鬼によって悪い何か気を追い払ってもらうという意味を込めるというのが多いです。
水と魚と鬼と、そういったものから連想すると、『竜』というのは最も象徴的な存在なのかなと思います。」

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大沼教授
「芭蕉の辻という最も重要な要所ですね。
大町というメインストリート、これは城から東へ伸びる道。
そして南北を貫く奥州街道、これが交わる地点ですから、そこの四隅の場所は非常に重要なランドマークとなる場所になりますので、竜が見守るようなやぐらを目印にして建てたと考えていいと思います。」


かつての「芭蕉の辻」が見られる?

実は現地に行くと“当時の芭蕉の辻の様子”を見ることができます。
記念碑のそばにあるQRコードをスマートフォンなどで読み込むと…

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このように、藩政時代の芭蕉の辻を見ることができるんです!
近くに立ち寄った際は、当時の町並みを見てみてはいかがでしょう?


安藤のひとこと。

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安藤さん
「かつて屋根の上にあった竜。
こちらは人々が町の安全や繁栄を願って飾っていたものでした。
芭蕉の辻の風景自体はどんどん変わっていますが、竜に込められた“町を思う気持ち”は今も人々の心に根強く受け継がれているんじゃないかなと思います。」





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