イチオシ!"香港で人気!仙台箪笥の魅力に注目!"

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漆塗りの技法や豪華な鉄の装飾金具が特徴の「仙台箪笥(たんす)」。
伊達政宗が仙台城を築城する際に作られた建具がルーツとされ、江戸時代から作り続けられています。生活様式の変化で国内での需要が落ち込む中、海外でにわかに人気を集めています。

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高層ビルが立ち並ぶ大都会・香港。その一角に去年12月、仙台箪笥の専門店がオープンしました。出店したのは老舗箪笥店の門間一泰さん。東日本大震災のあと廃業の危機に陥っていた家業を立て直そうと、東京からUターンし社長に就任。1さお数百万円する「仙台箪笥」を誰にどう販売するか考えた結果、富裕層が多い香港への出店を決断。オープンから半年で売り上げが2000万円を超えています。

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香港で仙台箪笥が受け入れられた理由の1つが、中国古来の開運法「風水」の文化です。箪笥の金具にあしらわれているのは龍や唐獅子、ぼたんなど縁起のいいものばかりです。それが「風水」文化に合致したのではないかとみられています。また鉄製の装飾金具は、武士の威厳をみせつけるために1つのたんすに100以上ついていて、武士道を色濃く反映していることも外国人にとって魅力的だといいます。

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美しさと実用性を兼ね備えていることも人気の理由です。うるし塗りと乾燥を何度も繰り返すことで独特の光沢が生まれ、その結果、強度も増し100年以上使えるといいます。

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そして、決め手になったとされるのがその販売方法です。香港の店では仙台箪笥のほかに日本各地の工芸品もあわせて展示販売しています。モデルルームのように日本の文化をまるごと演出することで、外国人にとってはイメージを持ちやすく購入までのハードルを下げることにつながったとされています。

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この販売方法によって仙台箪笥以外の伝統工芸品が海外で注目されるきっかけになっています。門間さんも国内の職人さんを応援しようと海外販売のノウハウを伝えるようと取り組んでいます。「作品が売れなければ職人の仕事を続けられないし、技術も途絶えてしまう。タンスだけでなく日本の伝統工芸品や技を世界に発信したい」と話していました。
仙台箪笥の魅力を再発見できた取材でした。

【取材:岩間 瞳キャスター】

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