2019年03月22日 (金)

枯れ葉剤の被害を乗り越えて

 

20190322_yoshi_001.jpg

今週のブログも、ベトナムロケについてです。こちら、画家のレー・ミン・チャウさん(27)との1枚です。チャウさんは生まれつき両手が短く、両足が変形しています。チャウさんの両親は、ベトナム戦争に兵士として参加し、アメリカ軍が枯れ葉剤を散布した地域で戦いました。チャウさんの障害は、枯れ葉剤の影響と見られています。

 

私たちの後ろにあるのは、チャウさんが制作中の作品です。道の先に太陽の光が射している様子を描いたこの絵は、「希望」を表していると言います。幼少期、チャウさんは、枯れ葉剤被害者のための施設で育ち、そこで絵画と出会いました。口に筆を加える手法で様々な風景画や人物画などを描き、今ではベトナム南部の都市ホーチミンに自分のアトリエを構えています。作品制作のほか、子どもたちのための絵画教室を開いたり、作品を認められて海外に招待されることもあるそうです。

 

今回、私はチャウさんのアトリエにお邪魔して、作品の制作風景を見せてもらいました。

そして、どうして今、「希望」をテーマにした絵を描いているのか聞きました。

そこには、ベトナム戦争終結から40年以上がたつ今、枯れ葉剤の深刻な被害に苦しみながら、それを何とか乗り越えようとするチャウさんの姿がありました。

この時の様子は、24日(日)の「せかいま」で放送します。

 

 

 

これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:芳川隆一 坂下千里子 Mr.シップ

2019年3月24日のゲストは、堀田茜さんです。

投稿者:Mr.シップ | 投稿時間:14:46 | カテゴリ:芳川隆一のよしよし!やったるぜ! | 固定リンク


  
2019年03月21日 (木)

1.混乱するベネズエラ 2.イギリスEU離脱延期?

20190321_art_001.JPG

2019年3月17日の出演者のみなさんです。

左から、芳川隆一キャスター、坂下千里子さん、Mr.シップ、ゲストのベッキーさん、国際部松木昭博です。

 

1時間目は、国民生活が大混乱している南米・ベネズエラについてお伝えしました。

2時間目は、EUからの離脱が延期となったイギリスについて、国際部松木昭博デスクが解説しました。

 

ベネズエラではいま、停電や深刻な物不足が起きていて、街では略奪も起きています。

NHKの取材班がベネズエラに入りました。

20190321_art_002.png

ベネズエラにはいま、2人の大統領がいます。

マドゥーロ氏とグアイド氏です。

マドゥーロ氏は去年の選挙で当選したとしていますが、選挙は突然行われたもので「公正な選挙ではない」と反発が広がっています。

20190321_art_003.png

そうした中、国会議長のグアイド氏が自ら「大統領に就任する」と宣言したんです。

 

政治が混乱していまるベネズエラでは、経済も大変なことになっています。

首都カラカスのパン屋さんでは輸入品の小麦粉が手に入りにくいため、1人1日2個限定での販売です。

特に危機的なのが医薬品です。

20190321_art_004.png

薬局の棚はからっぽ、かぜ薬の値段が去年10月に比べて1600倍になったといいます。

腎臓の病気を患い定期的に薬を服用する必要がある53歳の男性は、ここ20日間、薬が手に入っていません。

今月14日までの1週間で、200人を超える患者が死亡したという話もあります。

 

さらに小宮記者によると、現地では、携帯電話もほとんど通じません。

お店も閉まっていて、モノが買えません。

やっと水が買える場所があったとしても、1リットルのペットボトルの水が1000円以上もするんです。

20190321_art_005.png

ベネズエラではお金の価値が下がりすぎていて、現地の通貨では食料品は買えない状況なんです。

みんなドルのほか、一部の店では仮想通貨を使っていて、国より外国、政府より民間の方が信用されている状態です。

国から出て行く人も続出していて、全人口の1割以上はすでに国外へ出ています。

 

そもそもどうしてこんなことになっているのか、シップが説明しました。

20190321_art_006.png

[ベネズエラがどうして混乱してるのかオレが説明しヨーソロー!]

 

石油がの価格が高い時は、お金をばらまいても何とかなっていたんです。

けれどチャベス前大統領の後継者にマドゥーロ氏がなったあと、石油の価格が急激に下がり国に入るお金が少なくなったんです。

価格が下がったなら石油をもっと掘ってたくさん売ればいいのでは?と思うかもしれませんが、ベネズエラには石油を精製する施設がほとんどありません。

実は精製は、アメリカに頼っていたんです。

でもそのアメリカからは、経済制裁を受けていて、石油を売りたくても売れない状態でした。

 

さらに、石油の代わりになるような産業も育ててきませんでした。

「将来」を見据えた政策を取ってこなかったんです。

20190321_art_007.png

そこで、このままじゃダメだと名乗りでたのが、グアイド氏です。

しかしいま、大統領が2人になっているために政治が混乱。

さらに経済の混乱が広がり大変なことになっています。

なぜなら、名乗り出たグアイド氏をみんなが応援しているというわけでもないんです。

グアイドを支持する人たちの集会も行われていますが、マドゥーロ氏を支持する集会も同じように行われていて、マドゥーロ氏支持も根強いんです。

およそ3割の人は、マドゥーロ氏の政権を支持していると言われています。

20190321_art_008.png

カラカス市内でマドゥーロ氏を支持する家族を訪ねました。

支持する理由のひとつが「手厚い福祉政策」だといいます。

チャベス氏がはじめた年金制度をマドゥーロ大統領が引き継ぎました。

一方、グアイド氏については国内の政治対立を深めたと不信感を抱いているといいます。

 

グアイド氏はアメリカが支援している人なので、反米の意識が強いベネズエラでは、受け入れられにくいとされています。

さらに、アメリカから食糧支援を引き出してくれるだろうという理由だけで支持している人も多く、政策が何なのかわかっていないんです。

 

どちらが大統領になるか決着がつく前に、さらに多くの人が犠牲になるのではと言う懸念が深まっています。このままだと状況は悪くなるばかりです。

 

 

2時間目は、イギリスのEU離脱。

まずは、先週お伝えしたイギリス“運命の週”が一体どうなったのか、見ていきましょう。

20190321_art_009.png

3月12日、メイ首相は、EUから混乱なく離脱するためにまとめた「離脱協定案」について、「これに合意して!」と議会にかけました。

でも結果は、否決。

1月にもこの協定案を否決されているので、2度目の「ダメ出し」でした。

20190321_art_010.png

13日、私の案に合意しないなら経済や市民生活の混乱が予想される「合意なき離脱」になってしまうけどそれでもいいの?と、これも議会にかけました。

みんなも「合意なき離脱」は避けたいので「それは困る」ということになりました。

 

そして14日、もう時間がないということで「離脱の延期」について議会にかけました。

そして当初は3月29日だった離脱の日を、6月30日まで延期することに議会は賛成しました。

ただ、この延期にメイさんは条件を付けています。

20190321_art_011.png

それは「議会が私の協定案で行くと認めれば」離脱を延期すると言う条件です。

でも「私の協定案」で、まだ議会に認めてもらっていませんよね。

そこでメイさんは、もう一回「私の案でいこうね」と議会にかけようとしているんです。

この採決は20日までに行われるとみられていて、まだまだEU離脱延期の結論は出ていないのです。

20190321_art_012.png

離脱の延期について、現地の新聞の見出しには大きく“出来損ない!”と書かれています。

また記事には「国民投票で離脱が決まってから議会は3年近くをムダな論争に費やした」と書いてあります。

ロンドンの市民もいら立っています。

「EUに残りたい人も出たい人も、みんなイライラしている。」

「とにかく混乱している。イギリスは同じ場所をぐるぐるしているだけだ。」

「世界の目にどう映るかを考えると本当に恥ずかしい。」

 

1回目も2回目も否決されたメイ首相の案ですが、

もし3回目も否決されると「6月30日まで離脱延期」も成り立たなくなります。

そうなるとどうなるのか、こちらを使ってみていきましょう。

20190321_art_013.png

こちらはイギリスの庭です。

長く伸びた芝を芝刈り機で買ってなんとかして素敵な「うま~く離脱ガーデン」へ行こうしているメイ首相です。

3回目の採決でも否決されたら、この3つの道のどれかを作って「うま~く離脱ガーデン」を目指すことになります。

 

まず1つ目の道。

「別の協定案をまとめるため理由と再交渉する」。

ただ、今のメイ首相の案でもEUとの話し合いにおよそ2年かかりました。

この道を進んだら、またまた時間がかかりそうです。

 

そして2つ目の道。

「国民投票を実施して国民にもう一度問う」。

実施まで短くてもおよそ半年かかる見通しで、この道も長い時間がかかります。

それに国民投票で、仮に「離脱はやめた!」と言う結果になれば、ずっと離脱を支持してきた人たちはものすごく怒るでしょう。

 

最後に3つ目の道。

「総選挙で有権者に聞く」。

でも、メイ首相が交代すれば次のイギリスの首相がEUと新たな協定案を話し合わなければいけません。

これも時間がかかりそうです。

20190321_art_014.png

結局、どの道を選んでも時間がかかります。

でも実はそれが、メイ首相の狙いなんです。

離脱の延期が長引けば、イギリスはEUから離脱できません。

そこで「だったら、今ある私の案で離脱する方がスムーズでしょ?」ということなんです。

メイ首相の案を認めれば「うま~く離脱ガーデン」に確実に3か月でたどり着きます。

そう言って、議会に認めてもらおうとしているんです。

「本当は早く離脱して、EUから自由になりたい」。

そう思っている議員に「3か月で離脱できるよ」と言って、説得しようとしているんです。

20190321_art_015.png

しかし、12日の2回目の採決では反対が賛成を149人も上回りました。

単純計算で75人を反対から賛成に変えさせなければなりません。

さらに、メイ首相の求心力も下がっています。14日の離脱延期の採決の時には、7人の閣僚が反対票を入れたという話もあります。

足元も揺らいでいるメイ首相が、今度の採決に向けて本当に賛成票を取りまとめることができるのか、今の時点では見通しが立っていません。

 

 

 

これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:芳川隆一 坂下千里子 Mr.シップ

2019年3月24日のゲストは、堀田茜さんです。

投稿者:Mr.シップ | 投稿時間:17:09 | カテゴリ:せかいま美術館 | 固定リンク


  
2019年03月17日 (日)

ベトナムロケ

今月11日~16日まで、「せかいま」のロケでベトナムに行ってきました!

ベトナムと言えば、先月、2回目の米朝首脳会談が行われましたよね。

20190317_yoshi_001.jpg

会場となったハノイのホテル前で私もパチリ。あの日、中継映像などで見ていたホテルを前にして興奮気味です。

 

今回、初めてベトナムを訪れて一番驚いたのは、街中のバイクの多さでした。

20190317_yoshi_002.jpg

これは、朝の通勤風景。どこを見ても、バイク、バイク、バイク!写真の奥の方も全部ですよ!信号の無い交差点も多く、違う方向に向かうバイク同士がぶつかりそうになる場面も。ベトナムでは、大人2人と14歳以下の子ども1人までは同時に乗ってもよいそうで、2人乗り、3人乗りのバイクもよく目にしました。中には、幼稚園ぐらいの子どもを後ろに乗せて走るお母さんの姿も…。子どもが落ちないか心配になるぐらいでしたが、クラクションを鳴らしながら他のバイクと器用にすれ違う様子からは、街の活気も感じられました。

 

それから、ベトナムといえば、やっぱりこれ。

20190317_yoshi_003.jpg

コーヒーですね。甘い事で知られるベトナムコーヒーですが、今回は、中でも今、特に流行っているというコーヒーを試してきました。表面の泡の部分に卵の黄身を使った、その名もエッグコーヒー。さて、そのお味は?

20190317_yoshi_004.jpg

ということで、今回のベトナムロケはコーヒーの話題を中心に…というわけではありません。

①まもなく日本にやってくる技能実習生の女性と、

②枯葉剤の被害者の現状について、取材してきました。

その様子は、今月24日と31日の「せかいま」でお伝えしますので、ご期待ください!!

 

 

 

これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:芳川隆一 坂下千里子 Mr.シップ

2019年3月17日のゲストは、初登場!ベッキーさんです。

 

投稿者:芳川隆一 | 投稿時間:11:51 | カテゴリ:芳川隆一のよしよし!やったるぜ! | 固定リンク


  
2019年03月15日 (金)

週刊Mr.シップ 第百五十五回 「ベネズエラ2」

 

20190315_4koma_benezuera2.jpg

 

オオオオ…オレが、うっかり荷物を忘れるわけないじゃないかヨーソロー。

現地の記者に花を持たせるために、わわわわ…わざと荷物を忘れたんだヨーソロー。

投稿者:Mr.シップ | 投稿時間:17:03 | カテゴリ:週刊Mr.シップ | 固定リンク


  
2019年03月14日 (木)

1.EU離脱 2.アラスカ犬ぞりレース

20190314_art_001.JPG

2019年3月10日の出演者のみなさんです。

左から、芳川隆一キャスター、坂下千里子さん、Mr.シップ、ゲストの前田航基さん、国際部・向井麻里デスクです。

 

1時間目は、今週がヤマ場となったイギリスのEU離脱ついて、国際部・向井麻里デスクが解説しました。

2時間目は、伝統継承しながら動物愛護も…アラスカの犬ぞりレースについてお伝えしました。

 

3月29日に期限が迫った、イギリスのEU離脱。

今週が、イギリスにとって明暗を分けるヤマ場となりそうなんです。

20190314_art_002.png

国際部・向井麻里デスクが解説しました。

 

結局、EU離脱をするのか、しないのか、こればかりは向井デスクも見当がつきません。

イギリスは、いま暗雲垂れ込める状態です。

20190314_art_003.png

 

暗雲の原因となっているのが、離脱するための条件がいろいろと定められている「離脱協定案」です。

これが決まらないと、イギリスはスムーズにEUから離脱できません。

でも内容の一部に議会が反発していて、いま、EUと話し合って修正しようとしています。

話し合いは難航していて、メイ首相自身がEU本部のあるブリュッセルに行って協議するという見方も出ています。

20190314_art_004.png

採決は今週12日に行われますが、いまの段階では難しそうで、否決されるかもしれません。

イギリスが納得できる修正は難しいと見ている人が多いんです。

メイ首相はギリギリまで話し合いを続けるということなので、決着できる可能性はありますが、否決されてしまったら次は、「合意なき離脱」をするのかどうかを判断するための採決が行われます。

採決は、13日に行われますが、イギリス議会には「合意なき離脱」は嫌だ、という議員が多くいて、否決されるという見方が多くなっています。

20190314_art_005.png

「離脱協定案」もダメ、「合意なき離脱」も嫌だとなれば…

ここで、奥の手です。

20190314_art_006.png

「離脱自体を延期するかどうか」を採決しようというものです。

これは、14日に採決が行われます。

メイ首相も、「離脱の延期も検討せざるを得ない」という考えを先日初めてあきらかにしました。

この採決が行われれば、可決される見込みです。

しかし、イギリス議会で可決されるだけでは離脱は延期できません。

来週の21日、22日に開かれるEU首脳会議でイギリスを除く27の加盟国すべてから離脱延期の承認を得る必要があります。

20190314_art_007.png

EU離脱の問題、日本への影響も大きいんです。

イギリスに垂れ込める「暗雲」の影響を受けているのが、イギリスに生産拠点を置く自動車メーカーなど日本企業です。

イギリスに工場があるメーカーの多くは、EUをはじめとする国外から部品を調達しています。

そして、完成した品物の多くをEUに輸出しています。

もし「合意なき離脱」になって、これまでのようにモノのやり取りが自由にできなくなると大きなダメージを受けます。

イギリスの人たちは「離脱がもたらすマイナスの面は深刻かもしれない」と考える人が増えてきたと思います。

最近ロンドンの議会前で掲げられているプラカードには、「EUから離脱すれば、日産、ホンダ、トヨタなどの日本企業はイギリスからいなくなってしまう」と書かれています。

20190314_art_008.png

先月にはホンダがイギリスからの撤退を表明したばかりで、イギリスでは、次はどのメーカーから衝撃の発表があるのかという恐怖が広がっています。

 

ここ数か月、イギリスのEU離脱をめぐる動きは日々変わっていて、正直なところ先行きはわかりません。来週には考えていたのとはまったく違った展開になっているかもしれません。

29日の離脱の日まで3週間を切っているのに大丈夫だろうかと心配になりますが、今週が離脱の行方を左右する運命の1週間になることは確実だと思います。

20190314_art_009.png

 

 

2時間目は、アラスカの犬ぞりレースについて現地から、依田武揚カメラマンが伝えました。

20190314_art_010.png

20190314_art_011.png 

今、アラスカでは1600キロのコースを10日ほどかけて横断する伝統のレースが開かれています。

 

20190314_art_012.png

[アラスカの歴史についてオレが説明するヨーソローワン!]

 

かつては先住民の移動や運搬の手段だった犬ぞりですが、今はスポーツとしての犬ぞりレースが人気です。

しかし動物愛護団体が「過酷なレースは犬の虐待だ」と訴え、伝統ある犬ぞりレースの中止を求めています。

このレースでゴールまでたどり着ける犬は全体の3分の2程度で、脱水症状やケガで走れなくなってしまう犬も多いのです。

 

こうした批判を踏まえ、今回取材した大会では、今年からコースの途中で診察にあたる獣医師の数を増やし、犬の体調管理の態勢を強化しました。

さらにレース中に犬が死んだ場合は失格になるという、新しいルールも作られました。

 

犬ぞりは単なる移動や輸送手段ではありません。

先住民にとって犬は生活の中で密接な関係にあった大切なパートナーだったんです。

先住民たちは今後も、犬を大切にしながらレースを後世にしっかりと残していくと思います。

20190314_art_013.png

 

 

 

これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:芳川隆一 坂下千里子 Mr.シップ

2019年3月17日のゲストは、初登場!ベッキーさんです。

投稿者:芳川隆一 | 投稿時間:13:21 | カテゴリ:せかいま美術館 | 固定リンク


  
2019年03月09日 (土)

週刊Mr.シップ 第百五十四回 「水の泡」

20190309_4koma_mizunoawa.jpg

 

 誰だって、スタートには戻りたくないよな。

投稿者:Mr.シップ | 投稿時間:19:44 | カテゴリ:週刊Mr.シップ | 固定リンク


  
2019年03月08日 (金)

貴重な資料

「せかいま」とは直接、関係はありませんが…。

前の勤務地・広島の時に、取材でお世話になった被爆者の女性がいます。

先日、この方の娘さんから連絡をもらいました。「来月(4月)、改修工事を終えてリニューアルオープンする原爆資料館に、母の資料が常設展示されることになりました」との事。

その資料が、こちらです。

20190308_yoshi_001.jpg

日記です。書いたのは、木村一男さんという18歳の青年。爆心地から約2キロで被爆し、それから3年後、放射線の影響とみられる症状に苦しみながら亡くなりました。

20190308_yoshi_002.jpg

日記には、「体の調子全く悪し。理性も感情も倦怠感に襲われている」など体の不調を訴える言葉や、「教授になりたい。うんと勉強して」など、将来の夢もつづられています。

私が取材でお世話になったのは、木村さんの妹さん。原爆の悲惨さを後世に伝えたいと、日記を原爆資料館に寄贈しました。「兄は理系で、よく難しい話をしてくれました」とか「見舞いに行った兄の病室の窓から、一緒に星空を見ました」など、たくさんの思い出を私に教えてくれました。

これまで、期間限定で展示されるなどしていた木村さんの日記や写真などが、来月から常設展示されることになったのです。

 

20190308_yoshi_003.JPG

妹さんは、「ああ良かった。ずっと繋げていってほしい。娘たちにもしっかり見ておいてほしい」と展示をとても喜んでいると、娘さんが教えてくれました。来月から、原爆資料館に行けばいつでも見られるようになって、私もとても良かったと思っています。

 

まもなくリニューアルオープンする広島市の原爆資料館、ぜひ訪れてみたいです。

 

 

 

これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:芳川隆一 坂下千里子 Mr.シップ

2019年3月10日のゲストは、前田航基さんです。

投稿者:Mr.シップ | 投稿時間:19:12 | カテゴリ:芳川隆一のよしよし!やったるぜ! | 固定リンク


  
2019年03月07日 (木)

中国の経済 波乱が起きる?

20190307_art_001.JPG

2019年3月3日の出演者のみなさんです。

左から、芳川隆一キャスター、国際部松田智樹デスク、坂下千里子さん、Mr.シップ、ゲストの児嶋一哉さん、国際部久米井彩子デスクです。

 

1時間目は、ベトナムのハノイで行われた米朝首脳会談について国際部アメリカ担当・久米井彩子デスクが解説しました。

2時間目は、減速する中国経済を国際部中国担当・松田智樹デスクが解説しました。

 

中国にはこんな言葉があります。

「逢九必乱」(ほうきゅうひつらん)。

末尾に9が付く年は波乱が起きるという意味です。

20190307_art_002.png

実際に1979年には、中国とベトナムの間で戦争が起きたり、1989年には、「天安門事件」が起きたりしました。

今年は2019年。中国ではすでに波乱の予兆が見えているんです。

 

この日は東京マラソン。

せかいまでも、こちらのマラソン会場のセットを使ってお伝えしていきます。

20190307_art_003.png

ランナーは中国の習近平国家主席。

沿道にいる国民の声援を受けて快調に走っています。

 

先ほど、波乱の予兆が見えているとお伝えしましたが、

その波乱の原因の1つが、雨雲になって登場したアメリカです。

20190307_art_004.png

マラソンに雨は大敵。

中国は、去年3月以降、アメリカからかけられた高い関税に悩まされてきました。

20190307_art_005.png

これに対し中国は、アメリカに同じ水準の関税をかけるという手段で身を守ってきました。

しかし、中国への関税の引き上げは続き、いまや輸出する製品のほぼ半分に高い関税がかけられています。その結果、ランナー(習主席)のペースはぐっと落ちてしまいました。

中国では、「空飛ぶクルマ」や人工知能=AIなどのハイテク産業が育ってはいるものの、経済は明らかに減速傾向です。

これが中国の「波乱の予兆」です。

中国って「爆買い」とか景気が良いイメージだったけど、今は違うんです。

20190307_art_006.png

中国で経済成長のスピードがどうして遅くなったのか、オレが説明するヨーソロー

 

「経済成長率」とは、どのくらいのスピードで経済が成長しているかを表す数字です。

マラソンでいえば、ランナーの「ペース」になります。

 

中国の経済規模は世界2位。世界の経済の大きな影響力があります。

そんな中国経済が今後どうなるかを示す数字なので、「目標」でも毎年世界中が注目しているんです。

20190307_art_007.png

(こちらは3年前に松田デスクが中国で撮影した写真です)

 

人々が床に這いつくばって、何かを見ています。

実はこの人たち、世界中から集まった記者なんです。

見ているのは、こちらの政府の報告書です。

20190307_art_008.png

例年30ページ以上もあり、このように漢字がびっしり書かれています。

この中のどこかに、「ことしの経済成長率の目標」が書かれているんです。

記者たちはできるだけ早く世界に発信しようと、報告書を受け取ったらその場で開いて「目標」がどこに書かれているのか必死で探すんです。 

 

ことしの目標はあさってから始まる、年に1度の重要な会議、全人代=全国人民代表大会の初日に発表されます。

去年の成長率は6.6%と28年ぶりの低水準でした。

20190307_art_009.png

今年は去年をさらに下回る「6%~6.5%」になると予想されています。

中国は経済規模が大きいので、経済成長率が少しでも低くなれば、社会のさまざまな分野に影響が出てくると考えられます。

そのため、去年より低い「6%~6.5%」というのは厳しい予想と言えます。

その背景には中国の景気の悪化があります。影響はすでに雇用や企業の活動にも出ています。

中国内陸部の地方都市では多くの人々が仕事を求めています。

地方政府などの財政状況が悪くなり、インフラ投資が減ったことで、建設関係の仕事が減っているためです。

企業は人件費削減のためリストラを行ったり、海外に工場を移すことを考えています。

 

アメリカとの貿易摩擦がもっと深刻になり、中国でさらに仕事がなくなると…

20190307_art_010.png

沿道で習主席を応援していた国民が怒りだしました。

雇用は国民生活に直結するので、不満が高まれば習主席の面目は丸つぶれになります。

中国としては、経済を立て直すために、アメリカとの貿易摩擦を早く終わらせたいというのが本音です。

このため、中国はアメリカに「日本円で130兆円余りもの大豆や天然ガスを輸入しますよ」などと提案しています。

20190307_art_011.png

つまり、「アメリカからたくさんモノを買うことで、トランプ大統領が不満を示しているアメリカの貿易赤字を削減します」という方針です。

そうしてアメリカとの交渉をまとめたいわけですが、中国はもう1つのある問題について、アメリカから攻められています。

それは、走るために大事なアキレス腱とも言える「ハイテク産業」です。

中国は、ハイテク産業を発展させることで経済成長を成し遂げようとしています。

これは習主席の肝いりの国家戦略です。

20190307_art_012.png

しかしトランプ大統領は、そうしたハイテク産業の技術を中国がアメリカから盗んでいると批判しています。

さらに中国は、国内に進出している外国企業の技術を強制的に提供させているとも言われています。

中国はこれを否定していますが、アメリカは「国際ルールに違反している」としてやめるよう求めています。

20190307_art_013.png

アメリカがこのまま強気の姿勢で交渉してきた場合、中国は得意の「持久戦」に持ち込む可能性があります。

20190307_art_014.png

マラソンはスタミナ勝負ですが、中国には長く走り続けることができる、ある“秘策”があるんです。

それは、中国は共産党の1党支配で政権交代がないことです。

 

一方のアメリカはというと…

20190307_art_015.png

ここでトランプ大統領が登場しました。

 

もし、トランプ大統領が来年の大統領選挙で、仮に落選したりすると…。

20190307_art_016.png

トランプ選手、転んでしまいました!

そうすると、アメリカは政権が変わることになります。

そして中国に対して少し優しい政権に変わるかもしれないと期待しているんです。

これは政権交代がない中国だからこそできることと言えます。

 

ただ、持久戦に持ち込んでも経済の厳しい状況が変わるわけではありません。

そのため、仕事を増やすために公共事業をバンバンやったり、消費を呼び起こすために減税したりして景気を良くしようとしているんです。

 

世界が注目する中国経済の行方ですが、今後の注目点は、今月中にも開かれそうな習主席とトランプ大統領の首脳会談です。

そこで、今週のまとめです。

20190307_art_017.png

「逢九必乱 米中波乱!? 今年も注目 チャイナのRUN」

 

ロシア疑惑に追い込まれているトランプ大統領が外交で成果をあげようと、中国に強気の姿勢で臨んでくるかもしれません。

交渉が決裂すれば中国の経済がさらに悪化し、習主席にとっては絶対的だったはずの権力基盤が揺らぐきっかけとなる可能性もあります。

 

習主席にとって、いかに波乱を起こさず順調に走り続けることができるのか、正念場の1年になりそうです。

 

 

 

これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:芳川隆一 坂下千里子 Mr.シップ

2019年3月10日のゲストは、前田航基さんです。

投稿者:Mr.シップ | 投稿時間:13:00 | カテゴリ:せかいま美術館 | 固定リンク


  
2019年03月02日 (土)

週刊Mr.シップ 第百五十三回 「心を読む」

ふむふむ。ふむふむ。

 

20190302_4koma_kokorowoyomu.jpg

投稿者:Mr.シップ | 投稿時間:21:35 | カテゴリ:週刊Mr.シップ | 固定リンク


  
2019年03月01日 (金)

ハノイ

20190229_yoshi_001.jpg

ベトナムの首都ハノイで、2回目の米朝首脳会談が開かれました。

以前、「せかいま」の取材でお世話になった方が、ちょうど仕事でハノイに滞在中とのこと。市内の写真を撮っていただきました。

市内には、米朝首脳会談が開かれることを表すこのような看板があちこちに設置されているほか…。

20190229_yoshi_002.jpg

大通りには、このような柵が張り巡らされていたそうです。両首脳が移動で利用した道路でしょうかね。

 

その米朝首脳会談、アメリカのトランプ大統領と北朝鮮のキム・ジョンウン委員長は、非核化の進め方をめぐって合意に至りませんでした。

先週の「せかいま」では、トランプ大統領とキム委員長の間でどんな「プレゼント交換」が行われるかを展望したわけですが…。

 

20190228_art_020.png

 

結局、プレゼント交換は行われなかったって事ですかね…。

トランプ大統領は会談後の記者会見で、引き続き交渉を進めていきたいという考えを示しました。次回の「プレゼント交換」は、いつになるのでしょうか。

 

 

 

これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:芳川隆一 坂下千里子 Mr.シップ

2019年3月3日のゲストは、児嶋一哉さんです。

投稿者:芳川隆一 | 投稿時間:13:36 | カテゴリ:芳川隆一のよしよし!やったるぜ! | 固定リンク


カテゴリー

新着記事

ブログ内検索

カレンダー

2019年07月
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

バックナンバー


RSS

page top