2020年03月19日 (木)

イギリス離脱で 揺れるEU

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2020年3月15日の出演者のみなさんです。

左から、永井伸一キャスター、Mr.シップ、ゲストの鈴木ちなみさん、坂下千里子さんです。

 

 

新型コロナウイルスの影響で、家の中で過ごす時間が長くなりましたね。

 

伸さん「シップ。ゲームでもする?」。

Mr.シップ「よーし、将棋しようぜ!」。

伸さん「いやいや、ゲームと言えば、オセロでしょ」。

Mr.シップ「いや、将棋だろ」。

伸さん「オセロでしょ」。

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Mr.シップ&伸さん「ぜんぜんまとまらないよー!」。

 

まとまらないといえば、EU。

イギリスの離脱をめぐるゴタゴタが落ち着いたと思ったら、なんだか、まだもめているみたいなんです。

いったいどういうことなのか、国際部ヨーロッパ担当・長尾香里デスクが解説しました。

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EUといえば、1月末にイギリスが離脱しました。

これをきっかけにバラバラになってしまう心配が出てきているんです。

 

こちらを使って説明をしていきます。

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EUということで「いい湯~」のお風呂「EU浴場」です。

大きなお風呂に、EU加盟国が入っています。

EUは大勢の仲間が協力しあう必要があります。

ここにはイギリスも含めて、28か国がお風呂に入っていました。

このお風呂のお湯のタンクには「予算」と書かれています。

お金は、EUの加盟国が出し合っているんです。

その内訳を見てみると…。

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国の経済力によって違っているのですが、イギリス、ドイツ、フランス、イタリアの4か国で全体のおよそ6割を負担していました。

しかし、全体の1割余りを負担していたイギリスがEUから離脱したんです。

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すると、お湯の量にも変化が出てきます。

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なんだか寒そうにしている人たちがいます。

ポーランドやハンガリーなどといった比較的経済規模が小さな国々です。

こうした国々は、道路の建設などが遅れていることもあって、EUから支援を受けていますが

「支援が減れば、EUに入ったメリットが小さくなってしまう」と感じています。

そこで…。

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予算を減らさずに、お金を持っている国が、減った分の穴埋めをしてほしいと主張しています。

これについて、EUは先月、首脳たちが集まって予算について話し合いましたが、結論を出すことができませんでした。

このままもめ続けると、イギリス以外にも「EUにいても意味ある?」と言い出す国が出てくるかもしれません。

このままではバラバラになってしまうかもしれないと、EUにとって大きな悩みの種となっているんです。

 

そしてEUは、ほかにも悩みを抱えているんです。

それは、こちらの国々に関することです。

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ヨーロッパの南東にあるバルカン半島とよばれる地域です。

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この地域にある6か国(モンテネグロ/セルビア/北マケドニア/アルバニア/ボスニア・ヘルツェゴビナ/コソボ)は、イギリスとは逆にEUに入りたがっているんです。

 

[EU に入りたがってる国々についてオレが説明するマケ~!]

 

6か国は、EUに入って、豊かになりたいと思っています。

中でもマケドニアは、EUに入るために、国の名前を「北マケドニア」に変えました。

北マケドニアになって、念願のEUに入れると思ったら、EUから“今は無理”と断られてしまいました。

 

 

Mr.シップの話に出てきた「北マケドニア」はこちら。

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この北マケドニアのEU入りに反対したのは、フランスなどです。

バルカン半島の国々も経済規模が小さく、もっと支援しなければいけなくなるため、これ以上お金を出したくないと言っているんです。

そして、北マケドニアだけではなく、ほかの5か国もEUに加盟できるかどうか、見通しがたっていません。

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EU(いい湯~)に入れてもらえない状態なんです。

この6か国は、EUから冷たくされているわけですが、この隙に、こうした国々に近づいている国があるんです。

 

それが、中国です。

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中国はアジアとヨーロッパを結ぶ「中国主導の経済圏」を作ろうと考えています。

その上で、バルカン半島の6か国を巻き込みたいと考えているんです。

 

もうひとつ接近してきている国があるんです。

それが、ロシアです。

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東ヨーロッパの国々は、もともとはロシア側の勢力圏でした。

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ですが今ではEUに加盟しています。

この6か国までEUに入ってしまうと、ロシアはますます影響力を失ってしまうということで、ロシアはそうならないように、いろいろ介入しようとしているんです。

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中国とロシアが実際に何をしているのか。

6か国のうちの1つ、モンテネグロの様子を取材しました。

 

2025年のEU加盟を目指すモンテネグロ。

人口わずか60万あまりの小さなこの国で、いま「世紀のプロジェクト」と呼ばれる大規模な高速道路の建設が行われています。

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工事現場で目にするのは中国語です。

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『橋をつくり社会に貢献する』。

建設費用は3000億円近くに上るとみられますが、その多くが中国からの借金です。

町の人は…

「高速道路を作るお金なんて、この小さな国にはないんだから、中国からの資金はなくてはなりません」。

 

中国の狙いの1つが、高速道路の出発点にあるモンテネグロ最大の港だとみられています。

軍港としての機能もあり、軍事的にも重要な拠点です。

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中国は、この港を起点にヨーロッパ内陸部まで至る巨大な物流網を築き上げようとしているのです。

この中国の計画を「危険なワナ」だと懸念する声があがっています。

モンテネグロ最大の新聞の編集長は、このままでは中国への借金が膨らんで返済できなくなり、経済だけでなく、政治や軍事の面でも中国の言いなりになってしまうと懸念しています。

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「借金を返せなければ、中国に港を支配される可能性もあります。EUが内部に抱える問題を中国は見透かし、その隙を突いてこの地域で影響力を持とうとしているのです」。

 

中国だけでなく、ロシアの影も忍び寄っています。

モンテネグロは歴史的にロシアと深いつながりを持つセルビア系住民が3割を占めています。

ロシアはこうした人たちを通じて、モンテネグロに影響を及ぼしているとみられています。

4年前には、クーデター未遂事件が起きました。

首相を殺害しロシア寄りの政権を作ろうとしたとされています。

検察はロシアの情報機関が関与していたとしています。

与党の幹部は、EUへの加盟が遅れれば、ロシアがいっそう、この地域への関与を深めると警戒を強めています。

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「ロシアは長いあいだ、この地域に干渉し続けています。もしモンテネグロがEUに加盟できなければ、ロシアのような国につけ込まれることになるのです」。

 

 

ロシアは、EUがもめているのはチャンスだと、いろいろ暗躍しているとされています。

ロシアや中国は、それぞれ、「自分たちのあたたかいお風呂に入らないか」と、この6か国を誘っているんです。

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改めて、6か国の場所を見てみると、EUの加盟国に囲まれているような形になっています。

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ここが、中国やロシア寄りになったり、さらに軍事拠点ができたりすれば、EUにとって脅威です。

中国やロシアのしたたかな戦略がじわじわと進む中で、EUはうかうか内輪もめしている場合ではありません。

 

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「湯(EU)冷めにご用心」

EUがまとまらずに、お金や方針をめぐって対立ばかりしていると、EUの魅力は薄れて、加盟国や加盟国になりたい国にとっては「湯冷め」の状態に。

EUが豊かさや安定のシンボルでもあり続けるにはいま、団結できるかが問われています。

 

 

 

【この日の時間割】

1.新型コロナウイルス 感染拡大アメリカも

2.イギリス離脱で 揺れるEU

3.宇宙でなに食べる?

 

 

これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:永井伸一 坂下千里子 Mr.シップ

2020年3月22日のゲストは、小林綾子さんです。

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投稿者:Mr.シップ | 投稿時間:15:30


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