東日本大震災から11年 篠山輝信さん(アッキー)が語る"あの日"

3月11日に東日本大震災から11年の節目となります。
震災から11年に渡って被災地の旅を続けているアッキーこと篠山輝信さんに、
“あの日”のこと、そして“あの日”気づいたことについて、メッセージをもらいました。
篠山輝信さんがめぐる東北の旅の様子は、以下の番組でお届けする予定です。

<放送予定>
3月10日(木) 総合 午前8:15 
 「あさイチ アッキーがゆく!東北旅2022」
3月11日(金) BSP 午後10:00
 「バスで!列車で! 篠山輝信×震災11年の東北旅」
3月12日(土) 総合 午前11:00(東北地方向け)
 「東北限定!すべて見せます アッキーがめぐる復興の地2022」

 

2011年3月11日、篠山さんはどこで何をされていましたか?

(篠山) その日は仕事が夕方からだったので、神保町にある人気のうどん屋さんに並んでいました。で、揺れて…神保町の雑居ビルが「柔らかいもの」に見えるぐらい“ぐにゃぐにゃ”と。これはもう間違いなく人生で一番大きい地震に遭遇したと思いました。でも、どうしていいのか分からなくて、僕はそのまま並び続けてしまったんです。行列に並んでいるお客さんが帰り始めて、順番が早く回ってきたのですが、お店の火が止まっていたので、冷たい「かけうどん」しか注文できなくなっていました。食べ終わってから、インターネットで情報を見ていて、ようやく「これは大変だ」と気づきました。
自宅が気になって戻ると、部屋のなかは家具が全部倒れて、物が床に散乱していました。ちょうどテレビでは津波のニュースが流れていて。地震の揺れを経験して、津波の映像を目の当たりにして、人生観というか自分の根本的な概念が変えられた出来事でしたよね。僕はそれまで東京で豊かに暮らしていたけど、「あ、世界ってこういう場所なんだ」というか、何にも悪いことをしていない真面目に生きている人たちでも、一瞬で命を奪われるという不都合な真実に気づかされました。


その経験のなかで、今の篠山さんにつながっていると思うことはありますか?

(篠山) 災害でいつ自分が死ぬか分からないという、常に“死”はそばにあるという現実に気づかされて…でも、だからこそ自分はどう生きたいのかをすごく考えるようになりました。人との出会いとか一瞬一瞬を大切に生きていこうと。常に“死”という存在があることによって、逆に今生きているという“生”の部分を意識するようになったんです。人に優しくて温かい人間になれたらいいなと思います。


人との出会いや接し方に悔いを残さないように。

(篠山) そうですね。今まで考えたこともなかったですが、震災以降は不条理な世界に生きている者同士の自然な連帯を感じるようになったんです。僕もあなたも真面目に生きているかもしれないけど、何にも悪いことをしてない人たちが急に命を奪われる不条理な世界に生きている。だから、物質的や金銭的な意味ではなくて、お互いによりよく豊かに生きていきたいよねと。


災害が隣り合わせということに関しては、本当に老いも若きも関係ありませんよね。

(篠山) 旅を通して色んな人から話を聞きますが、本当に「何でこの人が..」と思います。10年過ぎようと、いつ癒えるか分からない傷と生きている方のことを考えたときに、不条理な世の中ということを嫌だけど認めざるを得ません。


NHK仙台局では「311伝え続ける」をテーマに様々な企画を展開しています。伝え続けるにはどうすればいいか、東北での旅を続けている篠山さんの立場から少し教えていただけないでしょうか。

(篠山) 「震災のことを学ぼう」や「被災者のために」ではなくて、僕は「人と出会う」が一番強いと思っています。今、東北といえば「震災」や「被災地」となってしまいますが、震災以前に豊かな場所だから、まずはそこを楽しんでもらいたいです。東北のことを知って、興味持ってもらう。そこで人と出会えば、いや応なく震災のときに起こったことを知らざるを得ない。やっぱり足を運んで人と人が直接会うことが一番強いんです。だから、出会いの場を上手く作り続けていくのがいいのではないかと思います。僕個人も今まで東北のたくさんの方にお会いして、本当にびっくりするぐらい東北のことを好きになっちゃったから。毎年、東北行くのが楽しみでしょうがないんです。「震災伝承」だと少し敬遠してしまうし、いきなり「人に会いに行きましょう」もどうしていいのか分かりません。だから、まずは東北の魅力を知ってもらうことなんですよね。

篠山さん、貴重なお話をありがとうございました。

篠山輝信さんが東北の町々を訪ねて、東日本大震災からの復興の様子や地域の人々の思いに触れる様子は、ぜひ番組でご覧ください。

 

NHK仙台局のサイト「あの日、何をしていましたか?」では、
みなさんの2011年3月11日について投稿を募集しています。
https://www.nhk.or.jp/sendai/311densho/souieba/