B1昇格へ!仙台89ERSプレーオフの大一番に挑む

アナウンサーの黒住駿です。
プロバスケットボール・Bリーグ2部(以下、B2)の仙台89ERSは、シーズンの大詰めを迎えています。
いよいよ今週末、13日(金)から1部昇格(以下、B1昇格)を懸けたB2プレーオフの準決勝です。
仙台89ERSは、アウェーの地・高松に乗り込み、香川ファイブアローズと対戦。
B2の上位2クラブがB1へ昇格するため、
この準決勝で2勝したチームがB1への切符を勝ち取ります。

大一番の戦いを前に、
見どころと、今季の仙台89ERSの歩みを振り返ります。

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<試合に向け気持ちを高める選手たち>

 

☆昨季の雪辱を晴らす準決勝での勝利を!

仙台89ERSは、2年連続のプレーオフ出場となります。
昨季は、レギュラーシーズンの成績上位の西宮を破りましたが、準決勝で茨城に連敗。
目標のB1には届きませんでした。
Bリーグ初年度は1部でスタートした仙台でしたが、その2016-2017シーズンではB1で苦戦。
B2降格後はプレーオフ出場を逃す厳しいシーズンが続く中、
昨季は、あと1歩のところまで勝ち進みました。
仙台は、今シーズンを前にB1経験が豊富な藤田弘輝(ふじた・ひろき)さんをヘッドコーチに招き、
B1のチームからも選手を補強。
積極的にチームを変化させて今季に臨んで来ました。その集大成となるのが今週末の準決勝です。

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<今季から指揮官となった藤田ヘッドコーチ>

☆チームの浮沈を握るディフェンス力!

仙台89ERSの武器は、相手の攻撃を封じ込める“ディフェンス力”。
平均失点はB2全14チームで2番目に少ない70.3点(1Qあたり約17.6点)。
“激しく、強く守る”ことをベースに戦ってきました。
特に注目して頂きたいのが、激しいプレッシャーで相手をゴールから遠ざける守備です。
相手の攻撃を“起点から封じる”ことを徹底しています。
対する香川は、リーグ3位の平均得点84.8点(1Qあたり約21.2点)という攻撃型のチーム。
香川の攻撃の特徴は、リーグ1位の3ポイントシュート成功率36.2%。
3ポイントを打つ本数もトップの数字で、少しでもスキを見せると積極的に打ってきます。
仙台が得意とする“起点を封じる守備”で、
より打たせる本数を減らし、より難しいショットをさせることが求められます。

仙台の平均得点78.3点(リーグ10位)という数字を考えると、
仙台が香川の得点を70点台前半に抑えられれば勝機が見えてきます。

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<練習から激しい守備を実践>

☆若手とベテランががっちり融合!

今年の仙台の大きな特徴は“若手の積極性とベテランの冷静さ”が噛みあっていることです。
大学4年生だった去年12月に加入したポイントガードの岡田選手は、
チームには欠かせない得点源となっています。
また、同じ時期にチームの一員となった寺澤選手も、
抜群の身体能力で、ベンチメンバーを含むチーム力の底上げに貢献しています。
 しかし、それを支えるのがベテランの存在です。
練習中にも主将の月野選手はもちろん、
ベテランの寒竹選手や片岡選手、新加入選手のジャスティン・バーレル選手など、
多くの選手が冷静に若手選手にアドバイスやプレーの確認の声をかけています。
さらにそうしたベテラン選手の多くは、昨季のプレーオフ敗退の悔しさを知るメンバー。
“的確なゲーム運びをベテランが担って、若手がどんどん積極的に仕掛ける”。
準決勝でも今季の強みを存分に発揮し、チームの総合力で勝利に繋げて欲しいです。

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<ベテランの寒竹選手(真ん中)と片岡選手(右)>

☆コロナの苦境を乗り越えて

2月中旬には選手13人のうち10人が新型コロナウイルスの陽性が判明。
3月初旬にかけてチームの活動を休止せざるを得ない状況になりました。
しかし苦しいチーム状況の中でも、土台のディフェンス力は崩れることなく3月以降は復調。
シーズン最終盤を8連勝で締めるなど、チームの状態は上向きです。
そして、コロナ禍にも関わらず今季も仙台89ERSのファンの熱さは健在!
今季もホームの平均入場者数は1,500人余りで、B2で4年連続1位に輝きました。
年々高まるブースターの期待に応える1番の恩返しは、
B1昇格しかないはずです。

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<ホームで声援を送る仙台89ERSのブースター=ファン>


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