ドラフト注目!仙台高出身・佐藤隼輔(筑波大)恩師との"誓い"

※2021年10月の記事に追記しました※

喜びと悲しみが交錯する運命の一日、『プロ野球ドラフト会議』。今年は10月11日に開かれる。

1位指名候補として注目されるのが、仙台高校出身で筑波大学の投手、佐藤隼輔(しゅんすけ)だ。

最速152kmの伸びのある直球が武器のサウスポーは、大学に進学して着実にスカウトの評価を高めてきた。

国立大学で1位指名を受ければ、25年ぶり2人目の快挙となる。

大学屈指の実力を持つ佐藤だが、実は4年前に高校時代の恩師とある“誓い”を立てていた。

その恩師で、現在も仙台高校を指導する石垣光朗(みつろう)監督(58歳)に当時の話を聞いた。

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佐藤は小学校・中学校でも評判の左腕。仙台高校入学後も1年夏から公式戦に登板した。

次第にエースとして期待を背負うようになる。

しかし、2年秋。センバツがかかる大会で“エースとしての責任感”が空回りした。

力んで自分のピッチングができず、10四死球を与えて地区大会敗退。ショックが残る敗戦だった。

ただ、この悔しさが大きな転換点となり、「佐藤の目の色が変わった」と石垣監督は振り返る。

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佐藤の変化を感じ取った石垣監督は、対話を重ねて、冬の間の投球練習を大きく見直した。

集中力を高めピンポイントの制球力を習得することを目指し、

小さいバドミントンの羽をストライクゾーンに置いて、連続で当てる練習を繰り返したという。

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迎えた高校3年。制球力は大きく向上し、夏の宮城大会では29回連続無失点など好投を重ねた。

この年、ストレートも自己最速の144kmを計測。

佐藤は、一気にプロ12球団のスカウトが注目する存在となった。

 

プロの指名を待つか、大学進学か。

「自分の力を信じ切れず、悩む佐藤の姿があった」と石垣監督は言う。

佐藤を見守る中で、石垣監督は悩みに悩んだ末に、こう背中を押した。

「プロは弱肉強食の厳しい世界だ。悩むくらいの状態なら、

大学で更に投球の知識を深め、理論的な“よろい”も身につけて、1位指名を目指さないか」。

その言葉に、佐藤は大きくうなずいた。

 

佐藤は投球の動作解析など最新の技術を取り入れ、理論的な指導が評判の筑波大学進学を決意。

軸のしっかりした粘りのあるフォームに磨きをかけ、大学2年で日本代表にも選出。

そして今年、ドラフト1位指名の期待を集める選手となった。

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恩師と、あの時に誓った“4年後の1位指名”。

佐藤が夢を掴む瞬間を、仙台で石垣監督も心待ちにしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ※2022年3月31日追記※

ドラフト1位指名は叶わなかったものの、佐藤は埼玉西武ライオンズから2位指名を受けた。

2位指名の悔しさをバネに、プロに入ってからの活躍に繋げて欲しいと願っていたところ、

オープン戦で好投して開幕1軍スタート。

初登板初先発となった3月29日(火)の北海道日本ハムファイターズ戦で、

5回無失点で見事、勝利投手となった。

国立大学から直接プロ入りした投手として初登板初勝利は初めての快挙。

今後の更なる飛躍が楽しみだ。