宮城のお米"ひとめぼれ"は、いつ・どうやってできたの?

今回のみやぎUP-DATEでは、こちらの投稿にお応えします!

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ひとめぼれは、宮城県で開発されたブランド米です。

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今回投稿してくれたのは、9歳の木村 楓さん。
おうちでも学校給食でも食べているおいしいひとめぼれが、一体どうやってできたんだろうと思い、疑問を寄せてくれたそうです。

こちらは、県内の米の品種ごとの作付け面積の変化をグラフにしたものです。

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平成3年に作付けが始まり、今や7割を越えています。
県内で一番作られているお米ということが分かります。


詳しい人を訪ねてみた!

向かったのは、大崎市の古川農業試験場です。
ここでお米の研究をしている佐々木 都彦(くにひこ)さんにお話を伺いました。

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佐々木さん
「ひとめぼれは、ここ古川農業試験場で生まれました。」

ここでは米や大豆、麦などの品質向上を目指し、日々様々な研究が行われています。


ここでクイズ!

さて、突然ですがクイズです!

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品種改良の実験場であるこちらの田んぼでは、何種類の稲が栽培されているでしょうか?





正解は…





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佐々木さん
「育種の種類としては、大体5000種類くらいの苗が植えてあります。
その育成状況なんかを常々観察して、どれがいいかなというのを記録しています。」

なんと5000種類
実際に栽培してみないと品質の良し悪しが分からない為、これくらいの数が必要なんだそうです。
ひとめぼれも、開発された当初はこの5000種の1つに過ぎなかったといいます。

当時冷害に強いとされていたコシヒカリと、味がいいとされる初星をかけ合わせて開発されました。


ひとめぼれは、強さもおいしさも兼ね備えたお米だったんですね!


第2問!

品種として世に出るには、この試験場で10年にわたり試験を受ける必要があります。
その間、必ず通らなければならない“あるテスト”があります。

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交配後、4年目から実施されるこのテストでは、何を調べているのでしょうか?





正解は…





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「耐冷性検査」でした!
冷害に弱い品種は実をつけないという19度という低い水温で、稲が実るか調べています。
このテストでひとめぼれは、当時主力品種だったササニシキと比べて2倍以上の収穫があり、見事合格しました。


ここまで来たらあと一歩!
最後の関門は「食味検査」です。

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香りや粘りなどが、ササニシキや、親となったコシヒカリよりも優れていると評価されました。
こうして、何万という稲の中から10年かけて選びぬかれて、ひとめぼれが誕生したのです。


どうして栽培が広がったの?

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きっかけは、平成5年に起きた記録的な冷害でした。
この年は宮城県でも従来の4割以下のお米しか収穫できませんでした。
そのため、それまで主力だったササニシキに変わり、冷害に強いひとめぼれに注目が集まったのだそうです。

それ以降、宮城を代表するお米として栽培され続けたひとめぼれ。
今年も無事に収穫の時期を迎えました。

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大崎市の米農家・渡邉 正彦さんは、「ひとめぼれは、寒さや病気に強く助かります」と話していました。


安藤のひとこと。

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安藤さん
「私たちがいつも当たり前のように食べているお米なんですが、研究する方々や農家の方々が色んな困難を乗り越えて開発してきたものだと思いますので、知れば知るほど味わい深く、そしてありがたく、今年もいただけるかなと思います。」


おまけ

今回の調査結果を楓さんに伝えたところ、こんな写真を送ってくれました。

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ひとめぼれを食べてにっこりの楓さんです。
「いつもよりもおいしく感じました」とのことでした♪


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