2022みやぎ新春ボイス(2)仙台市郡市長
2回目は、郡和子市長です。魅力ある街づくりや県の病院再編計画などにどう取り組むのか。仙台市政担当の平記者が聞きました。
【2期目の仙台市政】
2期目に入った仙台市の郡和子市長。去年は、新型コロナウイルスの対応に追われた1年でした。
「感染の急拡大が幾度かございまして、そのたびにですね市民の皆様方には大変なご心配もおかけしたと思っております。また今年に続く課題というのが大変多いので、1つ1つ着実に前に進めていかなければならないと考えています」
【新型コロナ対策】
全国各地でオミクロン株の感染が広がり始め、第6波への備えが必要です。その一方で、落ち込んだ地域経済への対応も急がれます。
「PCR検査でのスクリーニング、それからまたゲノム検査はもう進めているところです。飲食業、観光業は大きなダメージを受けたわけですね。引き続き事業を継続していただけるような支援策、地域経済の回復につながるように全力で進めていかなければならないと考えているところです」
【G7】
アフターコロナを見据え、郡市長は、仙台そのものの魅力を向上させたいと考えています。ことし一番力を入れるのは、G7の閣僚会合の誘致です。
「防災関係、あるいは科学技術関係の大臣会合をぜひ誘致させていただきたいと思っています。G7の閣僚会合を契機として、海外からも多くの皆さんたちに東北の魅力、仙台の魅力というのを知っていただけるのではないかと期待しているところです」
G7を通じて震災から復興した姿を世界中に発信したいと考えています。
「東日本大震災があって、あの教訓と経験を後世にしっかりと伝えて、国内外に防災・減災の教訓や経験を発信していく責務があると思っています。その効果はやはり大きなものがあるんだろうと期待しております」
【将来を担う若い世代への支援】
仙台の将来を担う若い世代への支援にも力を入れていくことにしています。東北大学など教育・研究機関が集まる、学都・仙台の魅力を生かした街づくりもその1つです。
「多くの学生さんたちが仙台に集ってきています。しかし残念ながら卒業すると関東方面に出て行かれる方々も多くいらっしゃるんですね。そういう皆さんたち、優秀な方々をぜひ仙台に残したいという思いもありまして、2023年には次世代放射光施設、ナノレベルの顕微鏡施設がオープンいたします。更なる産業イノベーションを生む街になるように取り組みを進めていきたいと思っています」
郡市長が初当選時から取り組む子育て支援。ことしは具体的な目標を掲げました。
「新たな保育施設、それからまた小規模保育施設から認定こども園などに移行するなどして、受け皿を820人分ほど新たに設けさせていただくことになります。それからまた、一時預かりなどの事業を拡充して、ぜひ待機ゼロ、待機児童ゼロを実現したい。子育てが楽しいと思っていただけるようなそんな仙台にさらにしていきたいと思います」
【4病院再編計画】
去年、県が示した4つの病院の再編計画。県は仙台医療圏全体の態勢強化につながると主張しますが、実現すれば、市内から2つの病院がなくなる仙台市の市民からは、反対の声が上がっています。
「2つの病院は仙台市にとって、今まで地域の中に溶け込んで、大切な医療を担っていただいた病院です。県の方針が仙台市にとってどのような影響を及ぼすものなのか。これについてしっかりとした検討を進めていかなければならないと思ってるんです」
仙台市は専門家などを交えた懇話会を通じて、県に考えを伝えたいとしています。
「本当によりよい医療体制になるのかどうかということだと思うんです。この点について議論をしていくということは、私どもも全く同じ気持ち。賛成なんですね。ですから県にはぜひ県民の皆さんたち、市民の皆さんたち、通っておられる患者さんたち、あるいは医療関係の皆様方に納得いただけるように、丁寧な議論を進めていただくよう求めたいと思います」
【ことしを漢字1文字で】
「今年の1文字は『開』。仙台市民の皆様方お1人お1人がですね、ご自分の可能性を切り開くということが可能な街にしたいと思い皆様方の思いが開くように私もチャレンジを重ねていきたいと思います」
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平浩史
平成29年入局。初任地から仙台局。
事件取材や気仙沼報道室を経て
現在は仙台市政など行政取材を担当。