賀来特任教授に聞くコロナ対策 日頃の備えは 感染したときは

新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、私たちは何をすればいいのか。
感染症対策に詳しい東北医科薬科大学の賀来満夫 特任教授に聞きました。

2回目は、▼感染した場合に備えて日頃からやっておくべきこと、▼そして、感染したときの対応についてです。

【感染に備えて備蓄を】
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「いつ誰がどこでかかってもおかしくない」という賀来特任教授。
災害への備えと同様に食料や日用品を備蓄するよう呼びかけています。

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(東北医科薬科大学 賀来満夫 特任教授) 
「新型コロナウイルス感染症はある意味では災害だと考えていただいて、それと同じような準備を日頃からやっておく必要があると思います。自宅療養の場合は10日間の隔離が必要ですよね。濃厚接触者も5日間、人と会えなくなる。その中で、食料品とか日用品を、10日分ぐらいを目安に備蓄しておくことは絶対に必要だと思います」。

症状を抑えるため、市販の治療薬も用意しておく必要があります。
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(賀来特任教授)
「解熱剤は必要だと思います。もう1つは抗炎症剤といって、炎症をとる、のどの痛みをとる。解熱剤にも含まれていますが、そういった炎症をとる薬はそろえていただいたほうがいいと思います」。

【感染したら…】
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もしも同居する家族が感染したら…。
▼感染者と部屋を分ける。
▼看護する人を限定し、接するときはマスクをつける。
▼感染した人の入浴は最後にする。
こうして、空間や時間を分ける対策が必要です。

そして、感染した人の様子に注意して、
▼唇が紫色になる、▼息が荒くなる、▼息苦しくなる、こうした症状があれば、救急車を呼ぶ目安です。

特に子どもの場合は注意深く見守る必要があります。

(賀来特任教授)
「もしかかっても、熱が出ても、比較的元気で飲み物を飲めて少しごはんが食べられるのだったらある程度様子を見ていいですけれども、いつもに比べて全く元気がない。非常にぐったりしている。息がはあはあと、ゼイゼイする。声をかけても返事もできないぐらい、そういうときにはすごく注意しないといけないので、すぐに救急車を呼んでいただくようなことになる」。

県内で自宅療養する感染者は2万人を超えています。医療機関にすべて頼るのではなく自己管理を行い、さらに、社会・経済を回していくための姿勢が、今、求められています。
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(賀来特任教授)
「以前のような強い対策を取らないためにも、かからない、うつさない行動に努めて、かかった場合でもセルフケアという考え方もぜひ持っていただいて、ひどくなったら病院に行くというような、社会全体でそういうことに取り組んでいく。
皆さんが誰もが守っていけば、この波を乗り越えることが必ずできると信じています」

自宅療養の人が今、本当に増えていますが、ひとり暮らしの方もいらっしゃると思います。重症化のサインを自分でも見逃さないようにしてほしいと呼びかけていました。

さらに、賀来特任教授は日頃からの備えとして、▼家族や親族、▼かかりつけ医、▼自治体のコールセンター、▼それに保健所などの連絡先を調べておくことも大事だと話していました。

 動画はこちら

 1回目は、現状の受け止めと、今とるべき感染対策についてお伝えしました。こちらからどうぞ。