丁寧になるほど回数が増える? 仙台弁『ござりす』を使う人はいるのか!
今回のみやぎUP-DATEでは、こちらの投稿にお応えします!
仙台弁シリーズです!
「ございます」という意味の「ござりす」、皆さんはご存じでしたか?
重ねて使っているのを聞いたことがある、という人は少なさそうですね。
(過去の仙台弁シリーズ「いずい」、「だから~」の回もぜひご覧ください!)
みんなは知ってる?インタビュー!
「ござりす」の認知度がどのくらいなのか、仙台駅前を歩いていた人たちに聞いてみました。
すると…
やはりなかなか使っている人はいないようですね…
しかし!
女性 「おばあちゃんが使っているのを聞きます。市場系の年配の人なら使っているかも。」 |
“使っている”という方はいなかったですが、大きなヒントを得られました!
ヒントを頼りに、仙台朝市へ!
朝市の方に、「ござりすを使っていそうな人」を紹介していただきました。
鮮魚店に勤める冨田 幸子さんです。
冨田さん 「言いますよ。しばらくでござりす~とか。」 |
今でも年配のお客さんには「ござりす」を使うとのこと。
しかし、複数回重ねて使うことはないそうです。
助けて専門家!
さらにヒントを得るため、仙台弁に詳しい武田 拓教授に聞いてみました。
武田教授 「ござりすは旧仙台藩の地域などで敬意を表す言葉。重ねることでより高い敬意を表す。」 |
しかし先生でも3回は聞いたことがないそうです。
あきらめきれず、どこなら使っている人がいそうか聞いてみました。
「塩竃ならいるかもしれない…」とのヒントをゲット!
いざ、塩釜へ!
先生におすすめされた塩釜へやってきました。
聞き込みを続けていると、ついに「ござりす」を重ねて使うという人を発見!
丹野さん 「重ねるけど、2回までだよ。 “んだっちゃね~“と言ってから”ござりすござりす“と続けるんです。」 |
もともと丹野さんのお母様から上の世代が使っていたそうで、それにつられて丹野さん自身も使うようになったのだそう。
しかし周りに使う人が減り、ご自身も最近は使わなくなってしまいました。
今回は特別に例文を作って話してくださいました!
会話にすると…
倉持隊員 「今日はいい天気ですね。」 |
丹野さん 「んだっちゃね~、ござりすござりす。」 |
おお!本物!
しかもこれ、新しい発見でもありました。
丹野さんが使っていた「ござりす」は、 “友人に使うような日常的に使う言葉”です。
この使い方は文献にも載っていない用例なんだそう。
どういうこと?
改めて武田先生にお聞きすると、
武田先生 「“ござりす”が単に繰り返された表現として定着したのではないか。」 |
と仰っていました。
これに似たものが「ほぼほぼ」など、意味の変化を伴わずに言葉を重ねる表現なんだそう。
必ずしも敬意を表すわけではない使い方もあるんですね。
今日のひとこと。
倉持隊員 |
編集後記
筆者は聞いたことがなかったのですが、また新たな地元の言葉を知って、その温かさを感じることができました。
故郷をまた少し好きになれた気がします。
その反面、調査をしても“年配の方が使っていた”という情報が多かったので、失われつつある言葉なのだなと、少し寂しくもあります。
こうして調査して、実際に生の言葉を聞けたこと、それを残せたことはとても良かったです。
もし3回重ねて使う人を知っているという方がいらっしゃれば、ぜひ番組まで情報をお寄せください!
(安藤さんがご都合によりお休みだったので、スタジオも倉持隊員でお送りしました。)
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