ヨーロッパ フランス

赤レンガ輝くアルビ/フランス

初回放送
2021年3月30日
撮影時期
2020年10月
語り  
中嶋朋子

南仏の街、アルビは世界遺産に登録された赤レンガの街並みが多くの人を引きつけます。中世の香りを残す細い道を巡りながら、コロナ禍でも生き生きと暮らしを営む人々と出会います

歩き方

街の基礎情報 アルビ

場所:

フランス南西部

人口:

5万(2019年現在)

景色:

旧市街のレンガの建物から「赤い街」と呼ばれます。

人々:

南仏の陽気さ、ポジティブさと地元を愛する心をもった人たちです。

産業:

観光業、ITなど

交通手段:

電車、バス

行き方:

日本からの直行便はありません。パリ経由トゥールーズ着、そこから電車で1時間またはパリ・モンパルナス駅からボルドー乗り換えで5時間〜6時間半

通貨:

ユーロ
1ユーロ=130円(2021年3月15日現在)

歩き方

アルビへ向かう車窓から見えるのは高くそびえる大聖堂。早速、旧市街に向かって街歩きを始めます。世界遺産に登録された赤レンガの街並みを心を込めて修理するレンガ職人の仕事ぶりを見て、市場に迷い込むうちに大聖堂へ到着。大聖堂の周りでは世界遺産に登録された建物に住まう女性や、元学校だったレストランに集まる仲良し卒業生と出会います。夕暮れタルヌ川のほとりに出ると、街並みを楽しみながらトレーニングする人たちや、アルビの歴史を本にしたいと語る2人の男性など、街への思いが伝わります。

街を歩いてみて(ディレクター談)

旧市街のレンガの細い通りは何度歩いても迷ってしまいましたが、街の皆さんが親切に道を教えてくれたり、街のことを話してくれたりして最後には迷うことも楽しめるようになりました。夕暮れに町を流れるタルヌ川から見た街の美しさは忘れがたいです。

写真ギャラリー

街のなりたち

アルビの街は南仏のタルヌ川沿いにあり、ローマ時代から川を利用した交易で栄えました。建物の多くは赤レンガで出来ていますが、アルビの近辺では良質の石が取れなかったため、近辺の粘土で作られる赤レンガを用いたのです。世界最大のレンガ造りの大聖堂をはじめとした旧市街の街並みが現在でもとても良く保存されているという理由で、2010年に世界遺産に登録されました。現在でも「赤い街」と呼ばれるアルビは綿々と続く歴史に彩られています

出会い

街の「レンガ職人」

アルビの街のシンボルは赤レンガ。古いレンガの壁を直している職人たちに出会いました。さまざまな方法で元のレンガをなるべく残しながら街の美しさを保っているそう。「レンガと共に生まれた」と言い切る職人に、アルビの人々の深いレンガ愛を感じました。

街の「世界遺産の住人」

レンガ造りのにぎやかな通りに住んでいる女性が、お家を見せてくれました。とてもすてきなアパートは、なんと世界遺産に登録されています。保全するためのさまざまな規制はあるけれど、歴史と共に生活することの喜びには代えられないと話してくれました。

街の「同級生たち」

大聖堂の近くにある赤レンガ造りのレストラン。建物の中には子どもたちの写真が。ここは以前、大聖堂付属の学校でした。お話し中の卒業生のおじいちゃんたちが、若かりしころの武勇伝を披露してくれました。思い出を懐かしむ場所がそこここにあるアルビです。

グルメ

【第1位】トルトイヤ(アップルパイ)

フィリングは煮込んでも崩れにくいリンゴを使い、バターで煮込んでシナモンと砂糖を加え、ブランデーで香りづけ。パイ皮で包んでオーブンで軽く焼き上げます。ロートレックはデザートを食べ終わってから、新作を披露するのが恒例だったそう。
<平均価格 約 1040 円>

【第2位】牛肉の赤ワイン煮込み

もてなし上手のロートレックの一皿。牛肉と豚足やたっぷりの香味野菜と共に赤ワインでマリネして、弱火でじっくり12時間煮込みます。味わい深いソースとほろほろの牛肉が絶妙。友人や家族と囲む食卓を大切にしたロートレックの人柄が伝わってきます。
<平均価格 約 3250円>

【第3位】バッタのソテー

車エビに軽く塩を振って、ブランデーでフランベしたシンプルな料理。ロートレックのレシピのネーミングはとってもお茶目で、食卓でみんなを驚かせるのが大好きだったそうです。確かにエビって、ちょっとバッタに似ていると思いませんか?
<平均価格 約 2340 円>

ちょっとより道

ペンヌ村 観光客に人気!中世の城

アルビからバスを乗り継いで約1時間、ペンヌ村は四方を森と丘に囲まれた山里。そこに最近話題の中世のお城があると聞いて訪ねてみました。入り口で出会ったのは、この城を買い取ったという男性。早速案内してもらうと、まるで廃虚同然。しかし、中では、この城が作られた中世の建築方法を使って、手作業で修復が進められていました。この城に魅せられ、何世代かかっても修復を進めていこうとする持ち主の心意気が伝わってきます。

語り:パパイヤ鈴木