新型コロナウイルス月ごとの感染者の傾向(1月)

【月ごとにコロナを分析】
宮城県では、2月に入って1日の感染者が1桁の日が続くなど、減少の兆しもみられる新型コロナウイルス。
先月・1月の1か月間に発表された感染者は、前の月より237人増えて1218人と1か月の発表者としては初めて1000人を超えました。今回は、1月の感染者の傾向について分析します。

【10代の割合が激増】
まず、年代別です。
▽10歳未満が50人、
▽10代が185人、
▽20代が250人、
▽30代が147人、
▽40代が171人、
▽50代が157人、
▽60代が120人、
▽70代が65人、
▽80代が47人、
▽90代が23人、
▽100歳代が3人です。

20代が最も多く、幅広い年代で感染が確認されているのは、ここ数か月の傾向とほぼ変わりませんが、10代は、去年12月より10ポイント余り増え15%と大きく増えました。 

【高校でクラスター発生】
10代が増加した背景は、3つの高校でクラスターが発生したことがあります。
▽利府高校で49人、
▽石巻高校で25人、
▽東松島市の高校で6人と、
この3校だけで感染者は80人にのぼりました。

小学生から大学・専門学校生までの「学生」と分類される感染者は、12月は60人でしたが、1月は241人と4倍に増加しました。10代を中心に若い世代が感染者数を押し上げたことがうかがえます。

【飲食店クラスターが激減】
1月のクラスターは高校も含めて14の施設で発生。12月とは大きく傾向が変わり、「飲食店」が激減しました。
12月は19施設のクラスターのうち13か所が「飲食店」でしたが、1月は大河原町の1か所だけになりました。
仙台市全域の飲食店などに時短要請が出されるなど、会食での感染防止対策が強く呼びかけられた効果といえるかもしれません。

1月のクラスターをまとめると、
▽高齢者施設が5か所、
▽高校が3か所、
▽会社・事務所が2か所、
▽飲食店、児童関連施設、障害福祉施設、それに医療機関がそれぞれ1か所ずつでした。

自治体別では
▽仙台市が5か所、
▽石巻市と気仙沼市が2か所ずつ、
▽登米市、東松島市、利府町、松島町、大河原町がそれぞれ1か所ずつで、
このうち、
▽気仙沼市、
▽東松島市、
▽松島町、
▽大河原町では初めてクラスターが発生しました。 

【仙台の割合が減少、気仙沼、東松島で倍増】
居住地別で最も多かったのは、
▽仙台市で686人。
全体の56%を占めましたが、12月の64%に比べると、8ポイントほど割合が下がりました。

次いで、
▽石巻市が58人、
▽登米市が44人、
▽多賀城市が39人、
▽気仙沼市が38人、
▽塩釜市が35人、
▽大崎市が32人、
▽利府町が30人、
あわせて31の市町村で感染者が確認されました。

1月に入って感染者が増加傾向となった自治体も見られ、
▽12月までの感染者が16人だった気仙沼市で2倍以上の38人、
▽10人だった東松島市で27人、
▽4人だった松島町で25人、いずれも1人だった
▽大衡村で12人、
▽村田町で10人の感染が発表されました。
また、これまでゼロだった丸森町で初めて感染が確認されました。

【感染経路は…】
毎月、感染経路についても分析をしてきましたが、仙台市は1月上旬から施設滞在歴以外の経路につながる情報を発表しなくなりました。
このため、今月は業種・業態が公表された施設での感染者をまとめました。
▽最も多かったのは高校で80人、
▽次いで高齢者施設が53人、
▽会社・事業所が40人、
▽飲食店が30人、
▽医療機関が11人などでした。
これらの施設では、昼食など食事の際にマスクを外して会話したり、換気や消毒が不十分だったりしたことが感染拡大につながったと見られています。 

一方、県外で感染がわかった人の濃厚接触者や接触者となり、感染が確認された人は35人でした。夏休みの期間中の8月は4人でしたので、年末年始や成人式などで人の動きが活発だったこともうかがえるデータです。

【陽性率は高止まり】
検査した人のうち、どのくらいが感染したかを示す「陽性率」もみてみます。
県の公表している資料をもとに計算すると、1月の陽性率は12.09%でした。(2月4日時点)

【入院調整中が激減】
一方、今回注目したいのは感染確認後、入院先や療養先を調整している人の数です。
12月31日に県が公表した資料では、入院や療養先について「調整中」の人は45%にのぼりました。
これに対し、1月31日には6%と大幅に減少しました。
年末年始のころに比べると感染者が減少傾向というのもあるかもしれませんが、県がとった対策も効果を上げています。
12月10日から医師が入院調整を担う「医療調整本部」を県庁に立ち上げ、その日の感染者をその日のうちに「入院」か「療養」か医師の判断で決める仕組みです。
「入院」の場合は医師が病院と調整もします。本部の設置前と比べると、はるかに調整がスムーズになっているといいます。 

【減少傾向でも油断せずに】
県内では、行政と医療機関が連携する仕組みが動きだし、患者の受け入れ態勢はかなり強化されています。とはいえ、感染者が一気の増加すればこうした態勢も限界が来る可能性はあります。
今月に入って感染者の減少傾向は見られますが、引き続き油断せず行動することが求められそうです。