学びとは?子育てとは?...生きるとは? ー番組から見えてくるものー

不登校番組への違和感から始まった

今までの不登校の番組は、本当に当事者のためになっているのかー
子どもたちの学ぶ環境を良くすること、 
      社会を少しでも良くすることにつながっているのかー

不登校の取材を続けて9か月。
番組ディレクターである私は、そんな疑問を常に感じていました。
「不登校」という言葉自体がマイナスイメージを連想させるように、
「不登校は問題行動だ」「特別な家庭の問題だ」と
自分が発信する番組からも、新たな偏見を生んでしまったり、誤った道筋を示してしまったり、当事者のみなさんをかえって追い込んでしまっているのではないかと…
日々疑問を感じていました。

以前私が制作した不登校の番組への反響にも、
「不安は解消しきれなかった」「現状の環境では結局どうしたらいいかわからない」と
悲痛の声が届きました。

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テレビが、不登校に苦しむ子どもたちの社会を変えることはできるのだろうかー
今の私に何ができるのだろうかー
そんな疑問を抱えながら、当事者の声を聞き、話し合いを重ねる中で立ち上がったのが「思いのまま不登校を語るTV」です。

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学校へ行けないことで辛さを抱えた親子どうしが出会い、つながる場を作りました。
子どもたちと、その保護者がそれぞれに座談会を開催。
不登校を経験した大人たちともつながり、思いのままに、日ごろ感じている思いや、伝えたい思いを語り合いました。

 

「自分はひとりじゃない」

私も座談会に参加し、当事者のみなさんの声を聞きました。

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3回でのべ8時間にわたる座談会の中で見えてきたものがあります。
それは、「つながる」ことの大切さです。
それぞれ不登校になった背景や事情は違っていても、同じ経験をした人どうしでつながり、みんなと気持ちを分かち合いたいという思いを持っている当事者のみなさん。
計8時間という時間が全然足りないほど、多くの声が聞こえてきました。
そして、つながり、思いを共有することで「悩んでいたのは自分ひとりじゃなかった」と孤独感が和らいでいく、そんな安心感の輪が、確かに広がっていく実感がありました。

 

私たちも「知る」ことで「考える」ことができる

そして、ふだんは聞こえてこない声を聞き、彼らの思いを知ることは、
私が想像していたよりもはるかに大きな気づきがありました。

子どもたちにとって「学び」って何だろう?
子どもを育てるって何だろう?
ひいては、生きることって何だろう?

座談会は、私自身がそんなことを考えさせられる時間でもありました。
そこから言えることは、不登校を経験していても、そうでなくても、
抱えている問題や悩みは同じなのかもしれない、ということです。
きっと、不登校を経験していなくても、同じように勉強のことや、子育てで悩んだり、自分の生き方で悩んだりすることは誰しもがあるはずです。
だからこそ、彼らの声をなかったものにせず、社会全体で、みんなで考えていきたいと思っています。
「思いのまま 不登校を語るTV」ぜひご覧ください。
番組HPはこちら

 

引き続き、NHKでは学校に行きづらい、行きたくない、どうしたらいいかわからない…
その思いを語り合い、つながれる場をつくっていきたいと考えています。
みなさまの声をぜひお寄せください。

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