2020年05月28日 (木)

防げ!感染再拡大 タイ&ドイツの取り組み

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2020年5月24日の出演者のみなさんです。

左から、国際部・花澤雄一郎デスク、Mr.シップ、坂下千里子さん、永井伸一キャスターです。

坂下千里子さんは、新型コロナウイルスの感染防止のため、テレワーク出演しました。

 

放送日時点で、日本の緊急事態宣言の解除は、残り東京など首都圏1都3県と、北海道となりました。

 

新型コロナウイルス感染対策の参考となる海外の例を、国際部・花澤デスクが解説しました。

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経済を徐々に再開させる一方で、第2波は防ぎたいということで、いま盛んに言われているのが「新しい日常」、感染拡大を抑える生活、社会のあり方です。

東南アジアのタイと、ヨーロッパのドイツで見ていきます。

 

まずはタイの感染者のグラフを見てみます。

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1日の感染者数が少なくなったことから、5月3日から、経済活動を段階的に再開しました。

その後3週間経ちますが、感染者数は一桁の日が続いていて、第2波を防いでいると注目されています。

タイではどうやって第2波をおさえているのか、バンコクにあるアジア総局の藤田記者に聞きました。

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タイでは「工夫して暮らすこと」で、第2波を防いでいるんです。

 

バンコクの鉄道の駅では、37度5分以上の熱がある人やマスクをつけていない人は乗車できません。

車両の座席も、一席ごとに間隔を空けて座るよう配置されています。

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ピーク時の乗車人数を、感染拡大前の4分の1程度にまで制限しています。

 

エレベーターでは、足元にあるペダルを踏むと扉が開き、中でもペダルを踏むことで目的の階を指定できるようになっています。

 

およそ2か月ぶりに営業を再開した商業施設でも、新たな対策で感染を抑え込もうとしています。

ショッピングモールに入る際は、携帯電話でQRコードを読み取って入館手続きをします。

客が入店と退店の登録を行うことで、混雑状況がわかるほか、誰が、いつ、店に立ち寄ったのか把握して、クラスター対策に役立てています。

さらに、ひとりひとりの足元を消毒する徹底ぶりです。

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店内ではロボットが巡回しています。

20メートル以内にマスクをしていない人がいればタイ語と英語で注意します。

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「(タイ語&英語)マスクをつけてください」。

マスクを着けると、警告が止まります。

マスクの確認だけでなく、体温を測定しています。

 

タイではすでに5月3日の時点で、店内での食事が可能になりました。

テーブルとテーブルの間には、ついたてをたてて、隣り合って座らないようにシールも貼られています。

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しかし、夜の街のバーなどの飲み屋といった繁華街のお店は、まだ閉鎖されたままなんです。

こうした対策をとるタイですが、場所によっては混雑するなど、完ぺきとまではいえません。

今後も「新しい日常」を徹底できるかが焦点となっています。

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マスクとか人との距離とか、みんな分かってはいることですが、タイではそれをより守れるようにする細かい工夫が見られましたね。

私たちにも色々なヒントがありました。

そして、それをどれだけ徹底できるかということですね。

 

 

続いてはドイツの「新しい日常」を見ていきます。

ドイツの感染者数のグラフです。

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一時期に比べて、だいぶ減ってきたことを受けて、先月20日から一部の店舗が再開しています。

第2波を抑える徹底した対策の様子を、ドイツのベルリン支局・山口支局長に聞きました。

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ドイツではレストラン、カフェなども、州ごとに営業を再開しています。

これを受けて、街なかには人通りが戻ってきました。

 

買い物客がショッピングを楽しみ、日常の風景が戻りつつあります。

レストランも営業を再開し、大勢の人でにぎわっています。

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「外で飲むのは久しぶりよ。すばらしいわ」。

「天気もよくて良い気分だよ。感染対策は忘れちゃいけないけどね」。

 

感染対策も怠ってはいません。

こちらの店では、席と席の間をあけるため、客席をおよそ6割減らしました。

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多くの人が触れるテーブルの上の塩やこしょうもなくしています。

「感染対策の規則を守るのは義務ですし、すべてやっています。いつになるかは分かりませんが きっと元通りになると思います」。

 

ドイツは、感染の第1波でも十分な備えをしてきましたが、さらに第2波に備えて行っている「新しい日常」が「PCR検査と暮らす」です。

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ドイツでは、大量のPCR検査を行っています。

最大で、1週間に100万件のPCR検査が可能です。

なるべく早く感染者を見つけて自宅などに隔離するためです。

PCR検査では、まず検体を採取しますがドイツでは医師の判断で行われ、通い慣れた近所の「かかりつけ医」のもとで受けることができます。

大量の検体を検査・判定するのは「民間の研究所」。

普段は血液の分析などを行っているところです。

現在は、ドイツ国内の100を超える民間の研究所が、新型コロナウイルスのPCR検査を大量に行う態勢に切り替え、こうした研究所が採取した検体の9割以上を検査しているんです。

研究所のなかには、夜間や休日も検査を行っているところもあります。

検査態勢の充実ぶりに、研究所でつくる協会の幹部も自信を見せています。

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「これはドイツのさまざまな検査機関が力を合わせて達成したすばらしい業績です。十分な設備と、有能でやる気のあるスタッフによって可能になったのです」。

 

さらに、ドイツ政府は症状がない人へも検査を広げていく方針です。

例えば高齢者施設や病院などの入所者や患者については、入る前にまず検査する方針です。

場合によっては、症状が無くても職員を含めて全員の検査を定期的にすることも検討しています。

さらに、民間の研究所での大量の検査・分析を可能にしているものがあるんです。

それが「全自動PCR検査機」です。

こちらは全自動のPCR検査機の1つで、日本のメーカーのものです。

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このメーカーのものは、フランスやイタリアをはじめ多くの国で使われています。

手作業に比べて数倍から数十倍の処理能力があるそうです。

全自動検査機はドイツを始め、欧米ではすでにかなり使われていて、大量の検査数を支えています。

日本では、まだほとんど使われていなくて、ようやく導入されつつあるというところです。

そして、感染者が街中にたくさんいるかもしれないと思うと、人々は警戒してあまり外出せず、経済もなかなか回復しないと言われています。

だから「経済回復のためにもPCR検査を増やすべきだ」という声が日本でも上がっています。

欧米などではそれが既に実践されています。

 

さらにドイツは、第2波が起きたときの備えも着々と強化しているんです。

 

それは、集中治療用のベッドの増加です。

現在、4万床あり、第1波のピーク時にも1万床ぐらいの余裕がありました。

それでも、ドイツはさらに増やして5万6,000床までにする目標を掲げているんです。

第2波を防ぐ措置、そして第2波が起きた場合の備えを、緻密に着々と進めています。

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ドイツ政府は「第二波は必ず来る」と警戒を呼びかけています。

この徹底した対策は、それだけ「経済の再開はリスクが大きい」と心配していることを表しています。

私たちも、「大きなリスク」をしっかりと自覚できるかどうか、それが「新しい日常」の鍵を握っているようです。

 

 

 

【この日の時間割】

1.防げ!新型コロナウイルス 感染再拡大 タイ&ドイツの取り組み

2.“ほめられたい” あの国 EUが警戒 

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これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:永井伸一 坂下千里子 Mr.シップ

登録タグ:   

投稿者:永井伸一 | 投稿時間:17:03


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