あの日から12年 ラジオで震災の記憶と体験をつなぐ
東日本大震災の発生からまもなく12年です。
私事になりますが、数年前に父が購入した墓地を訪れた時を思い出します。
宮城県内でも内陸にある霊園だったのですが、
ぽつりぽつりと立つ真新しい墓石には、
没2011年3月11日、12日、13日と文字が刻まれていました。
震災では海沿いにあった寺院も大きな被害を受けました。
住み慣れた地域の近くではなく、海から遠く離れた霊園に眠る方もいらっしゃるのかと、
認識を新たにしました。今年は十三回忌にあたります。
今年も3月11日、ラジオ第一で、岩手、宮城、福島の3県の被災地を結び、
東日本大震災の犠牲者を追悼する特別番組を放送します。
去年11年ぶりに再開した岩手県陸前高田市の市立博物館、
宮城県南三陸町の「道の駅さんさん南三陸」、
福島県相馬市の「木の葉流し」の会場から、
各地の追悼の様子や祈りをささげに来たみなさんの声、
そして地震発生時刻の午後2時46分に響く1分間の黙祷のサイレンを、
全国のみなさんと共有します。
続く午後3時5分からは、ラジオ特集「遺されて生きてゆく~12年目の津波遺族たち~」をお送りします。宮城県岩沼市では今も毎月、津波で子どもを亡くした女性など遺族が集まって悲しみを分かち合う「灯里(あかり)の会」が開かれています。
「悲しいのは亡き人を愛しているから」と、誰も悲しみを忘れたいとは言いません。
震災12年目の日々に密着したラジオドキュメンタリー。
制作・語りは仙台放送局の丹沢研二アナウンサーです。
そして、2月27日から3月10日まで、宮城県内向けになりますが、
平日午後0時55分からの5分間、ラジオ第一で「東日本大震災 未来への証言」を
放送しています。あの日、震災を体験したみなさんの貴重な証言を、
仙台放送局のアナウンサーたちが記録してきました。
この番組は、NHKアプリ「らじる★らじる」でも放送後1週間、聴き逃し配信を
行っていますし、仙台放送局のHPからもお聞きいただけます。
ぜひ、小学校や中学校、高校の震災学習などでもご活用いただき、
NHK仙台放送局にご感想をお寄せください。
https://www.nhk.or.jp/sendai/contact/
(NHK仙台放送局 アナウンサー 阿部悌)