子どもたちの声を聴く ~座談会を開催して~

子どもたちの座談会の現場から

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「大人になって困ったこととか不安だったことがあれば教えてほしいです」

私たちは今回、学校に行っていない子どもたちとかつて不登校を経験した大人の皆さんにオンライン上で集まってもらい、当事者どうしの座談会を開きました。
上の質問は9歳の子から投げかけられたものです。

この質問をしたのは、特設サイト内の記事「不登校を受け入れる ある親子の選択」でも紹介した彩陽(あさひ)さん。
2月に取材させてもらった内容をまとめたこの記事の中で私は、タイトルにもあるように彩陽さんのことを「前向きに不登校を受け入れている子」と書きました。
しかし、座談会の中で彩陽さんの口からは「このまま学校に行かなかったらどうなるんだろう。今、こういう(不登校経験のある)大人とか年上の人がたくさんいるから聞けると思って」と、この場だからこそ表に出せる不安が吐露されました。

それに対してある大人の方から「大人になって困ったことや不安だったことはもちろんありました。でも、学校に行きたくなくてそれでも行かなきゃいけなかったあの日々より困ったことってなかったです」という声かけがありました。

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そして、それを聞いた彩陽さんからは「怖かったから、安心しました。」ということばを聞くことができました。

 

どうして「不安」を口にすることができたのだろう

私が2月に彩陽さんを直接取材する中で、こうした胸の内をすくい取って伝えることができませんでした。
今回の座談会で彩陽さんから素直に将来への不安や「安心しました」ということばが出てきたとき、取材をしてきた私としては正直、驚きを感じました。

なぜあの場で胸の内に抱えている気持ちやホッとした表情を見せてくれたのか。
それは、ふだん出会うことのない当事者の人どうしがつながることで、悩みや思いを共有できたからではないか、と思います。

今回、「思いのまま“不登校”を語るTV」では、その制作目的を「不登校を取り巻く課題や解決策を社会に伝えること」でなく、「当事者の子どもたちがつながり、少しでも孤立感や不安を解消して楽になってもらうこと」としました。

そして実際に座談会を開いてみて、私が聞けなかったことを話す彩陽さんの姿を見てちょっと悔しさを感じながらも、こうしたつながりの場の必要性と可能性を実感しました。

そんな子どもたちの座談会の様子を映した「思いのまま“不登校”を語るTV」ぜひご覧ください。

私たちNHKでは、「不登校」について思いのまま表現する場をこれからも作っていきたいと考えています。
放送を見ての感想や、学校に行きたくないモヤモヤした気持ちなど何でもかまいません。皆さまの声をぜひお寄せください。

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