定義山の油揚げ、どうしてあんなに分厚いの?

今回のみやぎUP-DATEでは、こちらの投稿にお応えします!

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定義山は、仙台駅から車で1時間半、大倉ダムの近くにあります。
確かに油揚げは有名ですが、なぜ厚いのかは聞いたことがないような…

定義山へ!

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ということで、さっそくあの油揚げを作っている豆腐店にやってきました!
豆腐の水分を抜いて、低音の油で15分、高温の油でさらに10分揚げたらできあがり♪

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安藤さん
「この分厚さがたまらないですね~」

揚げたての油揚げは、かじるとサクサクといい音が…
人気が出るのもわかります。
(安藤さん、幸せそうです…)


お店の人に聞いてみた!

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安藤さん
「油揚げ、なぜ分厚いんでしょうか?」
お店の方
「ごめんなさいね。この分厚い理由、わからないんです。」


先代が亡くなってしまい、お店の人でも理由はわからないんだそう…


近くのお寺へ!

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そこで、長年豆腐を精進料理に使っているという近くのお寺に聞いてみました。

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安藤さん
「なぜあんなに分厚いかご存じですか?」
住職さん
「分厚いのがなぜかっていうのは分かりません…」


せっかく1時間半もかけて来たのに、誰もわからないなんて…


ジャス隊、めげません!

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江戸時代の書物にヒントがあると聞いて、図書館に向かいました!
豆腐の珍しいレシピが100種類も載っている「豆腐百珍」を、今回特別に見せていただきました。

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その中に「あげとうふ」の文字がありました。これが「油揚げ」のことです。
「厚揚げ」も「油揚げ」と同じように豆腐を揚げますが、厚揚げは水分量が多く消費期限が短いのに対し、2度揚げする油揚げは、より保存がきく食品として重宝されたんです。


ある仮説が!

宮城県の食文化に詳しい佐藤 敏悦さんにお話を伺いました。

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佐藤さん
「昭和30年代後半から40年代に、定義山の本格的な観光開発が始まりました。
定義山の夏祭りにはたくさんの観光客が訪れたので、何か名物をつくろうということになったんです。」

白羽の矢が立ったのは、当時豆腐店で作っていた厚揚げ。
しかし厚揚げは中が生の豆腐なので夏場はすぐに痛んでしまいます。
そこで2度揚げして長持ちさせようとしたのではないか、というのが佐藤さんの仮説です。

佐藤さん
「熱々の油揚げをその場で食べていただくような工夫をすれば名物になるかもしれない、というので考案して作り出した。というのは、筋道としては考えられるのかなと思います。」


理由を突き止めることはできませんでしたが、その地域の時代背景からを踏まえた仮設に、うなずきました…


県内の他の地域にも「個性的な油揚げ」が!

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調べてみたところ、今回紹介した定義山の他にも蔵王町にも分厚い油揚げがありました!
さらに登米市では平らで大きい油揚げがあったり、涌谷町にはとても小さい三角形の油揚げがありました。
佐藤さんいわく、「時代を経て地域ごとに厚さや形も変わっていった」とのこと。


安藤のひとこと。

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安藤さん
「油揚げ一つとっても、その厚み一つとっても地域ごとに色んな種類があることが分かりました。
そしてその理由を紐解いていくと、色んな地域の歴史なり物語なりが分かるということを感じましたので、ぜひ皆さんも自分の町のローカルフードを調べていただくと面白いんじゃないかなと思います。」


編集後記

お豆腐一つとっても、こんなにたくさんのレシピが、こんな時代からあるんだ!ということがとても驚きでした。
定義山の油揚げの正確な歴史を知ることができなかったのは残念ですが、たくさんの資料を集めて推測していくのもなんだかわくわくするなと思いました。
でもやっぱり真相は分からないままなので、文章や写真などで歴史を残しておくことの大事さも感じました。




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