特徴は?泉質は?『鳴子温泉の基礎知識』岩野吉樹アナが取材!

NHKでは、東北各地の温泉地を応援するプロジェクトを行っています。
純烈の皆さんが歌うキャンペーンソング「とうほくであったまろう」、もうお聞きいただけましたか?
(プロジェクトについて詳しくはこちら https://www.nhk.or.jp/sendai/tohokuonsen/

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でも、宮城県内の温泉って、どんな特徴や泉質なのか、ご存じですか?
そこで今回は「鳴子温泉のそもそも」を取材しました。

主な特徴を5つ挙げてみました。まずは一番上。

・5つの温泉地からなる “温泉郷”
・環境大臣の“お墨付き”!?
・日本国内 全10泉質のうち7つが集積
・多くの宿が“自家源泉”
・5つの温泉地 それぞれの特徴は?

一口に「鳴子温泉」といっても、実は「5つの温泉地からなる“温泉郷”」なんです。

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東から川渡温泉、東鳴子温泉、鳴子温泉、鬼首温泉、中山平温泉。これらを合わせて、
「鳴子温泉郷」とされています。この地域は、今の大崎市に合併される前の旧鳴子町にあたり、
もともと歴史的に結びつきが強いんです。

環境大臣指定!「国民保養温泉地」
・豊富な湧出量  ・効能の高さ 
・保養に適した温泉の街
☆全国約80か所 宮城県内では唯一

また、鳴子温泉郷は環境大臣から「国民保養温泉地」に指定されています。
温泉の湧出量や効能の高さ、温泉街などが評価された、いわば環境大臣お墨付きの温泉エリア!
全国3000ほどある温泉地の中でおよそ80か所。宮城県では鳴子だけが指定されています。

日本国内の泉質(日本温泉協会)
単純温泉  塩化物泉  炭酸水素塩泉  硫酸塩泉 二酸化炭素泉 
含鉄泉   酸性泉    含よう素泉   硫黄泉  放射能泉 

その温泉郷の大きな魅力は、様々な泉質が楽しめること。日本温泉協会による国内の泉質分類は10種類。
そのうち鳴子温泉郷では、赤字で示した7つの泉質が楽しめます。
これだけの種類を1つのエリアで楽しめる温泉地は、全国的にも珍しいそうです。

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では、なぜこれだけ泉質が豊富なのか。それは、温泉郷内のほとんどの施設が「自家源泉」、
つまり自分の施設専用の源泉を持っているからなんです。源泉の数はおよそ370あります。

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鳴子温泉郷観光協会の事務局長・菊地英文(きくち・ひでふみ)さんによると、
「同じ泉質とされるお湯でも、各源泉に少しずついろんな泉質が混じりあい、微妙な成分の差がある。透明だったり、濁っていたり、白、緑色と、表情は千差万別。温泉宿の数だけ泉質があると言っても過言ではない」そうです。そこで、5つの温泉地ごとの特徴も伺いました。

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  • まず川渡温泉は、主に炭酸水素塩泉。美肌の湯で、田園風景や温泉との風景美が魅力の温泉地です。また、古くから湯治場として利用されています。
  • 東鳴子温泉は、油のようなにおいが特徴的な玄人好みの湯。いまは外国人向けの湯治や、国と共に新たな湯治文化の発信にも力を入れ始めているそうです。
  • 鳴子温泉は、温泉街一帯に硫黄泉の香りが広がっていますが、旅館や入浴施設ごとに泉質が様々です。それは、こんなところにも。

鳴子温泉駅を降りるとすぐに足湯が。ここもすぐ近くの源泉からお湯を引いていて、かけ流しなんです。

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私も入ってみましたが、熱めのお湯で、入ると「おほぉ~」と声が出てしまいました。
でも、すぐに体があったまって、これだけでも温泉気分を満喫できました。
駅から5分程歩くと足湯がもう1か所。

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こちらは駅前よりも静かで、足湯に入りながら山並みを見ることもできました。
「露天風呂はちょっと苦手」という方でも、ここなら十分風景美と温泉を楽しめますよ。

各温泉の紹介に戻りましょう。

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  • 中山平温泉はアルカリ性が強く、「うなぎ湯」と呼ばれるぬるぬるとした独特のお湯。美肌効果抜群。女性人気も高いということです。
  • 鬼首温泉は旅館などの他、かんけつ泉、地獄谷、温泉の滝などに利用されています。お湯にクセが無く、夏のキャンプ、冬のスキーなどアウトドア施設もあるのでファミリーにおススメだそうです。

このように、一口に「鳴子温泉郷」といっても、これだけ特徴が違うんですね。

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観光協会の菊地さんは「狭い範囲でこれだけ多彩なお湯を楽しめるのが鳴子温泉郷の自慢。
ぜひ、湯めぐりをして自分に合う温泉を探してほしい!」と話していました。

豊富な泉質が自慢の鳴子温泉。ただ「温泉に行く」だけでなく、お気に入りのお湯を探す…
そんな「ここでしかできない」楽しみ方があると感じました。