【丹沢 研二】おかえりモネ・どんな家具にでも変身!組手什

連続テレビ小説「おかえりモネ」が始まりました!
先日、モネに登場する宮城県のあれこれをもっと深く知るための中継シリーズを企画し、『てれまさむね』で5月18日から20日にかけて放送しました。放送を見逃した方、そして県外の方にもぜひ知ってほしいので、放送で紹介した内容を文章と写真でコンパクトにお伝えします!

tanzawa3_1.jpg

3日目のテーマはこれ。
聞いたことがないという方が多いと思いますが、組手什(くでじゅう)と読みます。
登米町森林組合から中継しました。

tanzawa3_2.jpg 

こちらはモネの職場・米麻町森林組合。
ひときわ目立つ飾り棚は、組手什を使って組み立てたものなんです。

 

tanzawa3_3.jpg 

組手什は細長い杉の板に一定の感覚の溝をつけたもの。フルサイズは2メートルですが、好きな長さに切って溝同士を組み合わせるだけで、釘も接着剤も使わずにどんな家具でも作れるという優れものなんです。
間伐材の活用という目的もあって、登米市で盛んに作られてきました。

tanzawa3_4.jpg 

飾り棚や椅子、本棚、ワインセラーなど。杉は軽くて丈夫なので使い勝手が良いです。

この組手什がとても役に立ったのが、東日本大震災。避難所に寄贈されたんです。

tanzawa3_5.jpg 

これは森林組合にあった写真です。石巻市の避難所のようすです。
避難生活が長引くとものが多くなります。それらを整理するための棚や、避難している方のプライバシーを守る間仕切りとして活用されました。避難所から災害公営住宅などに移る時も、組手什を分解して持っていき、行った先で組み立て直す人も多かったそうです。

ちなみに、組手什が初めて寄贈された先は気仙沼だったとのこと。
モネのふるさとである気仙沼と登米を結んだエピソードの一つです。

tanzawa3_6.jpg

お話を伺った登米町森林組合の竹中雅治さんは、ドラマの林業考証にもあたっています。
「おかえりモネには林業の基本が詰まっている」と話していました。林業に興味を持つ人が増えるきっかけになるかもしれません。

 

「モネのふるさと」の取材から改めて宮城県の海や森の豊かさを知ることが出来ました。「海」と「森」、そして気象予報士を目指すモネが興味を持つ「空」とのつながりは「おかえりモネ」の大事なテーマです。今後もそのテーマを深掘りしてみなさんにお伝えしていきたいと思います。