プロ野球・楽天 CSへのカギは、島内でも浅村でもなく・・・

連日激しいクライマックスリーズ争いを繰り広げる楽天イーグルス。終盤の大事な戦いでスタメンに加わってきた2人が、今後のカギを握るかもしれません。

rakuten220916_1.jpg

1人目が、山﨑剛選手。内野のバックアップ、代走要員などとして今季はベンチにいる時間が長かったのですが、9月に入ってショートでの先発出場が続いています。長くショート先発を担ってきた小深田選手に代わって先発した試合でいきなり複数安打を放つと、ここまでヒットを放ち続け、9月は打率が3割に達しています(9月14日終了時点)。山﨑選手のプレーには“華”があります。まず守備範囲の広い華麗な守備。去年は、セカンドを守っていたにも関わらず、ショート後方まで走ってフライをキャッチする、周囲を驚かせるプレーを見せました。あの佐々木朗希投手のスピードボールを、センターバックスクリーンに運ぶホームランを放ったこともありました。小柄ですが、パンチ力も魅力!ファンを魅了する山﨑選手の、大事なゲームでの活躍に期待大です。

もう一人、最近1軍に合流し得点源としての期待がかかるのが、クリス・ギッテンス選手。開幕当初に負傷し、長い治療の期間を余儀なくされ、再昇格を果たしたのが8月23日。登録即、来日初安打を放ち、その後も要所でヒットを重ねています。

rakuten220916_2.jpg

193センチ、113キロという大きな体から繰り出されるパワフルなバッティングが魅力です。楽天の課題とも言われる右の長距離砲として今季チームに加わったギッテンス選手。メジャーリーグでは、1シーズンのみのプレーで、アメリカでは長くマイナーリーグでプレーしていました。来日する直前の2シーズンは3割前後の打率、ホームランも昨季は47試合と少ない試合の中で15本放つなど、アベレージ、長打力共に、良い数字を残していました。長いマイナー暮らしの中で、守備位置に注目してみると、ファーストとDHのみ。強打者としての期待が高い選手だったのでは、という所が感じられました。

メジャーでの実績はそれほど大きなものではない中で、「日本で何とか結果を残したい」という強い思いが垣間見えた瞬間も。ギッテンス選手が試合前の練習で外野の守備に取り組んでいた日がありました。しかもその日は雨。打撃や走塁練習などの通常メニューが外で行えず、室内練習場がメインという日に、若い選手達に混じって、慣れないであろう外野ノックを受けていました。雨の場合、外での練習は避ける選手も多い印象ですが、そこをあえて出てきて外野ノックを受ける。その意味合いまでは話が聞けずわかりませんでしたが、貪欲な姿勢は感じられました。

晴れている日の守備練習の様子
rakuten220916_3.jpg

持ち味のバッティングについては、練習や試合を見ていると、打球に角度がつくことは多くなく、どちらかというと速く鋭いライナー性の打球が多い印象です。パワーがあるせいか、打球の速さは目を引きます。石井監督の取材の中でも、打球角度は高くなく打球速度は速い、というコメントが聞かれました。9月12日の左中間へのタイムリーヒットはその典型で、ライナーがあっという間にフェンスまで届いた見事な打球でした。今後も鋭い打球でヒットを量産してくれることを期待します。

 

楽天にとってクライマックスシリーズ進出がかかる大事な終盤の戦い、9月23日(金祝)の日本ハム戦をNHKBS1で生中継します。どうぞご覧下さい!