防げ!感染再拡大 タイ&ドイツの取り組み

2020年5月24日の出演者のみなさんです。
左から、国際部・花澤雄一郎デスク、Mr.シップ、坂下千里子さん、永井伸一キャスターです。
坂下千里子さんは、新型コロナウイルスの感染防止のため、テレワーク出演しました。
放送日時点で、日本の緊急事態宣言の解除は、残り東京など首都圏1都3県と、北海道となりました。
新型コロナウイルス感染対策の参考となる海外の例を、国際部・花澤デスクが解説しました。

経済を徐々に再開させる一方で、第2波は防ぎたいということで、いま盛んに言われているのが「新しい日常」、感染拡大を抑える生活、社会のあり方です。
東南アジアのタイと、ヨーロッパのドイツで見ていきます。
まずはタイの感染者のグラフを見てみます。

1日の感染者数が少なくなったことから、5月3日から、経済活動を段階的に再開しました。
その後3週間経ちますが、感染者数は一桁の日が続いていて、第2波を防いでいると注目されています。
タイではどうやって第2波をおさえているのか、バンコクにあるアジア総局の藤田記者に聞きました。

タイでは「工夫して暮らすこと」で、第2波を防いでいるんです。
バンコクの鉄道の駅では、37度5分以上の熱がある人やマスクをつけていない人は乗車できません。
車両の座席も、一席ごとに間隔を空けて座るよう配置されています。

ピーク時の乗車人数を、感染拡大前の4分の1程度にまで制限しています。
エレベーターでは、足元にあるペダルを踏むと扉が開き、中でもペダルを踏むことで目的の階を指定できるようになっています。
およそ2か月ぶりに営業を再開した商業施設でも、新たな対策で感染を抑え込もうとしています。
ショッピングモールに入る際は、携帯電話でQRコードを読み取って入館手続きをします。
客が入店と退店の登録を行うことで、混雑状況がわかるほか、誰が、いつ、店に立ち寄ったのか把握して、クラスター対策に役立てています。
さらに、ひとりひとりの足元を消毒する徹底ぶりです。

店内ではロボットが巡回しています。
20メートル以内にマスクをしていない人がいればタイ語と英語で注意します。

「(タイ語&英語)マスクをつけてください」。
マスクを着けると、警告が止まります。
マスクの確認だけでなく、体温を測定しています。
タイではすでに5月3日の時点で、店内での食事が可能になりました。
テーブルとテーブルの間には、ついたてをたてて、隣り合って座らないようにシールも貼られています。

しかし、夜の街のバーなどの飲み屋といった繁華街のお店は、まだ閉鎖されたままなんです。
こうした対策をとるタイですが、場所によっては混雑するなど、完ぺきとまではいえません。
今後も「新しい日常」を徹底できるかが焦点となっています。

マスクとか人との距離とか、みんな分かってはいることですが、タイではそれをより守れるようにする細かい工夫が見られましたね。
私たちにも色々なヒントがありました。
そして、それをどれだけ徹底できるかということですね。
続いてはドイツの「新しい日常」を見ていきます。
ドイツの感染者数のグラフです。

一時期に比べて、だいぶ減ってきたことを受けて、先月20日から一部の店舗が再開しています。
第2波を抑える徹底した対策の様子を、ドイツのベルリン支局・山口支局長に聞きました。

ドイツではレストラン、カフェなども、州ごとに営業を再開しています。
これを受けて、街なかには人通りが戻ってきました。
買い物客がショッピングを楽しみ、日常の風景が戻りつつあります。
レストランも営業を再開し、大勢の人でにぎわっています。

「外で飲むのは久しぶりよ。すばらしいわ」。
「天気もよくて良い気分だよ。感染対策は忘れちゃいけないけどね」。
感染対策も怠ってはいません。
こちらの店では、席と席の間をあけるため、客席をおよそ6割減らしました。

多くの人が触れるテーブルの上の塩やこしょうもなくしています。
「感染対策の規則を守るのは義務ですし、すべてやっています。いつになるかは分かりませんが きっと元通りになると思います」。
ドイツは、感染の第1波でも十分な備えをしてきましたが、さらに第2波に備えて行っている「新しい日常」が「PCR検査と暮らす」です。

ドイツでは、大量のPCR検査を行っています。
最大で、1週間に100万件のPCR検査が可能です。
なるべく早く感染者を見つけて自宅などに隔離するためです。
PCR検査では、まず検体を採取しますがドイツでは医師の判断で行われ、通い慣れた近所の「かかりつけ医」のもとで受けることができます。
大量の検体を検査・判定するのは「民間の研究所」。
普段は血液の分析などを行っているところです。
現在は、ドイツ国内の100を超える民間の研究所が、新型コロナウイルスのPCR検査を大量に行う態勢に切り替え、こうした研究所が採取した検体の9割以上を検査しているんです。
研究所のなかには、夜間や休日も検査を行っているところもあります。
検査態勢の充実ぶりに、研究所でつくる協会の幹部も自信を見せています。

「これはドイツのさまざまな検査機関が力を合わせて達成したすばらしい業績です。十分な設備と、有能でやる気のあるスタッフによって可能になったのです」。
さらに、ドイツ政府は症状がない人へも検査を広げていく方針です。
例えば高齢者施設や病院などの入所者や患者については、入る前にまず検査する方針です。
場合によっては、症状が無くても職員を含めて全員の検査を定期的にすることも検討しています。
さらに、民間の研究所での大量の検査・分析を可能にしているものがあるんです。
それが「全自動PCR検査機」です。
こちらは全自動のPCR検査機の1つで、日本のメーカーのものです。

このメーカーのものは、フランスやイタリアをはじめ多くの国で使われています。
手作業に比べて数倍から数十倍の処理能力があるそうです。
全自動検査機はドイツを始め、欧米ではすでにかなり使われていて、大量の検査数を支えています。
日本では、まだほとんど使われていなくて、ようやく導入されつつあるというところです。
そして、感染者が街中にたくさんいるかもしれないと思うと、人々は警戒してあまり外出せず、経済もなかなか回復しないと言われています。
だから「経済回復のためにもPCR検査を増やすべきだ」という声が日本でも上がっています。
欧米などではそれが既に実践されています。
さらにドイツは、第2波が起きたときの備えも着々と強化しているんです。
それは、集中治療用のベッドの増加です。
現在、4万床あり、第1波のピーク時にも1万床ぐらいの余裕がありました。
それでも、ドイツはさらに増やして5万6,000床までにする目標を掲げているんです。
第2波を防ぐ措置、そして第2波が起きた場合の備えを、緻密に着々と進めています。

ドイツ政府は「第二波は必ず来る」と警戒を呼びかけています。
この徹底した対策は、それだけ「経済の再開はリスクが大きい」と心配していることを表しています。
私たちも、「大きなリスク」をしっかりと自覚できるかどうか、それが「新しい日常」の鍵を握っているようです。
【この日の時間割】
1.防げ!新型コロナウイルス 感染再拡大 タイ&ドイツの取り組み
2.“ほめられたい” あの国 EUが警戒

これでわかった!世界のいま
NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送
出演:永井伸一 坂下千里子 Mr.シップ
登録タグ: タイ ドイツ 新型コロナウイルス
投稿者:永井伸一 | 投稿時間:17:03 | カテゴリ:せかいま美術館 | 固定リンク
週刊Mr.シップ 第二百八回 「みんなで頑張る」

日曜日の放送では、他の国がどんな対策をしているのか、お伝えするヨーソロー。
登録タグ: マンガ 新型コロナウイルス
投稿者:Mr.シップ | 投稿時間:21:15 | カテゴリ:週刊Mr.シップ | 固定リンク
アピール...
「せかいま」の永井です。
自宅で過ごす時間が長くなると、
ついつい部屋が散らかったままになりませんか?
でも意外なことが判明しました!
Mr.シップは、掃除が好きなようなんです!!

整理整頓もしたみたいで、キレイな部屋になりました!!!

ただ、「オレがやったんだ、ほめてくれ」って、アピールしてくるんですよね…
そういえば、いま世界を見渡してみると、
“自分の成果をアピールしている国”があるような…
その国とは…今週の「これでわかった!世界のいま」、お楽しみに!
「せかいま」のホームページ

これでわかった!世界のいま
NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送
出演:永井伸一 坂下千里子 Mr.シップ
登録タグ: 掃除 新型コロナウイルス
投稿者:永井伸一 | 投稿時間:16:21 | カテゴリ:永井伸一の目指せ100点満点! | 固定リンク
新型コロナウイルス 第2波 再拡大おそれ警戒続く

2020年5月17日の出演者のみなさんです。
左から、国際部・花澤雄一郎デスク、Mr.シップ、坂下千里子さん、永井伸一キャスターです。
坂下千里子さんは、新型コロナウイルスの感染防止のため、テレワーク出演しました。
日本では14日、39の県で緊急事態宣言が解除されました。
世界中でも徐々に、いろいろな制限が緩和される動きがみられますが、一方で、第2波への不安が高まっています。
国際部の花澤デスクが解説しました。

2つの地域「韓国」と中東地域の「イラン」の事例を見ていきます。

まず韓国を通して見ていくのは、さまざまな制限が解除された後の「気の緩み」についてです。
ソウル支局・徳田記者に聞きました。

こちらは、韓国で感染が確認された人の、日ごとのグラフです。

韓国の感染拡大のピークは、ことし2月末でした。
このときは1日でおよそ900人が確認されましたが、先月に入ったあたりから、感染拡大の勢いが弱まり、新規の感染者数が1ケタとなる日が増えてきていました。
その背景には、大量のPCR検査や、軽症者の受け入れ先の整備の徹底などがありました。
5年前、MERS(マーズ)コロナウイルスの流行で38人が死亡した韓国は、その教訓を生かすことができたと言えます。
ところが、諸手を挙げて喜ぶ状況にはなりませんでした。
ソウルのイテウォンという繁華街にあるナイトクラブでの集団感染が発覚したのです。
韓国政府が「感染防止と経済の両立」をかかげて、さまざまな制限を大幅に緩和した矢先のことでした。
客やその家族、100人以上の感染が確認されました。
ソウルから遠く離れた南部プサンで、ナイトクラブの客から親戚の1歳の子どもが感染する事例も報告されるなど、感染が各地に広がりました。

このため、急激に第2波への不安が高まっているんです。
感染が広がったイテウォンは、日本でいう東京の六本木のような繁華街で、以前は若者や外国人でいつもにぎわっていました。
普段は肩がぶつかるくらい人でにぎわう通りも、今はガラガラで、少し暗い印象があります。

「新しい感染者です。全員、ナイトクラブと関連がありそうで、感染拡大が懸念されます」。
ソウル市は制限を緩和したばかりだったナイトクラブなどに対し、再び営業禁止を命じたのです。

「もっと商売が厳しくなります。回復しつつあったのに、若者たちが気をつけるべきでした」。
「売り上げが、ほぼなくなりました。ここまでひどいのは初めてです」。
一方で、イテウォンから8キロほど離れたヨンドゥンポという繁華街に行ってみると、まったく違う印象を受けます。
営業しているお店が多くて明るい印象です。
政府が密集した場所には行かないようにと呼びかけてますが、実際にはかなり密集したような状況になっています。

「(集団感染が起きて)怖いけど、家にいるばかりでは退屈です」。
営業する店側も深刻には受け止めていないように感じました。

「ここは飲食店街で、普通の食堂がほとんどです。ナイトクラブなどとは全然違うから大丈夫ですよ」。
ナイトクラブから始まった感染は、国内全体のピーク時と比べればわずか5%。
そのため、市民の間ではあまり危機感が広がらず、全体的に「緩んでいる」ようです。
韓国は検査の徹底に加え、感染が疑われる人の行動を携帯電話の位置情報などを通じて監視し、感染拡大を防いできました。

ムン・ジェイン大統領は「韓国の感染対策は世界の模範になっている」と成果を誇り、社会にも感染を抑え込んだという自信が広がっていました。
それが今回のナイトクラブでの集団感染につながったのだと思います。
一度緩んだ警戒はまだ戻りきっていないようで、さらなる感染拡大を抑えられるのか、懸念する声が強まっています。
韓国の感染はどう増えていくのかどうかは分かりませんが、その危うさは指摘されています。
実際に感染を抑え込んだ事実や、政府のメッセージが、感染に対する人々の「気の緩み」をどうしても生んでしまう、ということがよく分かります。
やはりワクチンや薬ができるまで、コロナとの戦いは終わりません。
どんなに感染を抑え込んでいても、クラブはもちろん飲み会などの濃厚な接触というのは大きなリスクになることが分かります。
続いて、中東の第2波の状況を見ていきます。
キーワードは「経済優先」。
イランの状況について、対岸にあるドバイ支局・吉永支局長に聞きました。

イランは2月から急速に感染が拡大しました。
欧米より先に拡大が進み、死者は中東最大の6,900人余り。
ピーク時の3月下旬は1日3,000人を超える感染者が確認されていました。
政府が外出規制などの対策をした結果、先月からは減少傾向になったものの、依然として1日の感染者は1,000人を超えていました。

しかし、イラン政府は経済活動の再開に舵をきってしまったんです。
首都テヘランは、4月中旬に外出規制が緩和され、企業や商店の営業が許可されました。
街では肩が触れ合うほどの混雑も見られ、道路も渋滞しています。
こうした状況に、ある医師は危機感を募らせていました。
「社会活動が戻っていっても、いまの状況では第2波が起こる可能性は極めて高いでしょう」。
そして、案の定、感染者は再びこのような状況になってしまいました。

感染者が再び増加傾向になり、最近では第2波ともいえる状況になったんです。
経済活動の再開で、人と人が接触する機会が増え、感染が拡大したとみられます。
感染が特に深刻な9つの都市で、再びロックダウンを行う事態になっています。
[イランが、どうして経済活動の再開を急いだのか、オレが説明しヨーソロー]
イランを苦しめているのは、新型コロナウイルスだけじゃないんだ。
それは感染が広がる前から続いているアメリカの経済制裁なんだ。
経済制裁でイランのお金の価値は暴落し、物価が急上昇。
経済は厳しい状況だったんだ。
そこに新型コロナウイルスが広まって、人々の暮らしはどんどん悪化。
これを食い止めるためにも、早く経済活動を再開させたかったんだヨーソロー。
シップが説明した背景もあり、イランの政府は予防策を訴えるくらいしかできることがないというのが実情です。
そして、中東諸国ではイランほどではないにせよ、今、経済的に追い詰められている国が増えています。

原油価格が低迷していることが経済を直撃していているんです。
こうしたこともあって経済活動の再開に踏み切る国が増えていて、その後、感染者が増えるという状況が起きているんです。
イランの対岸、UAE=アラブ首長国連邦でも、同じような状況です。

UAEの日ごとの感染者を示したグラフです。
これまでドバイでも、先月まで外出は3日に1回、散歩もダメ、という厳しい措置をとってきましたが、徐々に緩和されています。
ドバイ最大級のショッピングモールでは、小売店やレストランが徐々に再開。
検温やマスクの着用を徹底しています。
店の入り口には、それぞれの店舗に入ることができる買い物客の数が表示されています。

また、床に印をつけて、買い物客の距離を空けたり、テーブルの間隔を空けたりして、対策をしていました。
こうした対策をとっても感染者は増えているんです。
この時期、イスラム教の人たちは親族が集まって食事やお祈りをするんですが、政府は「集まるのは5人まで」と呼びかけています。
しかし、実際には30人もの人が集まって感染が起きたりというケースが起きています。
義務化されているマスクをしていても、口や鼻を覆っていない人が増えています。
政府が経済の再開を進めることで、人々は動き出しましたし、それが緩みにもつながってしまった、と言うことだと思います。
経済と感染対策の両立の難しさが浮き彫りになっています。

経済が悪化すればするほど「経済を優先したい」という圧力が強まります。
経済の悪化を抑えることは感染対策に直結します。
そして「緩んじゃダメ」といくら言ってもこれを止めるのも容易ではありません。
新型コロナウイルスとの戦いはまだ始まったばかりです。
経済を動かしながら緩みを抑える。
長期戦を戦うには、ひとりひとりが油断せずに感染対策を徹底することが求められています。
【この日の時間割】
1.新型コロナウイルス 第2波 再拡大おそれ警戒続く
2.あすWHO総会 国連への影響力強める中国

これでわかった!世界のいま
NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送
出演:永井伸一 坂下千里子 Mr.シップ
投稿者:永井伸一 | 投稿時間:16:48 | カテゴリ:せかいま美術館 | 固定リンク
週刊Mr.シップ 第二百七回 「経済悪化で...」

経済活動を再開させた国では、感染の第2波は起きていないのかヨーソロー?
登録タグ: マンガ 新型コロナウイルス 経済悪化
投稿者:Mr.シップ | 投稿時間:20:21 | カテゴリ:週刊Mr.シップ | 固定リンク
ここでクイズです!
「せかいま」の永井です。
自宅での過ごし方、ワタクシの知り合いで、
家族で「クイズ」を出しあって、楽しんでいるという人がいました。
ということで、Mr.シップとワタクシからもクイズです!
今から出すものを、アルファベット3文字で答えてくださいね!

続いては、

もう一つ、

分かりましたか???
正解は…
17日(日)放送の「これでわかった!世界のいま」をご覧ください!
「せかいま」のホームページ
これでわかった!世界のいま
NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送
出演:永井伸一 坂下千里子 Mr.シップ
登録タグ: WHO 新型コロナウイルス 永井伸一
投稿者:永井伸一 | 投稿時間:15:36 | カテゴリ:永井伸一の目指せ100点満点! | 固定リンク
新型コロナウイルスより仕事? 欧米で経済再開の動き

2020年5月10日の出演者のみなさんです。
左から、国際部・花澤雄一郎デスク、Mr.シップ、坂下千里子さん、永井伸一キャスターです。
坂下千里子さんは、新型コロナウイルスの感染防止のため、テレワーク出演しました。
日本は緊急事態宣言が今月31日まで延長されました。(放送日時点)
今回も世界の新型コロナウイルスをめぐる状況を、花澤デスクとお伝えしていきます。

感染対策と経済のバランスを各国がどうとっていくのか。
日本にとっても重要なポイントです。
経済活動の制限をゆるめ始めたアメリカとヨーロッパの状況を見ていきましょう。
まずは、アメリカ。
感染者は、130万9,541人。
死者は、7万8,794人。
アメリカは、政府が求めた外出自粛が4月いっぱいで期限を迎えました。
トランプ大統領は経済活動を再開させる3段階の目安を発表して、実際の判断は各州の知事が行っています。
そしていま、経済活動再開の動きが広がっています。
そのアメリカの現状について、ニューヨークにるアメリカ総局の及川利文記者に聞きましょう。
アメリカ総局・及川記者)
活動再開の動きを、アメリカの地図で見てみましょう。

黄色が、経済活動を再開した州です。
一部の経済活動を再開させた州は、全米50州のうち7割以上の38州にのぼっています。
その背景にあるのは、経済へのあまりに大きな影響です。
今回の感染拡大で、新たな失業保険を申請が3000万件以上にのぼっています。
トランプ大統領も「国を元に戻さないといけない」と述べて、経済活動の早期再開の必要性を強調しています。

「コロナより仕事」だという国民の声の高まりが再開を後押ししていると言えそうです。
アメリカでは感染拡大以降、各地でデモが起きています。
参加した人たちが「働かせて」とか「仕事に戻して」というメッセージを掲げ、経済活動の早期再開を求めているんです。
感染状況は州によって、だいぶ異なっています。
たとえば、西部のモンタナ州では、感染者は3週間以上一桁で、最近はゼロの日も多くなっています。

このため経済活動を一部再開しました。
一方、ニューヨークは今も深刻な状況で、経済活動の再開にはまだ慎重です。

問題は、まだ十分に感染者が減っていないのに、再開に踏み切る州があることです。
カリフォルニア州は8日から再開しましたが、新たな感染者数は増加傾向にあるんです。

州知事は「科学的な判断」と言いながら、デモなどの圧力で再開に踏み切ったんじゃないかと報じられています。
そのため、また感染が拡大するのではないかと、非常に心配されています。
実際に経済を再開させた州のうち12の州で、新たな感染者が増え始めています。
アメリカは人々の声に押されるかたちで経済を再開を急いでいて、感染対策とのバランスに苦悩しています。
続いてはヨーロッパの再開の動きについて、見ていきます。
ヨーロッパでは厳しい制限措置が取られてきましたが、ここにきて、イタリア、スペイン、ドイツ、オーストリアなど、続々と経済活動を再開する動きが広がっています。
ただし、レストランなどでの店内の飲食はまだほとんど許されていません。
そしてフランスでは、11日から経済活動が一部再開されます。
フランスの様子を、ヨーロッパ総局・藤井俊宏記者に聞いてみましょう。

ヨーロッパ総局・藤井記者)
感染者が17万人にのぼるフランスでは、7週間以上続けてきた外出制限が大幅に緩和されて
商店の営業が認められるなど、経済活動が動き出します。

パリの観光名所シャンゼリゼ通りは、外出制限が始まったころに比べると、かなり車が戻ってきているようです。
まだ、お店は閉まっているので、歩く人の姿はあまりありません。
一方で、パリ東部の広場には多くの人が集まっていました。
フランスでは午前10時から午後7時までは、散歩や運動などもしてはいけませんが、たくさんの人がいます。
外出制限の緩和を前に人々はもう緩んでいる感じです。

「天気がいいので、少し外に出ただけです。月曜には制限が解除されるからだんだん人が多くなっています」。
ヨーロッパ総局・藤井記者)
フランスが解除にふみきったのは経済への影響が深刻なことが背景にあります。
ただ最も大切にしたのは、“医療を守りながら再開する”ということです。
フランスでは新たな感染者とともに重症者の数も減ってきています。

1か月前にはICU=集中治療室で治療を受ける人が7000人を超えていましたが、今では3000人を下回るまでに減っています。
医療現場に余裕が出てきていることが、大きな理由なんです。
それに加えフランスでは、医療データを細かく分析して地域ごとに解除の内容を変えているんです。
フランス政府が発表した地図がこちらです。

フランス全土が赤と緑に色分けされています。
全土を101の地域に分け、地域ごとに医療崩壊に陥る危険性を分析しています。
赤は医療崩壊の危険がより高く、低いのが緑です。
救急外来を訪れた患者のうち、感染が疑われる人の割合やICUに占める感染者の割合などを細かく公開して、それをもとにレベル分けしているんです。
赤と緑の両方で11日から商店の営業の再開が認められますが、違いは公園と学校です。
緑の地域では、公園が開放され、学校は幼稚園から高校まで徐々に再開されます。
一方で、赤の地域では、公園の閉鎖は続き、中学校と高校は再開されません。
親が仕事を再開するには小さな子どもに行っていてもらう必要があるため、幼稚園と小学校だけは再開することになりました。

さらに赤い地域では仕事には行っていいものの、可能な限り在宅勤務が求められます。
ただ、緑と赤、どちらの地域でも、まだ、レストランやカフェなどは店内での飲食はできません。
不安を募らせているフランス料理店の日本人シェフを取材しました。

パリ南部でフランス料理店を営む紀川倫広(きがわ・みちひろ)さんです。
飲食店の営業制限が続くこの2か月近く、店内での営業はできず、持ち帰りの料理をつくる日々が続いています。
フランスで修行を重ね、9年前に念願の自分の店をオープンさせました。
去年、銀行から資金を借りて店を全面改装し、理想の店作りに向けて動き出した矢先の感染拡大でした。
営業制限で、売り上げは以前の2割にまで落ち込みました。
苦しい経営の中で、3人の従業員のうち2人を一時解雇しました。
2人にはフランス政府から、それまでの給与の85%が支給されています。
この苦境を乗り切ろうと、紀川さんは調理するだけでなく自ら配達も行っています。
フランスでは、借金の返済や家賃の支払いは国の措置で、当面、猶予されています。
それでも、いつになれば店を再開し従業員を呼び戻せるのか、客足は戻るのか、不安はつきません。

「再開許可が下りるまでは、配達とテイクアウトをやるしかない。明けた後にローンや家賃の支払いが始まります。お客さんはそんなに入りません、ということになると自動的に倒産になるので、収束した後からのことのほうが怖いですね」。
制限を緩和した結果、再び感染者が増えれば、結局、厳しい制限に逆戻りということになります。
第2波はアメリカでもヨーロッパでも心配されています。
その中でも、ひとりひとりが感染を防ぐ行動を徹底できれば、経済活動の幅をより広げることにつながります。
感染対策と経済をなるべく高いレベルで実現するために、今後も私たちひとりひとりの意識と行動が問われていくことになりそうです。

【この日の時間割】
1.新型コロナウイルスより仕事? 欧米で経済再開の動き
2.感染対策で進む強権化



これでわかった!世界のいま
NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送
出演:永井伸一 坂下千里子 Mr.シップ
登録タグ: アメリカ フランス 新型コロナウイルス
投稿者:永井伸一 | 投稿時間:16:33 | カテゴリ:せかいま美術館 | 固定リンク
週刊Mr.シップ 第二百六回 「生活を変える」

たくさんの「変えなきゃいけないこと」があるけど、
「飛沫感染」と「接触感染」を意識すれば、どう対策すればいいかが見えてくるんだヨーソロー。
登録タグ: マンガ 新しい生活様式 新型コロナウイルス
投稿者:Mr.シップ | 投稿時間:20:46 | カテゴリ:週刊Mr.シップ | 固定リンク
お聞きいただき感謝&日曜日は総合テレビで!
先日(4日)にワタクシ・永井、
FM「頑張れ!みんな!今日は一日「応援歌(エール)三昧」
お昼の0時15分から夜9時15分までの生放送を担当しました。
この長丁場を一緒に司会したのが、

中川安奈アナウンサー!
マスク姿ですので、プロフィールは以下にてチェックしてくださいね。
中川安奈 | NHK アナウンス室
皆さんからリクエスト&メッセージ、
たくさん頂きました!

本当にありがとうございました!!
洋の東西を問わず、ジャンルも関係なく、様々な応援歌、
とっても元気になった9時間生放送でした!!!
そして、日曜日は「これでわかった!世界のいま」、
Mr.シップとともに、
皆さんのことをお待ちしております!!!!

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出演:永井伸一 坂下千里子 Mr.シップ
登録タグ: ラジオ 中川安奈 新型コロナウイルス
投稿者:永井伸一 | 投稿時間:16:33 | カテゴリ:永井伸一の目指せ100点満点! | 固定リンク
ドイツの医療崩壊対策&経済悪化にブラジルは

2020年4月26日の出演者のみなさんです。
左から、国際部・花澤雄一郎デスク、Mr.シップ、坂下千里子さん、永井伸一キャスターです。
坂下千里子さんは、新型コロナウイルスの感染防止のため、テレワーク出演しました。
今回も世界の新型コロナウイルスをめぐる状況を、花澤デスクとお伝えしていきます。

今回のテーマは2つです。
「医療崩壊をどう防ぐのか」そして感染を防ぎながら「経済をどう守っていくのか」。
日本にも突きつけられている重要な問題です。
ドイツ・ベルリンの山口支局長と、ブラジル・サンパウロの小宮支局長が現地の状況を伝えました。

まずは「医療崩壊をどう防ぐのか」。
ドイツは医療崩壊を防いだことで死者を少なく抑えられた、と評価されています。
こちら、世界の感染状況の最新のデータです。

ドイツの感染者数は15万6,513人と、5番目に多くなっています。
ただ死者数は、5,877人でほかの国に比べてかなり少ないんです。
医療崩壊を防ぐことで多くの命を救ったと言われています。
なぜ死者が抑えられているのか、ベルリンの山口支局長に聞きました。
ベルリン・山口支局長)
ドイツはそもそも医療先進国で集中治療のベッドの数も多かったのですが、対策も早かったんです。
ポイントは2つ。
「軽症者の早期発見」と「病院のベッド確保」です。
まずは「軽症者の早期発見」についてですが、ドイツではものすごい多くのPCR検査が実施されているんです。

その数は、ピーク時には1週間に40万件にのぼります。
日本はきのうまでの1週間でおよそ3万6000人が検査を受けているので、日本の10倍以上の検査が行われているということになります。
これによって、重症化する前の感染者をいち早く見つけ出しているんです。
そして、軽症者は基本的には、自宅療養となるのですが、その間も患者のサポートを徹底的に行っています。

医師がテレビ電話で話しているのは、自宅療養中の患者です。
かかりつけ医が毎日、午前と午後の2回、症状を確認しています。
症状が悪化する兆候があれば専門の病院へ連絡し、すぐに入院することができます。
もうひとつのポイント「病院のベッドの確保」を見ていきます。
日本でも、すでに病床のひっ迫が報告されてきていますが、ドイツの状況は?
ベルリン・山口支局長)
ドイツはひとまず、最初の感染のピークを過ぎたと言われています。
そのピーク時でも、重症患者を治療するための集中治療のベッドはかなり余裕がありました。
いまも1万床の空きがあると言われています。
それは、政府がベッドを確保するために政策をとってきたからなんです。
[ドイツの「病院のベッドの確保」については、オレが説明するヨーソロー]
ドイツは、感染者が急増する前から、着々と準備を進めていたんだ。
3月中ごろには、病院に対して、急ぎじゃない手術を延期してベッドをあけるように求めたのさ。
そしてベッドをあけた病院には、1床につき1日およそ6万5000円の補助金を出すことにしたんだ。
さらに、症状が重い患者のための集中治療のベッドを新しく用意したら、1床につきおよそ580万円を出すんだぜ!
おかげで集中治療のベッドは、これまでの1.4倍の4万床にまで増えたんだってヨーソロー!
花澤デスク)
医療崩壊を防ぐには、結果、余っても良いから医療体制を大幅に増やしておくこと。
そして、軽症者にはきめ細かく対応してすぐに入院できるようにすること。
これが非常に重要だということがわかります。
それにはやはり政府の政策、リーダーシップが鍵を握っているようです。
続いては、もうひとつのテーマ「経済をどう守る」のか、見ていきましょう。
感染対策と、それによっておきる経済の悪化を防ぐ、このバランスにいま多くの国が悩んでいます。

こうした中で、ブラジルのボルソナロ大統領は、徹底して「経済」を重視しているんです。
ブラジルではいま感染者が5万人を超え、死者も4,057人と感染が拡大しています。

サンパウロの小宮支局長に聞きました。

サンパウロ・小宮支局長)
ボルソナロ大統領は、高齢者には外出を控えるよう求める一方で、21才から64才までの人は働くべきだと言っているんです。
感染対策による経済の停滞をとても恐れているからです。
そして、新型コロナウイルスが深刻な病気であること自体、認めていないんです。

「私にとっては、こんなものに感染する心配もないし、かかったとしても軽いインフルエンザか、ただのカゼだ」。
毎週、自らのSNS上に、マスクをせずに国民と記念撮影をしたり、握手をしたりする映像を繰り返し投稿しています。
ボルソナロ大統領が感染対策よりも経済を優先する背景には、人口の20%とされる貧困層の問題があります。
感染対策で経済が悪化すれば貧しい人々が生活できなくなり、命に関わると考えているのです。
こうした大統領の姿勢は貧困層を中心に支持を集めています。

「失業は貧困、飢餓を死をもたらしてしまう。貧しい国は、日々の食糧を求めて働かなくてはならないんだ」。
さらにボルソナロ大統領は、経済が悪化すれば、犯罪も増えると心配しています。
そこで、貧しい人たちへの対策を強化しているんです。
まずは、給付金です。
ブラジルには、月収が1万円以下の人たちが、およそ2000万人います。
こうした人たちに、毎月収入とほぼ同額の給付を始めました。
申請はネットで行って、2日後にはお金を受け取ることができます。
また、仕事を増やそうともしています。
目をつけたのは感染拡大で需要が増えている宅配の仕事です。

サンパウロでは、ご覧のように自転車を使って、配達の仕事をする人が増えています。
宅配をする人を新しく雇う企業や店舗に対して政府が助成金を出しているんです。
この取り組みで新しく仕事を得た人はサンパウロだけで10万人を超えました。
こうした取り組みで、大統領の支持率も上がり始めています。
ただ、その一方で、このままでは感染が拡大してしまうのではないかと、心配の声も上がっています。
ドイツにも「経済をどう守るか」について、聞いてみました。
ベルリン・山口支局長)
ドイツも、感染拡大は抑えなければならないんですが、経済への悪影響も抑えようと、先週から、小規模なお店などの営業再開を認めたんです。
徐々に町に人が戻りつつあります。

店も対策を取った上で、営業を再開しています。
本屋の店先には「マスクをして、間隔を空け、店に入れるのは5人まで」と書かれた看板が置かれています。
自動車メーカーも止まっていた工場を再開させるなど、町全体に活気が戻りつつあるんです。

「みんな距離を取ってびくびくしているけど、やっぱり町には活気が必要よね」。
「再開には賛成だけど、感染対策もしっかりしてほしいね」。
メルケル首相は、早すぎる緩和には慎重なんですが、経済のことも考えなければならず迷いも見られます。
ドイツはいま、国民も、そして政府も、経済の再開と感染対策という2つの間で揺れています。

ベルリン・山口支局長とサンパウロ・小宮支局長のまとめはこちら。

サンパウロ・小宮支局長)
「ウイルスとともに」。
ボルソナロ大統領の姿勢は、一見無茶に見えますが、それだけブラジルは貧困や犯罪が深刻だ、とも言えます。
しかし、感染者が増えれば、国民の考えも変わるかもしれません。
ブラジルの取り組みが今後どんな結果につながるのか。
多くの国にとって重要なものとなりそうです。

ベルリン・山口支局長)
「感染の初期段階」。
メルケル首相も専門家も一貫して「ドイツは感染の初期段階にある」と言い続けています。
第一の波は越えつつあるが、今は第二の波がくることに警戒を続けている。
経済とのバランスに神経を使いながら、ウイルスの脅威が長期にわたって続くことを覚悟して乗り越えようとしています。

花澤デスク)
日本では、まず、外出や人との接触を避けて徹底した感染対策をしなければなりません。
そして同時に、医療崩壊を防ぐ取り組みは徹底して行う、人員もそのためのお金も十分に投じる必要があります。
「やり過ぎ」ということはありません。
そのうえで経済へのダメージをどう小さくしていくのか、ということになります。
ウイルスとの戦いは長期戦です。
各国の経験から学びそれを生かせるのか、多くの命を左右することになります。
【この日の時間割】
1.ドイツの医療崩壊対策&経済悪化にブラジルは
2.新型コロナウイルス 発生源は?

これでわかった!世界のいま
NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送
出演:永井伸一 坂下千里子 Mr.シップ
登録タグ: ドイツ ブラジル 新型コロナウイルス
投稿者:Mr.シップ | 投稿時間:17:21 | カテゴリ:せかいま美術館 | 固定リンク