2019年12月12日 (木)

イギリス総選挙 これで決まる?EU離脱

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2019年12月8日の出演者のみなさんです。

左から、永井伸一キャスター、国際部の大庭雄樹デスク、千里子さん、Mr.シップ、ゲストの小林綾子さん、国際部の佐伯敏デスクです。

 

 

Mr.シップ「おっ立体迷路だ!よし、行ってみよー」。

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「行き止まりだ。まずいな~」。

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「これは、完全に迷ったな~。出口が見えないよ~」。

 

出口が見えないと言えば、迷路に迷い込んでしまったイギリスの「EU離脱」。

12月12日、いよいよ総選挙が行われます。(12月8日の放送日時点)

EU離脱問題に、出口はあるのでしょうか。

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国際部・ヨーロッパ担当の佐伯デスクが解説しました。

 

今回の選挙、結果によっては、今度こそ、EU離脱へ大きく前に進むかもしれません。

選挙では小選挙区の650議席が争われます。

 

まず、ジョンソン首相が率いる与党。

「来年1月末に離脱する」と主張しています。

 

一方、ライバルの野党。

野党は「このままの離脱はだめ」という立場で、離脱するかどうかを決めるための「国民投票」をもう一回、行うと訴えています。

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こちらは、選挙戦の様子です。

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クリスマスマーケットでは、ジョンソン首相が握手や話をして支持を訴えています。

 

ここでひとつ、今回の選挙を表すことばがあります。

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「ブレクスマス」です。

「ブレグジット」はEU離脱という意味で、イギリスの「ブリテン」と、出口の「エグジッド」を掛け合わせた造語です。

さらに、この「ブレグジット」と「クリスマス」を掛け合わせてできた造語が「ブレクスマス」なんです。

 

実は12月の選挙は、イギリスでは100年ぶり。

暗くて寒い冬であることに加えて、クリスマス休暇もあるので、政治家たちは12月の選挙を避けてきたとも言われています。

 

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[なぜイギリスが総選挙をすることになったのか、オレが説明するヨーソロー]

 

国民の期待を一身に背負って、ことし7月に首相になったボリス・ジョンソン氏。

”必ずイギリスをEUから離脱させる”と、約束しました。

ジョンソン首相は、さっそくEUと話し合い、就任からたった3か月で合意することができました。

しかし、イギリス議会には認められず…。

議会には、与党が半分以下のため、ジョンソン首相は総選挙をやろう!ということになりました。

「議会を味方だらけにすれば、EU離脱を邪魔されることはない」と考えたのです。

 

ジョンソン首相が考えるように、総選挙をすれば、EU離脱ができるのでしょうか。

こちらを使って、説明していきます。

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こちらは「うんざり霧」。

この“霧”は、最近のイギリス国内の空気です。

先の見えない離脱の議論が3年も続いたので、国民はいいかげん“うんざり”しています。

そんな空気のなかで「離脱をジョンソン首相に実現してもらおう」と言う声が目立っているんです。

 

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「私も友だちも、離脱についての議論が長引いていることに、うんざりしています」。

「誰もがうんざりしています。企業も家庭も先の見通しをたてることができません」。

 

そんな中、イギリスのテレビでは、連日の報道に飽き飽きしたという声を受けて、離脱問題を扱わないニュース番組も始まりました。

さらにネットメディアには「“離脱不安”私は眠れない」という見出しも。

ことし3月に行われた世論調査では、64%の人が離脱問題によって不安にさいなまれていると回答しています。

別の調査でも、大人の3分の1の心の健康に影響していることが分かりました。

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深刻な場合は、うつ病の原因にもなっているというのです。

 

離脱問題に早く決着をつけてほしいという思いから、支持する政党を変える人まで出てきています。

 

もともとは野党の労働党を支持し、3年前の国民投票では「EU残留」に投票したスティーブンスさんは、住宅を回ってチラシを配るなど、ジョンソン首相率いる保守党を支える活動を行っています。

しかし、今回の選挙では逆に「離脱」に突き進む保守党を支持することに決めたのです。

出口が見えない議論に、うんざりしたからだと言います。

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「国が前へ進むためにはEU離脱という保守党の主張は正しいと思う」。

スティーブンスさんは、不動産への投資や人材を紹介する事業を行っています。

先行きが見えないことで不動産価格は安定せず、優秀な人材も海外に流出し、経営への不安はつきないといいます。

「どういう形でも、いまの状況を抜け出して前に進んでいかなければなりません」。

 

 

イギリスの研究所が行った調査では「離脱のことを聞きたくないから、もうニュースは見ない。」と言う人も増えているそうです。

また、医療や教育など、生活に関わる大切な政策が後回しにされていると感じている人たちもいます。

 

そんな人たちにジョンソン首相は…

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“うんざりの霧”を掃除機で吸っています。

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晴れ間から「離脱にケリをつける」と出てきました。

うんざりした人たちに「自分が勝てば、このもやもやを終わらせる!」と訴えているんです。

就任からたった3か月でEUと合意を結ぶことに成功したわけですから「実行力のある首相」という評価もあり、ジョンソン首相を支持する人は多いんです。

調査会社は、与党が議席の過半数を確保すると予測しています。

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つまり、うんざりしていた人たちがジョンソンさん側へ行ったということです。

 

しかし、選挙の結果がどうなるのか、まだわかりません。

なぜなら、ここにきて「離脱はしたくない」と言う人たちが活動を活発化させているからです。

それが若者たちです。

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若者たちの多くは「EUから離れたくない」と考えていて、選挙では野党に投票するとみられています。

 

EU残留へ国民投票の実施を求める市民のデモには、多くの若者が参加しています。

3年前の国民投票が行われた時、投票権がなかった若者たちもいます。

「EU離脱」という結果に、自分たちの声が十分反映されなかったと強い憤りを感じているのです。

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「前回は投票できませんでした。若者だけでなく、みんなの声が無視されてきたの」。

「今回、18歳で初めて投票します。政府に怒りを感じています」。

 

そうした若者のひとり、18歳のフランク・チェンバレンさんは、生まれたときからイギリスがEUの一員であることが当たり前でした。

“離脱か残留かをめぐる国民投票を再び行う”と訴える野党の労働党を支持し、選挙活動に参加しています。

将来は通訳や外交関係の仕事に就いて、EUのほかの加盟国で働くことを目指しています。

しかし、離脱すれば、ほかの国で働けなくなり、夢を実現できないのではないかと不安を募らせています。

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「なぜチャンスを僕らから奪うのか理解できないよ。EUを離脱すれば移動の自由がなくなってしまう。EUからの離脱を止めたいんだ」。

 

それを裏付けるデータがあります。

「離脱したくない」と答えた人は、18歳から24歳までの若者では実に8割に達しています。

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しかし、年齢が高くなっていくと、その数は減っていきます。

つまり、「離脱したい」という人が増えていくのです。

「離脱したい」という人の中には、年配の世代が多いと言われているんです。

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EU離脱の問題は、「世代間の対立」という側面もあるんです。

 

では、選挙はいったいどうなるのか、今度こそ、EU離脱となるのでしょうか。

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「クリスマスに欲しいのは…」。

イギリスの人たちが何よりも欲しいプレゼントは、どうやら「今のうんざりの状態を早く終わらせる」ということみたいです。

でも、選挙でどちらが勝つにしても、あまり差がつかなければ、これまでの決められない議会になってしまいます。

欲しかったプレゼントはもらえるのか、選挙の結果に注目です。

 

     

 

【この日の時間割】

1. イギリス総選挙 これで決まる?EU離脱

2. 東京2020 ロシア選手の出場は

3. 太りにくい糖がメキシコを救う?

 

 

 

これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:永井伸一 坂下千里子 Mr.シップ

2019年12月15日のゲストは、初登場!榊原郁恵さんです。

投稿者:永井伸一 | 投稿時間:16:37


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