賀来特任教授に聞くコロナ対策 現状は とるべき感染対策は

新型コロナウイルスの感染急拡大を受けて、宮城県は5日、「BA.5対策強化宣言」を出しました。
今、私たちにできることは何なのか。
感染症対策に詳しい、東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授に聞きました。

2回にわたってお伝えするシリーズ、1回目は、現状の受け止めと、今とるべき感染対策についてです。
賀来特任教授は、今こそ、基本的な対策を徹底することが重要だと指摘します。

【宮城県内の感染状況は】
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(東北医科薬科大学 賀来満夫 特任教授)
「誰がいつどこでかかってもおかしくないような状況にあります。本当に爆発的な感染拡大です。医療がひっ迫してきています。いわゆる、“受けられるはずの医療”が受けられないような状況が出てきている」

危機感を訴える賀来特任教授。
感染急拡大の背景には、BA.5の強い感染力と、ワクチン接種から時間がたったことによる免疫力の低下、そして人の動きが活発化していることがあると分析。
その上で、重症化する割合が低いとされるオミクロン株についても、後遺症の問題が見逃せないと言います。

【深刻な後遺症】
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(賀来特任教授)
「特にオミクロン株になって、デルタ株に比べると重症化しない。それはある意味では事実だと思います。肺炎を起こす方も少なくなってきています。しかし、一方では、後遺症という問題があります。かかったときは軽症だったんですけれども、ちょっとたって体が動かなくなる。お手洗いに行くのもきつい。そのことで仕事を休まないといけない、辞めなければいけない方も出てきている。重症化しないからかかっても大丈夫かなっていう気持ちはそのとおりなんですけれども、やはりかかってしまうと、とても大変な状況にもなる」

【マスク・消毒・距離を取る】
夏はイベントが多く、外に出かける機会も増えます。
そんなときも、状況に応じたマスクの着用や、手指の消毒、そして、人との距離を取るといった基本的な対策が重要です。
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(賀来特任教授)
「イベントは本当に楽しいので、皆さんがよく集まりますよね。ゼロリスクはないわけですけれども、もし、屋外のイベントであっても、非常に距離が近ければ、やはりマスクをつけていくことが必要。常に人との距離を保ったり、十分換気ができているかどうかを考えたり、会話をするときには、やはりマスクなんだということをぜひお考えいただいて、楽しんでいただければと思います」

【部屋の換気も忘れずに】
そして、見落としがちなのが部屋の換気です。
冷房を使っていても、定期的に窓を開けるよう呼びかけています。
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(賀来特任教授)
「私たち、夏になると冷房を使います。非常に心地いいわけですけれども、でも冷房には、部屋の空気を入れ替えるような機能は多くの場合ついていません。空気が冷えると気持ちがいいですし、まるで換気ができているような錯覚に陥るわけですけれども、そうではなく、やはり部屋の空気を入れ替えるためには、窓を開けるとか、レンジフードを利用して空気の流れを作っていく。空気清浄機を置くとか、そういった対策が必要になってくるわけです。ぜひ、換気というものをもう1度、新型コロナ感染対策の重要なポイントとして、各ご家庭で考えていただいて、実践していただきたいと思います」。

賀来特任教授は、これらに加え、お盆などに帰省して、おじいちゃん、おばあちゃんに会うときは、事前に抗原検査を受けること、受けられるワクチン接種を早めに受けることも大切だと指摘しています。

2回目は、「感染に備えて何をすべきか」、そして「感染した場合の対応」についてお伝えします。

1回目の動画はこちら