2018年07月19日 (木)

なぜいま?プラスチックストロー問題

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2018年7月15日の出演者のみなさんです。

左から、芳川隆一キャスター、坂下千里子さん、Mr.シップ、ゲストの古坂大魔王さん、国際部横川浩士デスクです。

いま、環境汚染をもたらしているとしてプラスチックストローをやめようという動きが世界で広がっています。

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その理由を国際部横川デスクが解説しました。

 

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プラスチック製ストローは欧米の各地で禁止され始めています。

代わりに、紙のストローや筒状のパスタが使われています。

 

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さらにアメリカの大手コーヒーチェーン「スターバックス」では、2020年までに全世界の店舗でプラスチック製ストローを廃止し、紙のストローへ切り替えると発表しました。

 

タピオカミルクティが名物の台湾では、プラスチック製ストローの提供を禁止する方針が示され、市民から「これからどうやってタピオカを吸うんだ?」という声が出ています。

 

プラスチック製品の中で、なぜ「ストロー」ばかりが禁止になるのか?

それは“比較的取り組みやすいこと”があげられます。

さらに、ウミガメが鼻にストローを詰まらせ苦しんでいる動画が最近になってSNSで拡散されたことも注目されたことも理由の一つです。

 

ただ肝心なことは、これがストローの問題だけではなく、プラスチックごみ全体の問題だということです。

世界では今、プラスチックごみがどんどん海に流れ込んで深刻な事態をもたらしています。

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プラスチックごみが海の中に入るとどんなことになるのか、こちらで説明します。

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スーパーの袋などのプラスチックごみをクジラやオットセイといった大型生物が間違って飲み込んでしまうと…

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死んでしまったり、破片で体が傷つけられたりします。

 

本来海には存在しなかったプラスチックですが、このように海底に沈んだりすると大型の海洋生物がエサと間違えてしまうなど、海の生態系に深刻な影響を与えてしまうんです。

 

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[プラスチックが問題になってるけど、プラスチックは海の中だとさらにやっかいな存在になっちまうんだヨーソロー。]

 

アニメの中でマーメイドが言っていた大きな問題というのは、5ミリ以下の「マイクロプラスチック」が、海に残留している有害な化学物質を吸着していくことなんです。

これを魚や貝がエサと間違えて食べてしまうと、マイクロプラスチックと一緒に有害物質を体内に取り込むことになります。

食物連鎖の過程でこれが繰り返されると有害物質の濃度が高くなり生態系に影響が出るおそれがあります。

ただマイクロプラスチックはまだ注目され始めたばかりで、その危険性などまだ研究途上でわかってないことも多いのです。

こうしたマイクロプラスチックは世界の海に5兆個あるともいわれていて、回収するのはもう不可能で今も際限なく増え続けています。

 

プラスチックが登場してから現在まで、地球で排出されたプラスチックごみの積算量は50億トン以上に達します。

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このままいけば2050年にはその量は5倍以上になるとの試算もあります。

 

日本ではごみの分別に積極的に取り組んだりリサイクルに回したりして、プラスチックごみを減らす努力をしてきました。

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でも、リサイクルにまわせるのは、家庭などできれいに洗って、ゴミとしてきちんと分別して出したもの。

事業所や駅などの公共の場で出たプラスチックごみは、油が付いていたままだったり汚れていたりして、国内ではリサイクルされずに中国に買い取ってもらっていました。

しかし、その中国が海外から汚れたプラスチックごみを買い取るのをやめると言い出したのです。

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そもそも中国がなぜ世界中からプラスチックを買い取っていたか?

中国は人件費が安いため石油原料から新たにプラスチック製品を作るより、日本などから汚れたプラスチックごみを買い取って洗浄し、リサイクルした方がコストが抑えられたのです。

こうして大量に安価なプラスチック商品を作ってきた中国ですが、汚れたプラスチックごみを洗浄するときに出る洗剤などによる土壌汚染が深刻化し、プラスチックごみの買い取りをやめました。

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この決定により、日本や欧米では行き場を失ったプラスチックごみが溜まり、もう待ったなしの状態になっています。

 

そんななかすでに動き出している国もあります。

国連環境計画=UNEPが先月発表した報告書では、使い捨てプラスチック製品の禁止や課金する制度を設けているのは世界60か国以上にのぼります。

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さらに先月のG7サミットでも使用するプラスチック製品の具体的な削減量を盛り込んだ「海洋プラスチック憲章」が議論されました。

日本は国内の業界団体との調整がつかないとしてアメリカとともに署名しませんでしたが、来年に向けて「プラスチック資源循環戦略」の策定を目指しています。

これまで以上にプラスチック製品の使用の削減やリサイクルを促進し、世界に巻き返しを図ろうとしているのです。

 

ここでみなさんに覚えておいていただきたいことばを紹介します。

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英語で「ラストストロー」(=最後のわら)という慣用句です。

ストローというのは英語でもともと「わら」のこと。

強靭なラクダにたくさんの荷物を載せて、まだ大丈夫だと思って最後に1本わらを加えたら…

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そのたった1本でラクダが倒れてしまったという話です。

小さな差が、取り返しのつかない重大な結果を招く引き金になるという意味です。

 

今回のプラスチックごみの話のきっかけになったプラスチックストロー。

1本1本は小さなものですが、これが地球にとってのラストストローになって地球の環境に取り返しのつかない事態にならないよう、私たち1人1人が真剣に捉えて取り組まなければいけない時期に来ているといえます。

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※リハーサル時の写真も掲載しています。


 

これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:芳川隆一 坂下千里子 Mr.シップ

2018年7月22日のゲストは、初登場!吉沢悠さんです。

 

 

投稿者:芳川隆一 | 投稿時間:20:57


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