自然写真界の最優秀賞!石巻出身 高砂淳二さん 岩野アナが聞く

今年、「自然写真界の世界最高峰」とされる写真賞
「Wildlife Photographer of the Year」の自然芸術部門で、
石巻市出身の自然写真家・高砂淳二さん(60)が最優秀賞を受賞しました。
その受賞作品が、こちら。 

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南米・ボリビアのウユニ塩湖で羽を休めるフラミンゴ。
その姿が一面の水鏡となった水面に映えています。
思わず息を飲んでしまうほど、美しい作品です。

高砂さんがウユニ塩湖を訪れたのは、このときが6回目。
この日、初めて風がピタッと止んだそうです。
人の気配に敏感なフラミンゴに遠くから少しずつ近づき、撮影。
「奇跡のような光景」と高砂さんはおっしゃっています。

その高砂さんが、今月13日、石巻市の環境フェアで講演。取材に行ってきました。

takasago221115_2.jpg自然写真家・高砂淳二さん(石巻市出身)

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高砂さんは、30年以上、自然写真家として海中から高地まで世界100か国以上を回って活動しています。

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ペンギンの楽園と言われる、南米のフォークランド諸島で
かわいらしく歩くジェンツーペンギンたちなど、
自然や生き物が見せる一瞬の表情を記録してきました。

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一方で、温暖化による厳しい現実も。

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カナダ・セントローレンス湾に浮かぶ流氷の上で
愛らしい表情を見せるタテゴトアザラシ。
この1週間ほど後、氷が融け、死んでしまったようだといいます。

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こちらは、カナダで撮影したホッキョクグマの親子。
高砂さんには、餌にありつくのにも苦労している様子に見えたそうです。

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美しい一瞬の裏で、自然環境は深刻さを増している。
高砂さんは、写真を通して訴えています。

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13日に石巻市で開かれた講演では
「温暖化で生き物たちの住む場所が変わっている。そのバランスを崩したのは人間」
「プラスチックごみは2050年には魚の数より多くなるという説もある。
売ればいい、買えばいいというだけでは限界を超えている。大地に感謝を」と強調していました。

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世界的な賞を受賞した直後の地元凱旋。
約250人が集まりました。
終演後は約50分間も、高砂さんを囲む人が途切れませんでした。

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これからも、故郷への思いを胸に、自然の姿を記録し続けるという高砂さん。
お話を伺いながら、一瞬を切り取り、記録し、発信するという点では
私たちの仕事も同じ役割を担っているのだと改めて感じ、
身が引き締まる思いでした。

高砂さんの作品を含め、ことしの受賞作品は、
ロンドン自然史博物館を皮切りに世界中で巡回展が開かれることになっています。
いずれ、地元・石巻で作品展を開くかも?という話も。楽しみです!