増え続けている"無人駅" 活用する方法はないの?

今回のみやぎUP-DATEでは、こちらの投稿にお応えします!

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県内でも少しずつ増えている「無人駅」
なじみのある駅が無人化してしまうと寂しいですよね。
投稿者の方も、「駅が無人化することで、駅舎だけでなく、その周辺も寂しくなっていくのではないか」と心配されていました。


無人駅ってどれくらいあるの?

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調査したところ、県内183駅のうち84駅、つまり半数近くが無人駅でした。
無人化は全国的にも進んでいて、2001年度から2019年度の間で約440もの駅が無人になっています。


無人駅の問題は?

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駅が無人化すると、人がいなくなって寂しいだけではありません。
・遅延や運休の情報を伝える人がいなくなってしまい、情報が届かない
・管理できなくなってしまうため、駅舎のトイレが閉鎖されてしまう
・障害者の乗降の介助をする人がいなくなってしまう
など、実は様々な問題につながるんです。


ヒントを探して県外へ!

調査を進めていると、岩手県に「人が集まる無人駅」があるという情報が!
さっそく、隊員が現地に行ってきました!

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向かったのは岩手県盛岡市!
JR山田線の上米内駅です。

1日に数本しか電車が来ない「無人駅」なんですが、ある取り組みによって毎日賑わっているそうなんです。

それは…

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駅舎をリノベーションした、工房&カフェ

岩手県は漆の生産が日本一で、上米内もその生産地の一つなんです。
そこで、漆の生産に取り組む団体がJRと協力し、4年前に駅舎運営に取り組み始めました。
特産の漆を活用して、人口減少が続く地域を活気づけようとしたそうです。

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この上米内駅の待合室では、ウルシノキの種を使ったウルシ茶が飲めたり、漆職人の実演が見られたりするんです!
さらに、地元の野菜の直売や、地元のかた手づくりのアクセサリー販売など、駅舎利用の動きが広がっていて、今では1日に20人くらいが訪れる人気スポットなんだそうです。

運営をしている、次世代漆協会・細越 確太さんは

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細越さん
「駅というのは地域にとってやっぱり大事なランドマークのような要素を持っていると思うんです。
漆というのを、ちょっと関心を持っていただくことで、人の流れが起きることが地域の活性につながるんじゃないかなと。
ちょっと外出して、ちょっとコーヒー飲んで、おうちに帰れる場所。そういった場所が地域にあるということが大事じゃないかなと思います。」

と話していました。


そんなに自由に活用できるものなの?

細越さんたちが4年前に始めたプロジェクトは、もともとJR東日本が地域の人に無人駅を活用してもらおうと行っているもので、クラウドファンディングなどで改装資金を集めたそうです。

JR東日本にも聞いたところ、

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「小さなことでも、住民の方から駅の利活用について相談があれば、ぜひお聞きしたいです。」

と前向きなコメントをいただきました。
野菜の直売所など、小さなこと・手軽に始められそうなことでも大丈夫だそうです。


無人駅ならではの利点も!

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交通経済に詳しい、関西大学の宇都宮教授にもお話を聞いてみたところ
・多くの駅は地域の中心にあり、地域活性に重要
・無人駅は、地域が主体的に活用しやすい
と、無人駅ならではのメリットを教えてくれました。


安藤のひとこと。

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安藤さん
「無人駅になってしまうということは地域が寂しくなってしまうといいうイメージが強いんですけれど、何もないからこそ住民の方が自由にアイデアを出したり、特技を披露したり、そういった形で地域を活性化する色んな取り組みをすることができるのではないなと思います。
そして住民の方が自由に活用できるシステム作りも大事なのではないかなと思いました。」


編集後記

無人駅というとどうしても「寂しい」というイメージを持ってしまいますが、無人化したことでできた“空いたスペース”を、地域住民の方が自由に彩っていけるというのはとても素敵なことだと感じました。
またこういったスペースがあることで、遠方から来た人もその地域の人たちの暮らしや温かさを肌で感じられて、知らない土地でも安心できたり親しみを持ちやすくなったりするのではないかと思います。
その地域ならではのものを食べられたり、穴場のおすすめスポットを聞けたり、無人駅を“目的地”にして旅行してみるのも楽しそうですね。




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