【相馬宏男】建物にはそれぞれ歴史がある
NHK仙台放送局の近くには県庁や市役所など官庁が立ち並ぶ。取材や情報収集には便利な立地条件だ。そしてこれらの官庁の建物にもそれぞれ歴史がある。
現在の宮城県庁は平成元年(1989)に建てられ、もうすでに30年以上が経過している。地上18階、地下2階で仙台市内でも周辺から目立つ。雨水利用やソーラーシステムそして空調や照明の自動監視制御が行われている。建設から30年以上が経ち、ある意味歴史を刻んでいる。
小生はこの建物の前の建物でも仕事で度々訪れている。その建物は群馬県庁に似せて造られたといわれている。昭和6年当時の建設費用が100万9千円とか。昭和6年から61年まで現在地にあつた。
当時の県庁舎の模型が18階の県政資料展示室にある。茶色いレンガ様の色彩で、正面の塔屋には丸い特徴的な頭部があった。この模型でも全体像がよくわかるが、頭頂部のそのものが現県庁の前の植え込みの中に保存されている。高さは8メートルほど。直径が2メートル弱だ。重さが16トンもある。
周辺の木々が随分と伸び少し周りからは見えにくくなってきているが、間近で見るとその大きさがよくわかる。建物にも歴史があったのだ。旧県庁の頭頂部を見て歴史とともに時の流れを感じた。