シチリア島のノートは、イタリアでも有数のバロック様式で統一された街。朝と夕は太陽に照らされて街が輝くことから「黄金色に輝く街」ともいわれています。その街並みを愛してやまない住人とのふれあいは必見です!
歩き方
街の基礎情報 ノート
場所:
イタリア シチリア州 南東部
人口:
2万1000(旧市街は1万)(2019年現在)
景色:
イブレイ山地の緩やかな斜面に建てられた街。坂道が多い。
人々:
バロック様式で統一された街並みをこよなく愛し、古いものを大事にする気質
産業:
観光業
交通手段:
バス、鉄道
行き方:
日本からの直行便はありません。ヨーロッパの主要な空港を利用して、シチリア州カターニアに入り、そこからバスでノートを目指すのが一般的です。(カターニア~ノートはバスで2時間ほど)
通貨:
ユーロ
1ユーロ=約119円(2020年2月19日現在)
歩き方
朝日が当たって黄金色に輝くノート旧市街。東の端から歩き出します。華麗なバロック建築が続く中、貴族の館のバルコニーの飾りに感心していると、三輪車に乗るガイドさんが...。「この貴族はマグロ加工業で財を成したんだ。だから人魚の飾りを施しているのさ」、と教えてくれました。さらに北へ歩くと、伝統的な魔よけの仮面を作る職人さん、祖父から譲り受けた車をピカピカに磨く男性、3歳の息子に掃き掃除を教える母親。皆さん、街に愛着を持つ人たちばかり。最後は教会の上から、夕陽色の街並みを堪能しました。
街を歩いてみて(ディレクター談)
別の貴族のバルコニーもユニーク!手すりが鳥の巣のように大きく外へ膨らんでいるものを発見しました。尋ねた方は、なんと貴族の館の主。「バロック時代の貴婦人の膨らんだスカートに合わせた形だよ」、と特別に館内まで案内して教えてくれました。
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街のなりたち
17世紀まで、現在とは別の場所にあったノート。周囲4kmにわたって張り巡らした城壁の中に、50以上の教会や商店、貴族の館が立ち並ぶシチリア有数の裕福な街でした。ところが1693年1月11日、シチリア島東部に大規模な地震が発生。ノートの街は全壊してしまったのです。住人たちは南へ7km下った場所に新たな街の建設を決意。「失った街をより美しく再建することで、新しい歴史を歩んでいこう」、と当時大流行していたバロック様式で街のスタイルを統一することにしました。
出会い
街の「いたずら」
大聖堂の前で会った80代のおじいさんたちが、少年時代の遊び場で当時のいたずらを披露してくれました。建物の3階部分に位置するその遊び場から、通りを歩く人の名前を呼んで、すぐに隠れて...。わんぱくだった少年時代に戻り、とても楽しそうでした!
街の「三輪車ガイドさん」
白い三輪車がトレードマークの名物ガイドさん。貴族の館の前で、バロック様式のバルコニーの秘密を教えてくれたり、最古の住宅街で再会したり...。でも三輪車はよくエンジンが止まってしまうので、通行人やお客さんがみんなで押して楽しい騒動になりました。
街の「仮面」
バロック時代から続く伝統的な仮面を作る職人さん。各家の玄関に取り付けられたその仮面は、いかつい顔のデザインで魔よけの意味があるんだそうです。「伝統をデザインすることにやりがいを感じているよ」と話すその表情は、とてもすがすがしかったです。
グルメ
【第1位】マグロのからすみとリコッタリーズのラビオリ
古くからマグロ加工業に携わるノートならではの一皿。ラビオリの中身は、シチリアレモンの皮をすりおろしたリコッタチーズ。そして、ソースとしてぜいたくに使うのがマグロのからすみ。レモンの香りとからすみの芳醇な風味が絶品です。
<平均価格 18.0ユーロ(約2,150円)>
【第2位】黒豚のすね肉 香草焼き
シーフードだけでなく、シチリア島は放牧豚の産地としても有名。天然のドングリやかしの実、ミネラルたっぷりの湧水で育った黒豚の肉を数種類の香草とともにオーブンへ。油がほどよく抜けて、最高のほろほろ具合です。
<平均価格 18.0ユーロ(約2,150円)>
【第3位】ビアンコ・マンジャーレ
ノートの名物の代表格、アーモンド。ペースト状にしたものに砂糖を混ぜてミキサーにかけると...。水を加えただけなのに、ミルクのように早変わり。それを冷蔵庫で4時間寝かせれば完成。アーモンドが持つ本来の甘さと香ばしさが絶妙なデザートです。
<平均価格 2.5ユーロ(約300円)>